実験刑事トトリ第1シーズンの最終回になります。犯人役には『竜雷太』氏を迎え、足を骨折したことを利用して、歩けないフリをすることで周囲を欺き続けた彼は、会社を乗っ取った腹心の部下を殺害します。
データ
あらすじ+人物相関図
大手音響機器メーカー『石峯テクニカ』の社長・石峯公一朗は、腹心の部下・和田隆臣から、役員会議で改革を理由に解任されてしまう。興奮して掴み掛ろうとした石峯であったが、バランスを崩して転倒したことで左脚を骨折したことで、車椅子での生活となったのだ。
それから1年。エレベーターを故障させると、引き継ぎ忘れていた資料があると和田を自宅に呼び出した。1Fまで資料を取りに向かわせると、今まで立てないフリをして周囲を欺いてきた石峯は、強盗を装い和田を撲殺。自身は歩くことができないことを主張したアリバイを作り上げたのだった。
人物紹介(キャスト)
今回の犯人:石峯 公一朗
役者:竜 雷太
職業:元・音響機器メーカー社長
今回の被害者:和田 隆臣(わだ たかみね)
役者:鶴見 辰吾(つるみ しんご)
職業:現・音響機器メーカー社長
その他・キャスト
〇家政婦・佐々木信子(角替 和枝)
〇隣の家の住人・柴田(上田 耕一)
〇帝都大学准教授・羊谷 善治(山本 耕史)
小ネタ・補足・元ネタ
〇39分54秒~の屋上シーンは、NHKの屋上である。
〇犯人・石峯公一朗の息子が書いた『絵』は、美術学校の学生に描いてもらったそうだ。3日くらい徹夜したとのこと。(52分50秒:オーディオコメンタリーより)
〇1話~5話まで毎回登場するアイドル『マコリン』を演じた『栗山千明』氏のシーンは、スケジュールの都合で1日で全て撮り終えたそうだ。(54分50秒:オーディオコメンタリーより)
まとめ
いわゆるワンアイディアもののエピソードです。どこで犯人だと思っているのかが早い段階で提示されており、作中で都鳥刑事も言っていますが、「どうやって立たせるか」だと話しておりました。歩けるのに車椅子を使わないと生活できないように装い、それを利用して架空の強盗犯の犯行に偽装するんですね。
問題のどうやって立たせるかのラストシーンなのですが、良い場面だと思いますよ。でも、ひどくバカっぽく見えちゃう‼ BGMの力で感動したくもなりますが、やはりシュール過ぎる。
社員一同を集めた会議で上記のやりとりは行われるのですが、社員視点からすれば『一体何を見せられているんだ?』と滑稽なように思えてしまうのです。やはり倒叙もののラストというのは、犯人VS刑事という1対1の構図が理想的で美しいと私は思います。
さて、ワンアイディアものであるために、その他の部分でどう尺を稼ぐのかがこのエピソードには組み込まれていましたね。都鳥博士を慕う、新キャラクターな準教授『羊谷くん』の登場です。動物学者として戻ってくれるように頼むんですね。
安永刑事と羊谷くんでの都鳥博士を取り合う三角関係は、一体どうなるんだ⁉とサイドストーリーを展開することで興味を引き付けるんですね。さらに、もう1つのオチ。
「カラスが10羽集まるとどうなるのでしょう?動物について僕が知らない事をご存じだとは。教えて下さい。カラスが10羽集まるとどうなるか」
安永刑事が中盤、カラスのネタについて小話を話す場面があるのですが、このオチが最後に披露されることで、二人のユーモラスで軽い関係というものが引き立ちました。第2シーズンもあるのですが、DVDやBlu-rayが発売されておらず、配信もないのが残念なのです。(見れない!)
以上、実験刑事トトリ『二人の絆〜実験刑事が最後に見たもの』でした。