刑事コロンボ 55話『マリブビーチ殺人事件』混乱する難解エピソード

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【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「マリブビーチ殺人事件」より引用】

【VS.????】見終わった後に「なるほど。そうだったのか」となって終わりたいのがミステリーものの作品です。「犯人・動機・方法」の3点が分かれば、大体スッキリと後味良く見終わることができます。ただ今回のエピソードは、通常の「ミステリー形式」になっています。

一体誰が真犯人なのか?初めて見たとき、その難解なストーリーに「?」でした。何度か見直さないと、分り難い。そんな事件のお話です。

※脚本はジャクスン・ギリス氏です。37話「さらば提督」の脚本も手掛けており、こちらもミステリー形式です。舞台となる屋敷も、さらば提督で使用された屋敷であり、同じミステリー形式・同じ脚本家という遊び心が詰まっております。

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ココが見どころ‼

〇1回で理解出来たらスゴイ!超絶分かり難いエピソード。

〇「こんなに早く終わったのは初めてだ」、あっさりと犯人逮捕だと思いきや……。

〇被害者の姉ジェス・マカーディさんが、終始怒鳴ってばかり。

データ

データ:詳しく見る
脚本:ジャクスン・ギリス

監督:ウォルター・グローマン

制作:ペニー・アダムス

制作総指揮:ジョン・エプスタイン

製作総指揮スーパーバイザー:ウィリアム・リンク

共同制作総指揮:ピーター・フォーク

ストーリー監修:ジャクスン・ギリス&W・R・ウッドフィールド

クリエイティブ・コンサルタント:ビル・ドリスキル

音楽:パトリック・ウィリアムズ

本編時間:93分

公開日:アメリカ/1990年5月14日 日本/1994年10月14日

あらすじ+人物相関図

プレイボーイであるウェイン・ジェニングスには、多数の愛人がおり、作家テレサ・ゴーレンもその1人であった。ある日、ウェインはテレサに婚約を迫る。テレサは結婚を出し渋っている様子であったが、出演したテレビ番組でウェインとの婚約を公表したのだった。

その晩、愛人宅にいたウェインに1本の電話がかかる。相手はテレサであり、浮気を詰め寄られ「結婚なんかするもんですか、あんたなんか大嫌いよ」と叱責された。逆上したウェインは車を走らせて、マリブビーチにある彼女の自宅に向かう。そして早朝、彼女を射殺したのだった。

捜査が始まると、ウェインは物取りの犯行へと誘導を行う。自身の電話を用いたアリバイも作ったのだが、銃を撃ったのが彼だと分かり詰め寄ると、罪を認め自白をした。「こんなに早く犯人が捕まったのは初めてだ」事件解決かと思いきや、検死報告書が届けられた。

なんと、ウェインが銃を撃った30分前には、すでにテレサは死亡していたのだった。犯人だと思われていたウェインは、犯行現場から離れた場所にいる留守電話の記録が残されていた。また、現場周辺には死亡時刻に1台も車は通らなかったのだという。一体誰がテレサを殺害したのか?捜査は再び振り出しに戻った。

人物紹介

【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「マリブビーチ殺人事件」より引用】

今回の犯人?:ウェイン・ジェニングスアンドリュー・スティーヴンス

吹き替え声優:大塚芳忠(おおつか ほうちゅう)

職業:プレイボーイ

殺害方法:銃殺

動機:口封じのため

概要:詳しく見る
概要:女性関係が多い、職業はヒモ男とも言うべきプレイボーイの男性。一応、俳優志望で映画のオーディションに応募したりもしている。作家テレサ・ゴーレンと結婚をしたい一方で、会計士ヘレン・アシュクロフト、ポール・ロッカの婦人とも愛人関係にある。

そんなテレサと婚約をするに至ったのだが、姉ジェス・マカーディが密かに私立探偵に不倫の調査を依頼していた。結婚が報道された、その晩には結婚破棄を突きつけられる。逆上した彼はテレサを殺害したうえで、不倫報告が書かれた手帳はゴミ箱で捨てた様子。

テレサと結婚したかったのは、金銭面だけではなく作品の出版権を獲得するためでもあったようだ。ポール・ロッカが出版権を欲しがっていたようで、愛人であるロッカ婦人に頼んで映画に出る予定でも立てていたのではないだろうか?

また、俳優以外にはテニスインストラクターとして活躍をしている。今回のエピソードでは、有名人テニス大会のピンチヒッターとして出場をしていた。

【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「マリブビーチ殺人事件」より引用】

それ以外には、ヒマラヤの山登り/スカイダイビング/ニュージーランドでヨット/カボ・サン・ルーカスで100ポンド(45.359㎏)の魚を釣り上げたようだ。部屋には銃器コレクションも飾られている。愛車は赤のジャガーで、車の№はWEJ1221である。


【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「マリブビーチ殺人事件」より引用】

今回の被害者:テレサ・ゴーレンジャネット・マーゴリン

吹き替え声優:山田礼子(やまだ れいこ)

職業:作家

概要:詳しく見る
概要:ロマンス小説を手掛ける人気作家の女性。現在までに24冊の本を出版しており、そのうち3冊はベストセラーを獲得している。本のモデルの男性は、幼い頃に母と「エロール・フリン」の映画からや、「アイヴァンホー」から参考にしている様子。

しかし、後期の作品はウェイン・ジェニングスをモデルにしているのではないかと、熱心なファンによって見抜かれる。最新刊の87Pの文章と、先月推理映画を観ていた男性(ウェイン・ジェニングス)と酷似した姿だったようだ。その結果、婚約を公表することに繋がった

元々は、姉のジェス・マカーディの紹介でウェインと出会った様子。初めて会った時の服装は、青いルピナス色のドレスである。原稿は年代物の金庫に入れており、泥棒には弱いが、火事には強いらしい。原稿の他に10万ドル相当の宝石類を入れていた。1995年5月:1ドル=85円 10万ドル=85万円

自宅はマリブビーチにある。近隣住民は、耳が遠いシャノンさん。毎朝、10㎞はランニングする夫婦。毎朝のテレビ体操に執着する夫をもつ婦人など癖が強い住民ばかりである。姉のジェス・マカーディも、3㎞離れた海岸沿いの家に住んでいる。

犯行計画

【普通にエピソードを見た場合】
①03:00過ぎ、テレサから「結婚をしない」という電話を聞くと、車でパームスプリングス→ロサンゼルスを移動する。06:25 ハイウェイから、ヘレン・アシュクロフトに留守電話をかけた。

②その後、ロサンゼルス→マリブビーチを移動し、テレサの自宅で彼女を射殺。07:15 カフェで、テレサの秘書メ―ヴィスに電話をかけた。

③コロンボが捜査に来ると高価な置物が盗まれたと言い、物取りの犯行に見せかけた。

※しかし、ウェインが撃った時にはテレサはすでに死亡していた。どんなに早くても05:30には死亡していたことになる。また、ケーブルテレビの作業員によると、05:50~06:25までの間はマリブビーチを通った車はなかった。

事件の真相:ネタバレ注意!
【テレサと結婚できないことを悟り殺害。自身に好意を寄せるテレサの姉に取り入ることで、テレサの遺産金を獲得する。また、テレサの死亡保険金は全額寄付するという契約を結んでおり、保険金殺人の線を無くした】
①03:00過ぎ、テレサから「結婚をしない」という電話を聞くと、車でパームスプリングス→ロサンゼルスを移動する。(描写なし。おそらく)テレサの自宅に到着すると、寝ているテレサの枕元に探偵の手帳を発見した。結婚が不可能となったことを改めて理解する。

②05:50前には自室にある拳銃を使用してテレサを射殺した。そして物取りの犯行に偽装すると、すぐにパームスプリングへ戻る予定であった。しかし、05:50~作業車が来るハプニングに見舞われる。そのため、犯行現場に留まるしかなかった。パームスプリングスの朝の渋滞が発生する時刻になり、時間内に戻れなくなってしまったため計画を変更する。

③犯行現場からヘレン・アシュクロフトに電話をかける。カラスの鳴き声が騒音となり、近くのハイウェイから電話を掛けているように見せかけた。06:25~作業車が去った後、今度はテレサの銃を引き出しから取り出し、もう一度彼女に2発発砲した。

④被害者の衣服をスラックスに着替え直すと、カフェに移動して秘書メ-ヴィスに電話をする(結婚のニュースを聞き、急いでパームスプリングスからマリブビーチに向かっているという)。園芸店から花を購入する。また、タイヤがパンクしたため交換をしたというアリバイも作る。犯行がバレそうになったら自白してしまう。2度も自分が撃ったとは誰も思わない為。

⑤自身に惚れているテレサの姉ジェス・マカーディに取り入る。これにより、テレサの遺産金を獲得する。死亡保険金は以前から全額寄付する契約をしており、保険金殺人の疑いを晴らしていた。

推理と捜査

ネタバレ注意!
〇リビングの窓を割って侵入したようだ。しかし、金庫の鍵を手際よく開けるほどのプロがガラスを割って入るだろうか?

〇ウェインの車の走行距離が12万2000㎞だった。パームスプリングス→ロサンゼルスまで175㎞。ロサンゼルス→マリブビーチまで30㎞で、計205㎞だった。しかし、ウェインがタイヤを交換した保証書の距離を差し引くと270㎞で、65㎞多いことになる。

〇被害者は、犯行日の03:00頃にウェインへ縁切りの電話を掛けたようだ。

〇ウェインは、テニス大会に出場する選手が泊まるホテルとクラブにチェックインしていなかった。また探偵チャーリーは、ロサンゼルスに向かう2~3㎞先のハイウェイを走る、彼の愛車を07:00頃に見かけていた。

〇ウェインは自白をした。しかし、死因頭部への1発であり、彼が発砲した銃とは違う22口径であった。ウェインが発砲した時にはすでに被害者は死亡していた。どんなに早くとも、05:30には死亡していたようだ。また、遺体には性的陵辱の形跡はなく、圧迫や打撲の痕跡もなかった。犯人とは争いにならなかったことになる。

〇被害者の死亡保険の受取人は姉のジェス・マカーディだけであった、しかし、ウェインと被害者も密かに生命保険に入っており、どちらかが死ぬと、もう1人が受け取ることになっていた。

〇ケーブルテレビの作業員によると05:50~06:25まで、マリブビーチを出入りした車はなかった。

〇被害者の自宅から、パームスプリングスへ電話をかけた記録はなかった。ジェスはテレサと口論になったことを認めた。そして、自分の自宅からパームスプリングスのウェインまで、テレサのフリをして電話をかけていた。また、凶器が海岸から発見された。近く小道は被害者の自宅に通じている。

〇ウェインは、06:25にハイウェイからヘレンに留守電をかけたと音声が録音されていた。ハイウェイの近くから掛けているため、騒音が入っていると言っていたが、テープの音を分析するとそれはカラスの鳴き声だった。被害者の自宅近くでは作業車が工事中であり、巣を守るためにカラスが鳴いていた。この留守電話は、犯行現場からかけられたものだ。

いかにして決着をつけたか
〇被害者が着用していたパンティ-のメーカーは、ラベルが左側についている。しかし、遺体発見時にはラベルは右側についていた。前と後ろを逆に履いていたことになる。そうなると、本人が履き間違えるミスはしない。また、女性ならばこのようなミスは犯さない。

さらに、被害者は飛行機に乗る際は、リラックスをしたいという理由から、ハイソックスを履くことが習慣になっている。犯行日に飛行機に乗る予定を知っていたのは、①姉ジェス・マカーディ②秘書メーヴィス③婚約者ウェイン・ジェニングスの3人だけになる。男性はウェインだけであり、彼が犯人だ。

三幕構成

まとめ

犯行計画が文章にして書き出してみると、さらに混乱してしまいました。パームスプリングス⇔マリブビーチ⇔ロサンゼルス……、位置関係がよく思い浮かばないと思いませんでしょうか?Googleマップでですが、画像を表示してみます。ロサンゼルスは、パームスプリングスとマリブビーチの真ん中あたりにあるようです。

「パームスプリングス」から「マリブビーチ」

「ロサンゼルス」から「マリブビーチ」

アメリカに住んでる人なら、地形を理解しているのでしょうが、馴染みのない私にとってはチンプンカンプンです。「犯人・動機・方法」に加えて、場所の位置関係も混乱する要因の作品でした。

以上、「マリブビーチ殺人事件」でした。