実験刑事トトリ シーズン1-1話『完全犯罪のレシピ』あらすじと感想

実験刑事トトリ 第1回「実験刑事トトリ~完全犯罪のレシピ」
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NHKで2012年11月3日〜12月1日に全5回放送された、実験刑事トトリの記念すべき1回目にあたる作品です。「古畑任三郎」や「刑事コロンボ」のように犯人と犯行が分かった状態で進む倒叙形式になります。

主人公は、動物生態学の学者だった経歴がある都鳥博士。警視庁の中途採用試験に合格して捜査一課の刑事として配属されるんですね。そんな彼の教育係として相棒になったのは年下の刑事・安永哲平。凸凹コンビが完全犯罪を目論む犯人たちに挑みます。

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データ

脚本:西田征史
製作統括:谷口卓敬
制作:NHK
演出:田中健二
音楽:佐藤俊彦

本編時間:58分02秒
公開日:2012年11月3日

あらすじ+人物相関図

実験刑事トトリ 第1回「実験刑事誕生~完全犯罪のレシピ」人物相関図料理研究家・結城ゆかり(中越典子)は、アシスタント・藤田映子(松本まりか)から脅されていた。おしどり夫婦として人気を集めていたが、その実態は冷めきった仮面夫婦であり、夫・泰彦は藤田と不倫をしていたのだ。不倫現場の写真が公表されてしまえば、世間的なイメージを大きく損なってしまうため殺害を決意する。

氷に仕込んだ睡眠薬で藤田を眠らせると、クーラーボックスに入れ撮影があるスタジオまで運び出した。番組途中にある1分間の天気予報コーナーで彼女を刺殺すると、放送終了後に遺体を遺棄した。死亡推定時刻には料理番組に出演中だったというアリバイを作り出したのだった。

人物紹介(キャスト)

今回の犯人:結城 ゆかり
役者:中越典子

概要:料理研究家の女性。おしどり夫婦として有名であるが、実態は冷めきった仮面夫婦である。アシスタント・藤田映子が夫・結城泰彦と不倫しており、その事実を公表されたくなければと口止め料を搾取されていた。夫婦仲が良いという世間的なイメージを守るため犯行に及んだ。

冠番組は13時30分から放送の『ゆかり先生のフーフーごはん!』である。今エピソードでは、『ゴーヤーとツナのクロスティーニ』『お肉たっぷりナポリタン』『オクラとトマトのコンソメゼリー』を料理し、完成品を試食した都鳥刑事は「絶品ですね」と評価している。

料理に使う食材はスーパーで購入しているようで、主に国産ブランドの食材を好んでいる。理由として、「国産ブランドは美味しくて安心」というイメージからである。

著書としては、『結城ゆかりのおいしい家庭料理の作り方』『今夜も夫婦で乾杯‼』『ゆかり先生の旦那様のためのレシピ』と、夫婦仲を全面的に押し出したタイトルの本が並ぶ。著書の中で、”夫婦円満の秘訣は、その日あったことを何でも隠さず話すこと”と紹介されていたが、現実は挨拶をする程度の冷めきった関係であった。

料理番組以外にも出演しており、『あこがれ夫婦』という番組ではまさに仮面の如し笑顔満載のやりとりを演じてしている。放送内容によると、料理下手な夫に最初に教えた料理は野菜炒めであるとのことだった。

プロポーズされた場所は『すずらん公園』である。花火大会の日にプロポーズをされ、その後は毎年夫婦で花火を見に行っていたようだが、いつの間にか潰える。昔は良く2人で走っていたというジョギングも、現在は1人で行っている。


今回の被害者:藤田 映子
役者:松本まりか 

概要:料理アシスタントの女性。結城夫婦の関係が冷めきっていることに目をつけ、泰彦が自分の自宅に入る瞬間を写真で撮影。ネガをちらつかせ、仮面夫婦であることを暴露しない見返りに口止め料を搾取していた。

薄々殺意があることを見抜いており、ゆかりの自宅で冷たい飲み物を差し出された際には、殺されるかも知れないと断りを入れ、持参した水筒の飲み物をコップに注いだ。しかし相手の方が1枚上手であり、よもや冷蔵庫の氷に睡眠薬を仕込んでいたとも思うまい。

アシスタント歴は4年であり、ゆかりが雇うアシスタントの中で一番長く勤めているようだ。給料は普通のOL並みらしいが、給料にそぐわない高価なブレスレットをしていたことから、どこか別に収入源があるのではないかと遺体を見た都鳥刑事が疑うきっかけになった。

小ネタ・補足

〇料理番組名『ゆかり先生のフーフーごはん!』は、夫婦(フウフ)と掛かったネーミングであり、暖かい料理とおしどり夫婦という関係にフーフー(ヒューヒュー)なのである。多分。

〇14分18秒~安永が丘から転がるシーンはスタントマンが行っている。丘を見て自分で転がるのは無理そうだと、現場でスタントマンに代役をお願いしたそうだ。(1話オーディオコメンタリーより)

〇犯人のモデルは『栗原はるみ』さんである。料理研究家の犯人にするにあたり、どういった時間軸で生活を行っているのかや、自宅の間取りを調べたそうである。(2話オーディオコメンタリー:30分32秒より)

まとめ

第1回目にあたる本作は、主人公となる『都鳥博士』の軽い紹介も兼ねた構成になっています。動物生態学者から中途採用で刑事に転職した都鳥博士と、その教育係として先輩になった年下刑事・安永哲平という設定付けがなされているので、背景因子を説明する必要があるんですね。

『変わり者刑事と振り回される相棒』という組み合わせの刑事ドラマは珍しくはありませんが、『犯人の犯行が分かった状態』で進む倒叙形式が加わると、斬新なプロットへと変貌を遂げます。動物の生態学者であったという職業も意外性がある面白味がありますよね。

どうしても設定の説明をするために、ストーリーのテンポがゆったりとしてしまいますが、実験刑事とタイトルにもあるように、『この刑事はどういった実験をして犯人を追い詰めていくのか?』が視聴者に非常に分かりやすくなっております。

さて、犯人は料理研究家ということでタイトルは『完全犯罪のレシピ』という洒落たネーミングですよね。また、NHKの強みと言えましょう。実に作中の料理番組が良くできており、本当にこんな料理番組があるんじゃないかというリアルさを堪能できました。

殺害方法は包丁で刺殺というものでしたが、そこはNHKであり画面に刺した映像や血が流れないようにする配慮がなされています。それにしても脚本を手掛けた西田征史さん、刑事モノは初挑戦ということで、刑事コロンボや古畑任三郎を見て相当研究されたのではないでしょうか?

以上、実験刑事トトリ第1回『完全犯罪のレシピ』でした。

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