刑事コロンボ 61話『死者のギャンブル』翻弄される犯人

新・刑事コロンボ 61話 死者のギャンブル
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【VS.ギャンブラー】犯人が狙っていた人物が先に死んでしまう。これには犯人も視聴者もびっくりなストーリー展開です。さらに、殺人をする相手が先に死んでしまったばかりか、殺すつもりのなかった人物を殺してしまうのです。ねじ切れんばかりのトリッキーな脚本家は変則的なシナリオは、「さらば提督」「マリブビーチ殺人事件」のジャクスン・ギリス氏です。

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データ

脚本:ジャクスン・ギリス
監督:ヴィンセント・マケヴィティ
制作:クリストファー・セイター
制作総指揮:ピーター・フォーク
音楽:ディック・デ・ベネディクテス

本編時間:93分
公開日:アメリカ/1992年11月22日 日本/199年10月3日

あらすじ

ギャンブラーであるハロルド・マッケインは、多額の借金を背負うようになり、ついにはマフィアに目をつけられ、期日までに借金を返さなければ殺されてしまう。フットボールチーム・オーナーである叔父ビッグ・フレッドを頼るが、度重なる悪癖に対して支援を拒否したのだった。

ハロルドは伯父の遺産を狙うべく、叔父の車にパイプ爆弾を仕掛けておいた。だが翌朝。ビッグはひき逃げ事故に遭い死亡した。早朝から音楽を聴きながら道路をジョギングするのが日課になっており、前々から危険だと伝えてはいたのだが。そうなると、車に仕掛けられた爆弾は……?

ハロルドが急いで叔父の車に向かうが、現場検証や捜査で警官が屋敷に出入りするため爆弾を回収できないでいた。車は庭の通路上に駐車しており、他の車両が行き来できない状況にあったため、鍵を預かっていた庭師フェルナンドが、移動させるためにエンジンをかけると、捜査に赴いていたコロンボたちの前で爆発してしまったのだった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

今回の犯人:ハロルド・マッケイン
役者:グレッグ・エヴィガン

吹き替え声優:大塚明夫

概要:負け越しているほうが多いギャンブラーの男性。借金取りの『ハッカー』という男に狙われており、負債額は3万ドルである。期日を先延ばしにしていたようで、最後通達を守らなければ殺害される。今までで7回の電話で催促をされ、逃亡したこともあった。

叔父であるビッグ・フレッドは、フットボールチームのオーナーであり、チームの極秘情報などを提供する見返りに、ラスベガスのカジノ店などからは金を借りていた様子。そんな叔父に金銭援助をお願いするも、度重なる悪癖に対して拒否されてしまう。そのため、遺産を狙い殺害を計画した。

殺害に使用したのは「パイプ爆弾」である。コロンボによると、雑誌に製造方法が記載されているものがあるようで、ハロルドも冊子のようなものを開きながら爆弾を製造していた。どこかの場所で廃車を使い、パイプ爆弾が正しく作動するかの実験も行っていた。

しかし、そのパイプ爆弾を作動させる前に、ビッグ・フレッドは早朝に轢き逃げ事故にあい死亡してしまう。爆弾解除を試みるも、捜査に赴く警察やコロンボの目がある。そのまま庭師フェルナンドを爆殺してしまう。爆発前は目をしっかりと閉じ、顔をうつむかせる。己を悔やんだのであろう。決して知能犯とは言えない犯人であり、早々にコロンボ警部から目をつけられてしまった。


今回の被害者:ビッグ・フレッド
役者:スティーブ・フォレスト

吹き替え声優:藤本譲

概要:フットボールチーム『スタリオンズ』のオーナーである男性。毎朝、庭師のフェルナンドと同等の時刻に起床しており、ジョギングをすることが日課になっている。ヘッドフォンをつけて道路を走るため、車に轢かれないようにと注意を受けていたが聞く耳はもたなかった。裏から走り、表に回るのがお決まりのコースだったようだ。

最近ロールスロイスを購入しており、車の№は『STALLIONS NO.1』である。なお、現在6位だ。試合展開は序盤にぼろ負けするが、ドラフト1位選手のクライド・ウェンダースキーという1人の活躍で逆転勝利している。故障が多い選手であり、痛み止めの薬をこっそりと飲んで出場したようだ。

どのように財を築いたかについては、「ビッグ・フレッドはラスベガスで財をつくり、敵もつくった」に留められている。また、宣伝が好きなで、スタリオンズが所有している自前のテレビ局を持っている。踊りが下手なようで、妻ドロレスと踊った際は、足をふんづけながら踊ったとのこと。またスタリオンズは、コロンボの所属するロサンゼルス市警の所長が熱狂的なファンらしい


今回の被害者:フェルナンド
役者:レオン・シンガー

吹き替え声優:清川元夢

概要:ビッグ・フレッドの庭を管理する庭師の男性。ビッグ・フレッドが、車の洗浄を依頼しており、ロールスロイスの鍵を預けていた。そのため、庭の路上に駐車された車を移動しようとエンジンをかける。ハロルドが仕掛けたパイプ爆弾が作動し、爆発に巻き込まれ死亡した

事件の日は裏の垣根を手入れしていた。移動はトラックを使用しており、大切な商売道具、芝刈り機/集塵機などを積んでいた。№45J647である。

小ネタ・補足

〇オープニング曲は『Rags To Riches』である。

〇後半部、ハロルドの家に2台のパトカーが急行するシーンがあるが、60話『初夜に消えた花嫁』のラストシーン付近からの流用である。

まとめ

車を爆発させて殺害させる事件としては「死の方程式」「偶像のレクイエム」があります。今回も狙ったわけではありませんが、車に仕掛けたパイプ爆弾で爆死させてしまいます。その際の、警官が転がる演出。新シリーズの特徴であるド派手な演出が見ることができます。

ストーリーに関しては、倒叙形式を守りつつ……捻りを加えた展開。ハロルド・マッケインという男の数奇な数日間といった事件なのかも知れません。コンセプトとして大好きな作品でして、コロンボ警部のセリフにもありますが、「あやふやな二件より確かな一件」

複雑に絡み合う殺人事件ですが、全てを立証できなくてもいずれかの犯行を証明できれば、事件は解決できるという構成は見事なんですね。

以上、「死者のギャンブル」でした。

  1. グレッグ・エビガンが出ていたのがうれしかったです。
    トラック野郎BJから10年くらい経って30代後半ですね。
    相変わらずのもて男でした。

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