刑事コロンボ 55話『マリブビーチ殺人事件』混乱する難解エピソード

新・刑事コロンボ 55話 マリブビーチ殺人事件
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見終わった後に「なるほど。そうだったのか」となって終わりたいのがミステリーものの作品です。「犯人・動機・方法」の3点が分かれば、大体スッキリと後味良く見終わることができます。

刑事コロンボは倒叙形式と呼ばれる、犯人視点から進む物語がほとんどなのですが、この事件も犯人視点から進んだかと思いきや……、「犯人・動機・方法」が再び謎に包まれてしまうんです。

一体誰が真犯人なのか? 初めて見たとき、その難解なストーリーに「?」でした。何度か見直さないと、分り難い。そんな事件のお話です。私の理解力がないだけか。

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データ

脚本:ジャクスン・ギリス
監督:ウォルター・グローマン
制作:ペニー・アダムス
制作総指揮:ジョン・エプスタイン
製作総指揮スーパーバイザー:ウィリアム・リンク
共同制作総指揮:ピーター・フォーク
ストーリー監修:ジャクスン・ギリス&W・R・ウッドフィールド
クリエイティブ・コンサルタント:ビル・ドリスキル
音楽:パトリック・ウィリアムズ

本編時間:93分
公開日:アメリカ/1990年5月14日 日本/1994年10月14日

あらすじ

プレイボーイのウェイン・ジェニングスは、作家テレサ・ゴーレンに婚約を申し込んだ。そして彼女は出演したテレビ番組でウェインとの婚約を公表したのだった。その晩、愛人宅にいたウェインに1本の電話がかかる。

相手はテレサであり、浮気を詰め寄られ「結婚なんかするもんですか、あんたなんか大嫌いよ」と叱責された。ウェインはすぐに車を走らせ、マリブビーチにあるテレサの自宅に向かう。早朝に彼女を射殺したのだった。

捜査が始まると、すぐに銃を撃ったのがヴェインだと判明し、詰め寄ると罪を認め自白をした。コロンボ警部も「こんなに早く犯人が捕まったのは初めてだ」と事件解決かと思いきや、検視報告書が届けられる。なんと、ウェインが銃を撃った30分前には、すでにテレサは死亡していたのだった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

今回の犯人?:ウェイン・ジェニングス
役者:アンドリュー・スティーヴンス

吹き替え声優:大塚芳忠

概要:女性関係が多い、職業はヒモ男とも言うべきプレイボーイの男性。一応、俳優志望で映画のオーディションに応募したりもしている。作家テレサ・ゴーレンと結婚をしたい一方で、会計士ヘレン・アシュクロフト、ポール・ロッカの婦人とも愛人関係にある。

そんな中でテレサと婚約をするに至ったのだが、姉ジェス・マカーディが密かに私立探偵に不倫の調査を依頼していた。結婚が報道されたその晩には結婚破棄を突きつけられる。逆上した彼はテレサを殺害したうえで、不倫報告が書かれた手帳はゴミ箱で捨てた様子。

テレサと結婚したかったのは、金銭面だけではなく作品の出版権を獲得するためでもあったようだ。ポール・ロッカが出版権を欲しがっていたようで、愛人であるロッカ婦人に頼んで映画に出る予定でも立てていたのではないだろうか?

また、俳優以外にはテニスインストラクターとして活躍をしている。今回のエピソードでは、有名人テニス大会のピンチヒッターとして出場をしていた。

それ以外には、ヒマラヤの山登り/スカイダイビング/ニュージーランドでヨット/カボ・サン・ルーカスで100ポンド(45.359㎏)の魚を釣り上げたようだ。部屋には銃器コレクションも飾られている。愛車は赤のジャガーで、車の№はWEJ1221である。


今回の被害者:テレサ・ゴーレン
役者:ジャネット・マーゴリン

吹き替え声優:山田礼子

概要:小説家の女性。ロマンス小説を手掛ける人気作家であり、現在までに24冊の本を出版、そのうち3冊はベストセラーを獲得している。本のモデルの男性は、幼い頃に母と「エロール・フリン」の映画からや、「アイヴァンホー」から参考にしている様子。

しかし、後期の作品はウェイン・ジェニングスをモデルにしているのではないかと、熱心なファンによって見抜かれる。最新刊の87Pの文章と、先月推理映画を観ていた男性(ウェイン・ジェニングス)と酷似した姿だったようだ。その結果、婚約を公表することに繋がった

元々は、姉のジェス・マカーディの紹介でウェインと出会った様子。初めて会った時の服装は、青いルピナス色のドレスである。原稿は年代物の金庫に入れており、泥棒には弱いが、火事には強いらしい。原稿の他に10万ドル相当の宝石類を入れていた。(1995年5月:1ドル=85円 10万ドル=85万円)

自宅はマリブビーチにある。近隣住民は、耳が遠いシャノンさん。毎朝、10㎞はランニングする夫婦。毎朝のテレビ体操に執着する夫をもつ婦人など癖が強い住民ばかりである。姉のジェス・マカーディも、3㎞離れた海岸沿いの家に住んでいる。

小ネタ・補足

〇37話『さらば提督』の脚本を担当したジャクスン・ギリス氏の手掛けたエピソードである。今作品の舞台となる屋敷も、さらば提督で使用された屋敷であり同じミステリー形式である。

まとめ

事件現場が一カ所だけに留まらず地区を越えて行き来します。パームスプリングス⇔マリブビーチ⇔ロサンゼルス……、位置関係がよく思い浮かばないと思いませんでしょうか

Googleマップでですが、画像を表示してみます。ロサンゼルスは、パームスプリングスとマリブビーチの真ん中あたりにあるようです。

「パームスプリングス」から「マリブビーチ」

「ロサンゼルス」から「マリブビーチ」

アメリカの地名や場所に馴染みのない私にとってはチンプンカンプンで、「犯人・動機・方法」に加えて、場所の位置関係も混乱する要因の作品でした。

以上、「マリブビーチ殺人事件」でした。

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