刑事コロンボ 第1話「殺人処方箋」若き日のコロンボはちょっと怖い…

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【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「殺人処方箋」より引用】

【VS.精神分析医】「刑事コロンボ」エピソード全69作品の中で、記念すべき第1作目にあたる話です。犯人視点から始まる倒叙形式、コロンボのキャラクター。多くの作品に影響を与え続け、色あせることのない内容です。そして公開から2018年をもって、50周年を迎えました!

元々は1962年の舞台劇「殺人処方箋」として演じられた作品で、犯人役が主人公であり、コロンボ警部は脇役的な立場でした。しかし、製作スタッフの記録によると

「出演者たちがカーテンコールに現れると、観客たちは拍手を贈る。そこへトーマス・ミッチェル(刑事コロンボ役)が姿を見せると、拍手は天井を突き抜けんばかりに高まる。その後ろへ主演のジョセフ・コットン(犯人役)が現れると、拍手は静かになるんだ」

-刑事コロンボ レインコートの中のすべてーP.26より参照

この時、舞台でコロンボ警部を演じていたトーマス・ミッチェルですが、健康状態の悪化から舞台を降板。その後閉幕となりました。脚本のリチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンクは映像化にあたり、ピーターフォーク演じる刑事コロンボを見るまでは。最後までトーマス・ミッチェルを配役したかったと述べています。

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ココが見どころ!

〇レイ・フレミングが指紋を残さないために使用したハンカチを忘れずに回収

〇若き日のコロンボ警部は32分40秒で登場。お馴染みのレインコートの着用は43分50秒。

〇コロンボとレイの酒を交わしての会話で、レイが酒をこぼしそうになるくらい回すグラス。

〇精神分析医の診断はコロンボの捜査方法を完璧に見抜いている。その上でも余裕なアリバイ

データ

データ:詳しく表示する
脚本:リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク

監督:制作:リチャード・アーヴィング

音楽:デイヴ・グルーシン

本編時間:99分

公開日:アメリカ/1968年2月20日 日本/1972年12月31日

あらすじ+人物相関図

高名な精神分析医レイ・フレミングは、患者である若手映画女優ジョーン・ハドソンと愛人関係にあった。レイは資産家の妻キャロルとは金銭目的で結婚をしていたのだ。そんなキャロルは不倫にうすうすと気づきはじめる。

彼女は不倫を許さず、財産をすべて差し押さえて離婚。そのうえで社会的地位も失わせるという最終通告をする。そんな妻を巧みに懐柔し、メキシコへの「第2のハネムーン」と称して旅行へ誘う。しかしそれは、レイが用意周到に練り上げた殺人計画の一部であった。

人物紹介

【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「殺人処方箋」より引用】

今回の犯人:レイ・フレミングジーン・バリー

吹き替え声優:若山 弦蔵(わかやま げんぞう)

追加吹き替え:麦人(むぎひと)

NHK初回放送時声優:瑳川 哲朗(さがわ てつろう)

職業:精神分析医

殺害方法:絞殺(手)

動機:不倫関係を公表されることで社会的地位を失う。また離婚になると全ての財産を差し押さえられてしまうから。

概要:詳しく見る
高名な精神分析医であり、「人は固定観念によってものを見る。これが連想の基本さ」という経験の元、変装によるアリバイ工作を行い、計画殺人を実行した。コロンボとは数日程度しか会っていないものの、コロンボの捜査方法をこう分析している。

レイ「チェンジ・オブ・ペース。実に計算されている。その小道具の葉巻までもね。ひとつ君を分析してあげよう。優れた知性をもつが、それを隠している。道化のようなフリをしている。なぜか。その外見のせいだ。押しも効かないし、尊敬もされない。その弱点を逆に武器とする。君は不意打ちをかける。見くびっていた連中は、そこで見事につまづく」

コロンボ「……いやー、こうやられちゃ手も足もでません。先生の前じゃ、よっぽど気をつけないと。良くわかってらっしゃる」と、コロンボも素直に認める。

当時41歳のコロンボ。精神分析のスペシャリストの助言により、この技をより一層磨いていったのだろうか?徐々にボサボサ髪にヨレヨレのレインコートの出で立ちへ変化していく。


【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「殺人処方箋」より引用】

今回の共犯:ジョーン・ハドソン(キャスリーン・ジャスティス)

吹き替え声優:高島 雅羅(たかしま がら)

職業:映画女優

概要:詳しく見る
映画で主役の座を熱心に狙い過ぎるあまりノイローゼになってしまう。そのことで精神分析医のレイ・フレミングの所で受診していくうちに不倫関係に発展した。

「君はキャロルの服装をして僕の隣にいる。つまり僕の妻さ」という、替え玉によるアリバイ工作に加担することになる。映画女優であり演技力やメイクの腕前もある。変装のカツラも容易に入手うことができるため、レイにとっては理想の共犯者であったのではないだろうか?


【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「殺人処方箋」より引用】

今回の被害者:キャロル・フレミング二ナ・フォック

吹き替え声優:谷 育子(たに いくこ)

職業:レイの妻

概要:詳しく見る
資産家の娘。レイとは年が離れているが、レイの大学在学中に交際は始まった様子であり結婚10周年を迎えた。誕生パーティーに用意したケーキは、花火を満面に乗せており、もれなく火薬臭い体に悪いケーキとなっている。

旅行の際のお気に入りの服装は、サングラスに青いドレスに青い手袋。青色が好きだったのかも知れない。何度もそういった服装をしていたため、今回の計画に利用されてしまう。どうでもいいが、殺害され倒れた拍子にピアノに手が当たった時に音は「ミ+ファ+ファb+ソ」である。

【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「殺人処方箋」より引用】

結婚記念パーティーで特別に用意したケーキには、ふんだんに火薬を使用している。もれなく火薬の味しかしない、大変体に悪そうなケーキである。

犯行計画

①レイは妻を自宅で殺害。自宅を荒し物盗りの犯行に見せかける

②共犯者のジョーンが妻に変装しメキシコ行きの機内で口論する芝居を打ち二人はその場で別れる。レイはメキシコへ行き証拠品の処分(アカプルコの海へ宝石・貴金属類を捨てる)

③妻に変装したジョーンは、メキシコへは行かずそのまま帰宅。第三者の証言により、その時間帯は生きていたというアリバイが成立する。

※初の殺害計画は共犯によって実行されました。刑事コロンボのエピソードでは、殺人の罪をなすりつけられたり、罪の重さ認識し自白をしようとして、途中で邪魔になり殺害されることが多いです。

おおよそぬかりのない殺人計画でしたが、コロンボ警部の登場、殺害したと思ってい妻が意識不明ながらも生きている、レイによる犯罪の誤算、突然現れる自白した男、精神科医にかかる共犯者のメンタル面の弱さなどが、次々と浮き彫りになってきます。

コロンボの疑問点

ネタバレ注意!
〇「フレミング先生。家に帰った時無言だったんです。旅行から帰って何にも言わないんですよ。だって中には奥様がいるのに。普通ならただいまぐらい言いません?」

〇旅行先へ持っていったスーツケースが6㎏オーバーしていた。帰りの際は2㎏オーバーで、残りの4㎏はどこにいったのか?

〇コロンボが自宅をくまなく探したが手袋は見つからなかった。しかし、フレミングは手袋が自宅から見つかったと手袋を見せた。

〇レイがコロンボを捜査から外すように圧力を掛けており。担当から外されそうになった。

〇ジョーンはコロンボの前で、レイ・フレミングのことを「レイ」と呼んだ。これは親密な関係である。

三幕構成

まとめ

伏線全回収の作品です。セリフ、道具に至るまで最後に帰納されていきます。

「人は固定観念によってものを見る。これが連想の基本さ」

これが決め手になります。最後になぜ、レイ・フレミングは失敗をしてしまったのか。犯人の考えたトリックは、刑事によって返されることになります。犯行日は万全の体制で挑めるように、少しでも眠るようにとレイがジョーンに渡した睡眠薬もここで使われるとは…

コロンボとフレミングの会話のやり取りが印象に残ります。中でもこのコロンボの台詞はぐっときました。

コロンボ「それでも、あたしたちはプロですからね。たとえば今の犯人にしてもです。頭は良いが素人ですからね。いっぺんこっきりしか経験してないわけです。ところが、あたしらにとって殺しって奴は仕事でしてね。年に100回は経験してるます。ねぇ先生。これは大した修練です」

以上、「殺人処方箋」でした。