田村正和さん、古畑任三郎をありがとう。

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2021年5月18日21時11分。Twitterを何気なく起動してみると、『古畑任三郎』という急上昇ワードを発見する。「おっ!何か新しい動きがあるのか?」と期待して開いてみると、その思いは打ち砕かれる。古畑任三郎を演じられた『田村正和』さんが逝去されたことが報じられていたのだ。

心不全で亡くなられたのは1か月以上前になる4月3日。77歳である。最後に姿を観たのは眠狂四郎(2018)のインタビューであった。声も小さく擦れ気味だったことを覚えている。その後、2020年5月には芸能界引退を示唆するコメントもあった。

私がドラマにハマるきっかけになったのが、『古畑任三郎』であった。小学生の時、兄が録画した古畑を何度も繰り返し観たことを思い出す。2話『動く死体』が大好きで、今でも好きなエピソードだ。素敵な立ち振る舞い、茶目っ気のある言動。巧みな話術で犯人に迫る姿が脳裏に浮かぶ。

古畑任三郎というキャラクターを僕と一緒に作り上げた、フジテレビの石原隆さん、共同テレビの関口静夫さん、そしてなにより田村正和さんに感謝。条件が揃えば、僕はいつでも映像版「古畑」の新作を書く準備は出来ていますよ、田村さん。

『三谷幸喜のありふれた生活 特別編 小説「一瞬の過ち④」』より引用

三谷幸喜さんも、こう綴っているように、これから新しく古畑任三郎の続編は作られることはないだろう。古畑任三郎=田村正和なのである。

ここまで徹底的に日常の姿を明かさない役者も珍しくなってきた。変に露出などはせず、「俳優田村正和」のイメージを損なうことを絶対にしない。私生活の殆どが謎であった二枚目俳優。ご冥福をお祈りします。

  1. 田村正和さんの訃報を聞き、FODで古畑任三郎を見ている折にこの記事を見つけました
    せぷていさんの記事を読むと、古畑任三郎というドラマは多くの人に愛されていた作品なのだと実感しました。ご冥福をお祈りいたします。

  2. 管理人さん、しばらくです。まずは早期のご復帰をお祈りします。
    田村さんの訃報を聞いた時、好きだったプロレスラー、アンドレ・ザ・ジャイアントのエピソードが浮かびました。彼は全盛期サインの依頼を断り続けたそうです。曰く「ファンが嫌いなわけではない。でもサインをしたら(スターとしては)おしまいだ」 彼なりのスターのイメージや哲学を持ち、貫いていたのでしょう。

    TV見てると「この俳優さん、またバラエティにでてるよ」って若干食傷気味なところへ飛び込んできた訃報に、思わず両者を重ねてしまいました。田村さんも決して降りてこない本当のスターでしたから。
    合掌

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