【VS.詩人】旧コロンボの最終話になります。壮大なスケールで描かれる今エピソードは、殺人事件にプラスして、テロリストの武器輸送も阻止するというものになっています。どうやってコロンボは犯人を逮捕し、そのうえで武器輸送のトリックを見抜くのか?
データ
あらすじ
詩人ジョー・デヴリンは、少年時代にテロリストであった過去を公表し、紛争の救済活動を行う反過激派の平和路線に転身していた。だが裏では、現在も過激派と繋がりがあった。
イギリスで大規模なクーデターを起こすため、オコンネル工業の同志と共に、紛争救済のはずの支援金で武器の大量密輸を計画していたのだ。
武器仲買人のヴィンセント・ポーリーとの交渉が進んでいたが、彼はその金を持ち逃げするつもりだったのだ。この事実を掴んだジョーは、裏切り者であるポーリーを「処刑」と称し射殺した。
人物紹介(キャスト/吹き替え声優)
今回の犯人:ジョー・デヴリン(クライヴ・レヴィル)
吹き替え声優:納谷悟朗(なや ごろう)
職業:詩人
殺害方法:銃殺(サイレンサー銃)
動機:報復
今回の被害者:ヴィンセント・ポーリー(アルバート・ポールセン)
吹き替え声優:灰地順(はいち じゅん)
職業:武器仲買人
小ネタ・補足
〇ラジオ番組のメイン・パーソナリティー「キャロル・ヘミングウェイ」はご本人である。
〇NHKで再放送する時、「石田太郎」氏の吹き替え版で放送されていた。これは、旧シリーズ45作品でコロンボ警部の吹き替え声優を勤めた『小池朝雄』氏の音源が長年行方不明となっていたことから。
その後、家庭用ビデオでの録画テープが視聴者から寄せられ、NHKでは放送可能な音質と判断。配給元ユニバーサルなどの了解を得て小池版を復刻、2010年に放送した経緯がある。(※一部石田太郎氏の吹き替えあり)
まとめ
実に大規模な犯罪がひしめいているエピソードなんですね。個人的な動機を通り越してテロ活動に加担していた犯人が登場しました。犯行計画とは実にシンプルなものでして、シンプルが故にわずかな証拠から犯人を導き出していく展開は魅力的です。
犯人は詩人でありテロリストという、陽気な一面と残忍な一面を兼ね備えた人物です。コロンボ警部とは、ピンボールやダーツ、ベッドで横になりながら連想。コロンボと酒の酌み交わして即興ジョークと仲良くやっているように見えますが、お互い内心は食ってかかって圧を感じました。
印象に残っているシーンが、コロンボ警部の車を空撮で撮影されているシーンです。コロンボ警部は船を追いかけようと車を走らせるんですが、その船には銃器を隠して大量に密輸しているかも知れないと思って必死に追いかけるんですね。そこに、ケルト音楽のようなBGMが重なり実に見事な緊迫感を与えてくれます。
以上、45話「策謀の結末」でした。