女性犯人が2回続きましたがここで男性犯人が初登場します。遊び相手だった女性に別れを告げ、本命と婚約することを伝えたら「人生をめちゃくちゃにしてやる!」と言われてしまうんですね。
これから先の輝かしい未来のために犯行を決意するのはピアニスト・小岩井俊樹。こともあろうに婚約者に睡眠薬を飲ませアリバイ作りに利用します。
データ
あらすじ+人物相関図
ピアニスト・小岩井敏樹は、大学時代からの恋人・花村梓との関係を終わらせようとした。勤務する音楽大学の学長の娘・愛子との婚約が進んでいたからだ。そのことに激怒した花村は、あることないことをでっちあげて、人生を終わらせてやると脅してきたために殺害を決意する。
ワインに睡眠薬を入れ愛子を眠らせると、別荘から花村のマンションへ移動した。ベランダから落下死させると、シンガーソングライターでもある彼女の歌詞を切り取り、人生に絶望し自殺した遺書に見せかける。別荘に戻り時計の針を戻すと、愛子に僅かな間だけ眠ってしまったように思わせたのだった。
人物紹介(キャスト)
今回の犯人:小岩井 俊樹(こいわい としき)
役者:山口 馬木也(やまぐち まきや)
職業:ピアニスト
今回の被害者:花村 梓
役者:佐藤 仁美
職業:シンガーソングライター
小ネタ・補足
〇トリックとしては、刑事コロンボ38話『ルーサン警部の犯罪』を彷彿とさせる。
〇安永哲平を演じる『高橋光臣』氏によると、43分10秒~のシーンは、手に蚊が止まり、血が吸われたまま撮影が行われていたようだ。(オーディオコメンタリー43分30秒より)
〇犯人・小岩井俊樹の自宅には、「ベートーヴェン・ピアノ作品全集1~12」が置いてあった。演奏者は『アンジェイ・ランゲ』という人物らしいのだが、架空の人?
まとめ
犯人VS刑事の対決感が強くなったエピソードでした。2人がタッグを組むバディものの刑事ドラマは良くあるのですが、どうしても犯人が分かった状態で進む倒叙形式ではその設定が邪魔になってしまう場合も多いです。
古くはシャーロックホームズとワトソンというコンビが有名です。ホームズが推理の過程を聞かせるために、ワトソンという大事な助手という聞き手が必要になのです。では、倒叙形式の推理の聞き手は誰なのか? 犯人です。
今回、都鳥博士は有給休暇という名目で単独捜査を行いました。安永刑事にはごめんなさいなのですが、今まで安永が推理の聞き手になっていたのが、犯人にシフトチェンジする場面が多くなることで、丁々発止のやりとりというものも必然的に多くなり楽しむことができたのです。
第3回ということもあり、十分『実験刑事トトリ』というストーリー展開と、捜査を行う都鳥&安永の関係性とキャラクターというものが視聴者も重々承知できたため、物語にアレンジを加えることができるようになったんですね。
動機の捉え方なのですが、将来を安定の音楽院学長の娘と婚約するか、大学時代からの恋人と婚約するか。あんまり売れていない歌手の花村梓。学長の娘で若い白川愛子。これから先ピアニストとしても、勤務する大学での出世コースを見据えると、どちらを天秤に掛けるのかは苦渋の選択。
別れ話を切り出すと、水をぶっかけられて「あんたの人生めちゃくちゃにしてやる」とほぼ脅迫ともとれる言葉を投げかけられていますので、まずは弁護士に相談するのが一番良かったのかもしれませんね。
ドラゴンクエスト5に幼馴染か金持ちの娘と結婚するかという二者択一があります。効率を優先すると犯人の判断は正しいけども、あなたならどうする⁉
以上、『偽りのメロディー』でした。