刑事コロンボ 56話『殺人講義』最年少犯人

新・刑事コロンボ 56話 殺人講義

【VS.法学部大学生】新シリーズの中でも評価が高い作品なんですね。犯人は最年少でありコロンボ警部との歳の差は実に「40歳

さらに、コロンボの特別講義中での殺人であり、コロンボ自身が鉄壁のアリバイになってしまいます。一体どうやって、講義中に遠く離れた場所にいる被害者を射殺することができたのか?遠隔殺人トリックに挑みます。

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データ

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脚本:ジェフリー・ブルーム

原案:ジェフリー・ブルーム&フレドリック・キング・ケラー

監督:E・W・スワックハマー

制作総指揮:ジョン・エプスタイン

スーパーバイジング・プロデューサー:アラン・J・レヴィ

共同制作総指揮:ピーター・フォーク

ストーリー監修:ジャクスン・ギリス&W・R・ウッドフィールド

音楽:ジェームズ・ディ・パスカル

本編時間:93分

公開日:アメリカ/1990年12月9日 日本/1994年5月6日

あらすじ+人物相関図

法学部の大学生ジャスティン・ロウとクーパー・レッドマンは、テストに合格をするために試験問題を盗み出していた。それを教授エドワード・ラスクに咎められると、2人に落第か退学かの決断を迫られる。

教授は不倫関係にある女性がいたり、犯罪組織の有力者を実名入りで記載した本を出版するなど、彼の死を望むものや不穏な噂が多くあった。それを利用して、犯罪組織に命を奪われたように見せる殺人を計画する。

守衛ジョーの部屋から銃を盗み出すと、講義中に教授が待ち合わせ場所に向かうように仕向け、車に乗り込もうとしたところを射殺した。犯行時刻、コロンボの特別講義を受けていた鉄壁のアリバイがある。一体どうやって2人は遠く離れた場所にいる教授を射殺できたのか?

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

共犯今回の犯人:ジャスティン・ロウスティーヴン・キャフリー

吹き替え声優:大塚明夫(おおつか あきお)

職業:法学部大学生

殺害方法:銃殺(45口径オートマチック)

動機:口封じのため(試験問題を不正に入手。それが発覚し退学させられそうになる)

概要:詳しく見る
フリーモント大学法学部に在籍する男性。試験問題を不正に入手し、それをエドワード・ラスク教授に見咎められ落第か退学の選択を突きつけられる。しかし、導き出した結論は殺害することであった。

試験問題を不正に入手したものの、地頭は決して悪くはなく優秀の部類に入るとのこと。噂に関しては早耳で「ゴシップのロウ」とも呼ばれている。父親はジョーダン・ロウで、高名な刑事弁護士であり大学の法律顧問も務めている。司法検事やサンフランシスコの副知事と食事をするほどの有識者だ。そんな父親の電話を盗聴、手紙も盗み見て情報を仕入れているようだ。

ジョーダンによると、「優れた知性をもっているが、ハーバードのロースクール(法科)には入れそうもない」と、息子の現状について鋭く見抜いている。遊び惚けており、知能と成績は必ずしも一致はしないのである。

将来は一流の弁護士にしたいようで、裏で手を回す準備もおこなっているようだ。ハーバードのロースクールで入学~卒業となると、25万ドルは必要とのこと。(1990年12月:1ドル=133円 25万ドル=3.325万円)

殺害した理由について悪びれることもなくこう語った。
「なぜ殺ったかって?やり方を知ってたからさ!もうちょいで成功だった。お前(コロンボ)はついてただけさ、ただのまぐれだ。安心するのは早いぜ。親父は必ず俺を守ってくれるさ!」

父親のことは、「あいつはおかしいんだ」とも言っていたが、最後に頼るあたり信頼していたようだ。射殺に使用した銃は45口径オートマチック。どうやってコロンボの講義中にラスク教授を射殺することができたのかが今事件の解決編となる

なお、20m先から頭に1発。並みの殺し屋ならば6発は打ち込むようだ。毎週木曜日に学生同士で集まっては飲んだりしている。物語冒頭では、ラジコンカーにカメラを搭載した機体を走らせていた。


共犯今回の共犯:クーパー・レッドマンゲイリー・ハーシュバーガー

吹き替え声優:山寺宏一(やまでら こういち)

職業:法学部大学生

概要:詳しく見る
フリーモント大学法学部に在籍する男性。試験問題を不正に入手したジャスティン・ロウに加担。彼と同じく、落第か退学かを選択される。結果として、殺人で口を封じるというジャスティンの計画に乗っかった。

自宅は海岸沿いにあり、父親は資産家で裕福な家庭で生まれ育っている。車は最新の遠隔リモコンでドアロック可能な「ランドクルーザー」である。また、バスケのシーズンチケットを守衛に渡し職員駐車場に車を停めている。

ジャスティンの父によると「頭も良いがテニスのプロになりたいそうだ。B級のプレイヤーだが、本人は『ジョン・マッケンロー』気取りで自分をわかっていない。あの子の得意技は、女の子にスマッシュ(妊娠)させるだけだよ」と酷評。

1年半で妊娠させた女性は3人目であり、今度妊娠沙汰を起こしたら父親からは親子関係を解消すると釘を刺されている。一応テニスは、学生試合でストレート勝ちをしている。


被害者今回の被害者:エドワード・ラスク(ジェームズ・ストリウス)

吹き替え声優:神谷 和夫(かみや かずお)

職業:大学教授

概要:詳しく見る
フリーモント大学で犯罪学について講義を行う教授。講義の一環として、現役刑事からの特別講義を依頼。コロンボが授業を行うことになった。

著書として、タイトルは不明だが①「ニューオリンズでの犯罪を暴いた本」②「南カルフォルニアの知能犯罪と裏組織を関係づけ資金洗浄について」②に関しては新しく書いた本であり、大物の危険人物(権利をむさぼる軍需産業のトップ、信託会社の重役、上院・下院議員etc.)陰の実力者たちを実名入りで批判した内容が記載されている。その方面から実際に脅迫もあったようだ

ガレスピー学長のマスコミに向けの追悼コメントでは「本校の発展の礎を築いた」と述べていたが、裏では「好きなように生きてたからな。罰が当たったんだ」と評価。実際、バスケ監督クーパーの妻ジェイ二―と不倫関係にあった。週に1度、毎週木曜日に会って密会をしていた様子。

この不倫の事実は自身の妻にも報告している。別れを自ら告げたあとは、ジェイニーはまだ不倫関係を続けたかったようで穏便に解消とはいかなかった。その後、教授は1時間ほどヤケ酒を飲んでいたとbarの店員は語る。

弾丸は「ホローポイント」と呼ばれるタイプを使用。弾頭が裂けるもので殺傷能力が高いようだ。頭に打ちこまれたい1発の銃弾で死亡したが、倒れる前まで頭を押さえる動作をしており、即死ではなかった様子。

所持品は、財布(札束入り)/クレジットカード/ボールペン/クシ/ハンカチ/上着のポケットにコレステロールの薬であった。鞄に関しては、いつも帰る時には必ず持ち帰るとのこと。

犯行計画/トリック

【コロンボの講義中に離れた位置にいるエドワード・ラスク教授を射殺】

①クーパー・レッドマンは監視カメラ越しに守衛ジョーへ声を掛ける。バスケットのシーズンチケットを渡すと言い、外の駐車場まで呼び出した。その間、ジャスティン・ロウは守衛の机の中から、ジョーの部屋の鍵を入手。そのカギを複製した。2人でジョーの部屋に侵入し、45口径オートマチックを入手した。

②翌日、エドワード・ラスク教授とジャスティンは会話。ジャスティンの父親は、大学の法律顧問であり、大学発展の協力者でもある。父親に最後に会ってほしいと言い、20:00にカフェ「バラード」に来てもらう約束をした。

③コロンボの特別講義中、ラスク教授はカフェに向かうために抜け出し、駐車場に向かった。そこを二人は遠隔トリックで射殺した。講義終了後、コロンボは学生と共に駐車場に出ると遺体を発見した。

④ジャスティンは警察に電話を掛けると言い、車に乗り込んで守衛室まで向かう。そこで、状況を報告して守衛ジョーを駐車場まで向かわせた。その間、監視カメラの映像を止める確認をして、監視カメラの映像を止めた。←(映像を止めることで、射殺シーンが上書き保存されるのを防ぐため)

④ラスク教授は犯罪組織を実名入りで記載した内容の本を出版していた。そのせいで、犯罪組織からの脅迫文書も届けられていた。教授は組織から殺害されたように見せかけた。

推理と捜査(第二幕まで)

推理と捜査

〇職員駐車場から出た外の路上に、45口径の薬莢が落ちていた。どうしてこのような場所に薬莢が落ちているのか?

〇被害者の上着ポケットの中に、食前に飲む「コレステロールを下げる薬」が入っていた。また、被害者は帰る際には必ず鞄を持って帰る。大学の門が閉まるのは21:30。教授は20:10に駐車場へ出て行った。これから食事をしに行き大学に戻るつもりだった。

〇被害者は人妻ジェイニーと不倫関係にあった。犯行日前日にもジェイニーとレストランで会っており、ジェイニーは相当怒っていたようだ。しかし、被害者は妻へ不倫関係を告白し、不倫相手にも別れを告げていた。彼女は事件に関係はない。

〇コロンボは、被害者の嘘の持ち物。「アリゾナ州フェニックス行きの航空券」について尋ねた。被害者の妻、不倫相手は知らないと答えた。しかし、ジャスティン・ロウとクーパー・レッドマンは、その嘘の航空券について、教授が話していたと語った。彼らが怪しい。

〇被害者はカフェ「バラード」へ、ロウという人物に2~3分遅れるという電話を入れていた。ジャスティンの父親はジョーダン・ロウである。その日時は、サンフランシスコで食事をしており、被害者と食事の約束はしていなかった。

〇職員駐車場のゲート前のカメラ映像だけは残っていた。映像から、犯人は壁側から発砲したことになる。階段側にもカメラがあったが、こちらのカメラの映像は残っていなかった。守衛がカメラを停止したのではなく、ジャスティンが気付いてカメラを停止したのだという。

小ネタ・補足

〇冒頭で流れる曲は、『Poor Rich Boy』である。

〇シリーズで最年少犯人コンビである。ジャスティン・ロウ(22歳)クーパー・レッドマン(21歳)。コロンボ警部は63歳であった。

〇ジャスティン・ロウの父親役は、過去3度の犯人を務めたロバート・カルプ氏が演じている。4話「指輪の爪跡」12話「アリバイのダイヤル」21話「意識の下の映像

『アリバイのダイヤル』では、コロンボ警部がプールで革靴を濡らしダメにしてしまう。講義中には学生たちに扱った事件を語り、音声はないのが足を持ち上げ自分の靴を見せているシーンがある。ロバート・カルプさんも特別出演されており、きっとこの思い出を話したんでしょうなぁ。自縛の紐かもだけど……。

〇試験問題を盗み出した方法は不明である。小説版『殺人ゲーム(殺人講義)』によると、「ハッキング」によるものだと記載されている。

 

まとめ

年配になったコロンボ警部と最年少犯人という構図が良いエピソードなんですね。こういった対比は新シリーズでしか表現できませんからね。また、コロンボ警部の大学での特別講義中に起きる殺人事件というのも面白いプロットです。警察である自分が犯人の鉄壁のアリバイになってしまうのです。

3作品もの名犯人を演じた『ロバート・カルプ』さんが犯人の父親役で登場したのもファンにとっては嬉しい演出でした。やはりコロンボ警部を小馬鹿にしたような態度は一級品です。こうやって対等に言い合える犯人が新シリーズには少ないのです。

ボタンを押してドアがロックされる車」1990年12月のエピソードであり、この年代からあったんですね。また、コロンボ警部がコレステロールの薬について話すのですが…

「あーこれ。コレステロールの薬だ。これ効くんだよ。あたしは310になってね。1日2回食前に飲んだら220に下がったんだ」

成人男性の正常コレステロール値:150~199
境界線:200~219
異常値:220~

コロンボ警部、薬を飲んでも異常値です。
以上、「殺人講義」でした。

  1. これは血圧ではなくて総コレステロール値のことでは?

  2. ご指摘ありがとうございます!
    コレステロールの薬と書いているのに、血圧の数値と思い違いをしておりました。
    誤った文章に関して修正させていただきました。

  3. 自分もコレステロールを下げる薬を飲んでるので気がつきました。
    この57話5年ぐらい前に録画していたやつを昨日はじめてみて、意外に楽しかったので、皆さんの評価はどうかなと思い検索していたらこちらを見つけました。
    楽しいレポートありがとうございます。
    他のエピソードもぼちぼち読ませていただきます。

  4. 若い犯人と老年の刑事の対比という、新コロンボならではなエピソードで好きです。
    他エピソードに関しても、少しづつ余分な文章を削ったり、情報の加筆修正を行っていきます。刑事コロンボを69エピソードをまとめたものの、(2019年7月時点で)90%は未完成です。殺人講義に関しても、小説版の情報も随時まとめていきたいと画策しています。

    》「皆さんの評価」とのことで、『刑事ぼろんこ』さんのブログがファン交流が盛んです。色々な方が感想を述べていますので、私もよく閲覧しております。当ブログはまだまだ小さなものですが、古今東西の倒叙形式の作品をまとめるべく精進していきます。

    ご指摘の件、どうもありがとうございました!