刑事コロンボ 49話『迷子の兵隊』コロンボのフィギュアが欲しくなる

新・刑事コロンボ 49話 迷子の兵隊
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【VS.財団幹部】殺害方法として、初の「刺殺」が登場。刑事ドラマとかだと多用されている方法ですけど、倒叙関係だと意外と少ない殺害方法です。犯人との対決だけではなく、その他の登場人物とのストーリーがあったり、濡れ場があったりとします。新しい作風にプラスして、旧コロンボのような鮮やかな解決編、幕切れもあるエピソードになっています。

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データ

脚本:シイ・サルコウィッツ
監督:サム・ワナメイナー
制作:スタンリー・カリス
制作総指揮:リチャード・アラン・シモンズ
製作総指揮スーパーバイザー:ウィリアム・リンク
共同制作総指揮:ピーター・フォーク
ストーリー監修:ジャクスン・ギリス
音楽:ジョン・カカヴァス

本編時間:94分
公開日:アメリカ/1989年5月1日 日本/1993年9月17日

あらすじ

アメリカ戦力研究財団の理事フランク・ブレイリーは、財団の金を不正使用し、武器の密輸で私服を肥やしていた。それだけではなく、名誉会長の妻ジェニー・パジェットと愛人関係もあった。会長から調査を依頼された、財団の運営する傭兵学校教官レスター・キーガンはそれを突き止める。

だが、それを会長に報告しない見返りとして分け前を要求した。フランクは会長の誕生パーティーに合わせ、贈答する兵隊のフィギュアを使った鉄壁のアリバイを作り、訓練指導中のレスターを刺殺する。遺体を時間になったら起爆する爆発箇所に移動させると、訓練中の事故死に偽装したのだった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

今回の犯人:フランク・ブレイリー
役者:ロバート・フォックスワース

吹き替え声優:羽佐間道夫

概要:元・軍人で階級は大佐。現在はアメリカ戦略研究財団理事を務める男性。財団の名誉会長であるジャック・パジェットの右腕として従事しているが、実態は財団の金を不正に利用し、アフリカに銃の密輸を行い、スイス銀行に私腹を肥やしている。

このことを、レスター・キーガンに見咎められ脅迫を受ける。彼を、傭兵学校の訓練中にナイフで刺殺。爆破に巻き込ませ事故死に偽装した。殺害計画は脅迫を受ける前から行動に移し、アリバイ作りを行っていた。前々から準備をしていたようであり、レスターから監視を受けた時から殺害をする段取りを組んでいたようだ。

財団の金を不正に利用する計画書の名称は、「スペシャルプロジェクト基金(特別計画基金) 」である。赤色の書類が本物。緑色が偽物とご丁寧に分けている。分けて作るきっかけになったのは、ジャックから特別計画基金という、何百万もの用途不明金の説明を求められたからだ。

他の仕事に関しては迅速に対応していたのだが、特別計画基金だけは提出が極めて遅かった。数週間かけて、頑張って偽物を書き上げた様子。また、書類を自分で管理すればよかったのだが、秘書に書類を任せてしまったことで、コロンボに特別計画基金を知られるという失態を犯している。

財団の仕事としては、国防についてを考えているようだ。世界情勢を知り、予期せぬことを予期する。完璧な計画を立てるために努力をしているらしい。フランクが電話で話した相手は、「ダライラマ」や「マリのカール」など、著名人とも相手をしているようだ。

また、財団の研究員は未来の予測という観点から「筮竹(ぜいちく) 」という、中国の占いを財団内の一室で行っている。筮竹で出た運勢は、易経で読み解いている。中国人の物の考え方を学んでいるようだ。ちなみに、フランクは「ミンギーの印:井戸に座っている女性」で、罠に対する警告だった。コロンボの捜査は罠が多く、あながちオカルト研究とはいえない。

自身のオフィスには、「敵の面前では、たったひとつのミスでも命とりになる」という教訓として、エクアドルの先住人「ハバロインディアン」の戦士の干し首を飾っている。私生活としては、独身である。シャーマン・オークスに立派な家を構えている。愛人との密会用には「L・ダンスタン ウインドショア・アパート2A」を借りている。財団教練部隊の仕事として、入隊・終業式の2回参加。大佐としてスピーチしているようだ。


今回の被害者:レスター・キーガン
役者:アンディー・ロマーノ

吹き替え声優:麦人

概要:元・軍人で階級は特務曹長の男性。フランク・ブレイリーとは戦友であり、彼から財団教練部隊の教官として軍から引き抜いてもらった。ジャック・パジェットからは、フランクが行っている特別支援基金の調査を任命されていた。

ペンタゴンに友人の陸軍情報部で特務曹長「マーティ・タンザ―」がおり、フランクが武器密輸をしていることを知った。また、独自の捜査でフランクがジャックの妻ジェニーと愛人関係にあったことを突き止めた。だが、このことを将軍には内密にし、脅迫することで分け前をくすねようとした。

ジャックは、コロンボのように頼れる男と評価していたが、教官・軍人という仕事に嫌気がさしていた。新聞の求人広告を毎日閲覧し、印を付けては切り抜いていた。リムジンの運転手、サウジアラビアの会社員、銃器店の店員、警備員などを検討していた。しかし、新しい仕事として脅迫を選択したようだ。

財団教練部隊は「市民の為の陸軍学校」が、モットーである。参加者によれば、「2週間で傭兵になれると雑誌に書いてあった」など、なかなか怪しい記事である。しかし、8箇所以上軍の訓練に参加したマニアからは「最高のキャンプでした。サー!」と、好評価を得ている。

訓練所には自身の小屋があり、2週間のキャンプの間はそこで寝泊りをしているようだ。軍服は、クリーニングに依頼して洗濯してもらっている。ポケットの中に、フランクが愛人と会うために用意したマンションのメモ書きや、2ドルのお金を入れているなど、ずぼらな様子。

まとめ

新シリーズの中でも好きなエピソードです。コロンボ警部に犯人はどこから疑っていたのかを尋ねるのですが、ここがカッコいいです。

トリックに関しては、「箱の中身をすり替える」という物になっています。しかし、箱の中身をすり替えて配送したのならば、配送元からすぐにでもバレてしまう気がしないでもありません。小説版コロンボによると、「自分の権力をもってすればたやすいこと」とは、記載はされています。

しかし、箱の中身。南北戦争に関する本一式と、ミニチュアフィギュア一式では重さが違いますので、重量の関係からも足がついてしまいそう。しかし、最後に映るコロンボのフィギュア……、欲しくありませんか?リアルアクションヒーローズあたりから発売されませんかねぇ。

以上、「迷子の兵隊」でした。

  1. 「いつから私が怪しいと思った?」「実は最初に見たときから」というラストのやりとり、初期シリーズからのファンにはうれしいですね。

  2. ≫「いつから私が怪しいと思った?」「実は最初に見たときから」
    ※大好きな締め台詞です。「私は自分の能力を見誤ったよ」と負けを認め、警部の優秀さを改めて認めるのも良いやりとりですよね。個人的にとても印象に残る犯行計画と証拠でした。

  3. 以前コメントを反映して頂いたことがある金ちゃんです。
    毎週BSPの放送を見る度に貴記事を拝見しております。

    細かいことですみませんが、気になってしまったので。

    石灰で丸く囲んだ爆破ポイントに仰向けにした。とありますが、

    丸ではなく角が丸い四角の感じでした。
    仰向けに寝かせた後、すぐに回転させてうつ伏せにしてました。

    なので、以下のように修文されては如何でしょうか?

    石灰で囲んだ爆破ポイントに寝かせた。

  4. 金ちゃんさま
    ≫石灰で丸く囲んだ爆破ポイントに仰向けにした。とありますが、丸ではなく角が丸い四角の感じでした。
    ありがとうございます!変更させていただきました。旧シリーズの見直しは終わったのですが、新コロンボは文章の添削が済んでおらず、昔書いたままでかなり粗削りです。資格の研修も終わったため少し余裕ができました。順次修整していきます。

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