刑事コロンボ 5話『ホリスター将軍のコレクション』伝説の将軍

刑事コロンボ 5話 ホリスター将軍のコレクション
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将軍様が若い女性を懐柔しようとするエピソードなんですね。中心となっている人物は目撃者のヘレンで、犯人はヘレンを懐柔していくのですが、コロンボも捜査のためにヘレンの証言を確かめていく。その一方でヘレンはホリスターに好意を抱いていく、三角関係の物語と言えますね。

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データ

脚本・制作:ジョン・T・デュガン
監督:ジャック・スマイト
制作:エヴァレット・チェンバース
制作総指揮:リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク
ストーリー監修:スティーヴン・ボチコ
音楽:ギル・メレ

本編時間:76分
公開日:アメリカ/1971年10月27日 日本/1973年7月14日

あらすじ

退役軍人のマーチン・J・ホリスター将軍は、建設会社を経営をしており海軍とも取引をしてたが、軍調達部のダットン大佐と組み、架空の経費を計上することで軍の資金を横領していたのである。ある日、ダットンはホリスターの屋敷に訪れ軍で特別監査が行われることを報告する。契約の再チェックが行われることで、2人の不正は明るみになってしまう。怯え切ったダットンは国外逃亡すると伝えるが、ホリスターは彼の口から不正が洩れることに恐れて自宅で射殺するが、海辺にあるホリスターの家での犯行は、偶然にもボートに乗っていた女性ヘレンによって目撃されていたのだった。

登場人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

今回の犯人:マーチン・J・ホリスター
役者:エディ・アルバート

吹き替え声優:久松保夫

概要:軍用資材調達会社を経営する男性。海兵隊資材調達部・ロジャー・ダットン大佐と共に、架空の経費を水増ししたり、事前に落札価格を教えてもらうなどの違法行為により多額の利益を獲得していた。軍で特別監査が実施されることから、経理不正が露呈してしまうことになる。発覚を恐れ国外逃亡を企てるダットン大佐が、自身が不正に関与していたことを暴露するのを恐れ殺害に及んだ。

元海兵隊員であり階級は将軍である。朝鮮戦争では大佐として、『真珠の散りばめられたコルト45口径』と『特別な軍服』に身を包み騎兵連隊を指揮した。その姿から、『鋼鉄の騎士』の異名で呼ばれ数々の武勲に輝いた。

その後、准将として師団を率い連隊の先頭に立つ。弾が切れたにも関わらず先のコルト45口径を振りかざして敵陣深くに突入すると、敵の司令官と幕僚を捕虜にするという離れ業をやってのけた。戦闘面だけではなく、戦術に関しても敵から一目を置かれていたようだ。

しかし、20年前に前線を視察中に地雷で致命傷を負い退役することになった。周囲からはいまだに将軍と称えられている伝説的英雄であり、海兵隊学校には彼の愛用品と武勲を称えるメモリアルルームが作られ、それを記念する番組がテレビで放映された。

独身で、自宅は海に面した屋敷に住んでいる。週2回家政婦が来てくれるようだ。船舶やヨットの貸し出しもしており、自身の船も所有している。船名は自らの異名にちなみ『鋼鉄の騎士』号である。

愛用の品々は多く、それぞれに思い出があるようだ。退役祝いで貰ったライター、特別仕立ての軍服、訓練用の拳銃、弾丸を受け止めた海兵隊の教本などなど、名誉のシンボルであり、彼の栄光を称えるうえで欠かせないのが、やはり『真珠の散りばめられたコルト45口径』である。

ダットン大佐を殺害してしまったものの、軍に特別監査が入ることは変わらず、どっちみち不正は発覚してしまうのだがどうだろうか? 殺人などという犯罪に手を染める前に、まずは有能な弁護士を探すべきである。

だが、戦争などでは部隊の隊長を務めていた。「不正」を「敵」と置き換えると、敵前逃亡という部下の行為そのものを許せなかったのかもしれない。コロンボ曰く、「薄気味悪いぐらいの勇気、普通の人間なら震えてしまうようなことでも平気にやってのける」とのことだ。


今回の被害者:ロジャー・ダットン
役者:ジョン・カー

吹き替え声優:中曽根雅夫

概要:海兵隊資材調達部に所属する階級は大佐の男性。ホリスター将軍へ落札価格を事前に伝え(入札に係る事業者及び事業者団体の活動に関する独占禁止法の規定の概要:独占禁止法違反)不正な利益を獲得させていた。

軍に特別監査が入ることになり、発覚を恐れてスイスに国外逃亡をすることをホリスター将軍へ伝え射殺されてしまう。狼狽していたものの、終始ホリスター将軍へ敬意を払っており、軍の伝説的英雄である将軍から頼まれて仕方なく手を組んだのではないだろうか。

遺体はマリーナ沖に重りをつけて沈められたが、海流の流れによりマラゴ湾に浮上した。


今回の中心:ヘレン・スチュワート
役者:スザンヌ・プレシェット

吹き替え声優:鈴木弘子

概要:母とボートで海辺を遊覧していたら犯行現場を目撃した女性。最初は頑なに殺人があったと証言を繰り返していたが、ホリスター将軍と関わっていくうちに、目撃証言を覆し彼への好意を見せる。しかし、ホリスターが犯人と断定した際には、「世界には何十億って男がいるのに、カスを掴む天才なのかしら」と言ってのけた。

トムという男性との結婚歴があり、夫の不倫が原因で離婚した様子。心の病気もあるらしく、陶芸療法を行っている。現在は心身の経過が良好であり、『アーク公園』で子供や、動物のラマを飼育しているようだ。

小ネタ・補足

〇第2話『死者の身代金』で、犯人が口径の大きな拳銃を使わなかったのは、現場に証拠を残さないためとコロンボ警部は語っている。この事件の凶器は45口径の拳銃。さらに、至近距離で発砲をしている。銃弾は体を貫通し部屋を傷をつけ、カーペットや壁には血痕が飛び散る可能性が高い。後処理は相当困難だったのではないだろうか?

〇ホリスター将軍のコレクションの中に、『銃弾を受け止めた海兵隊の教本』というのがある。1944年のノルマンディー上陸作戦の将校が、『ファイロファックス』社製のシステム手帳を胸ポケットに入れており、運よく銃弾を受け止めて命拾いしたという逸話がある。(※文房具関連の書籍で見たがタイトルを失念。出典元を要確認中)

まとめ

若い女性に近づく将軍様のストーリーである。コロンボ警部もベテラン刑事の風格のまま登場し、若手警官に的確に指示するシーンは印象に残る。

コロンボ警部は、他のエピソードでは犯人と初めて会ったり、事件現場に入った瞬間に超人的な観察眼で、殺人と見抜いたり犯人を特定することが多いのだが、この事件に関しては最初に感じた疑問点がないのである。コロンボも目撃者の証言を見間違いではないかと疑っていたぐらいだ。

以上、第4話「ホリスター将軍のコレクション」でした。

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