古畑任三郎 32話『古い友人に会う』再会

古畑任三郎 32話 古い友人に会う 再会

【VS.小説家】「小学校の時のあだ名、覚えていますか?体がでかかった人、ジャンボって呼ばれていたでしょう?眼鏡をかけていた人、あだ名はハカセじゃなかったですか?髪の毛が縮れていた人、モジャリンコ。違いますか?ちなみに私のあだ名は…」

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データ

データ:詳しく見る

脚本:三谷幸喜

監督:関口静夫

制作:フジテレビ

演出:河野圭太

音楽:本間勇輔

本編時間:46分07秒

公開日:1999年5月11日

あらすじ+人物相関図

古畑任三郎 32話 古い友人に会う 再会旧友の小説家・安斎亨の別荘に招待された古畑任三郎だが、特に親しいわけではないのに呼ばれたことに疑問を抱いていた。FAXで送られてきた招待状を安斎に見せるが、妻・香織が送ったのではないかと否定する。香織にも確認をするのだがこれも否定されてしまう。

そんな中、古畑と安斎は離れにある仕事場で会話をしていると、安斎の担当編集者・斎藤秀樹と香織が不倫している目撃する。今に始まったことではないと呟く安斎だが、その裏で計画は着々と進行しているのだった。

人物紹介(キャスト)

安斎亨今回の犯人:安斎亨(あんざい とおる)

役者:津川雅彦

職業:小説家

殺害方法:銃殺

動機:妻の浮気

概要:詳しく見る
小説家の男性。本名は『横地』。自分よりもずっと若い女性・香織と結婚をしていたが、彼女は愛想を尽かせており、担当編集者・斎藤秀樹と度々不倫を繰り返しているのを目撃していた。旧友の古畑任三郎を別荘に招待すると、その裏では着々と準備を進めていた。

古畑任三郎とは小学校の旧友であり、彼のことは『ニン』と呼んでいる。
「校門の脇に銅像があった。初代校長。それに落書きした奴がいやがった、小学校6年の時だな。俺が疑われた、問題児だったからな。その時に無実を証明してくれたのが古畑だった」

古畑とは特に親密な関係ではなかったようで、最後に会ったのが5年前。『小早川ちなみ事件』で犯人のペット・万五郎を預かってくれるように頼まれた時であった。古畑が数々の事件を解決しているということは知っていた。

別荘は山地にあり、「夏は蚊が凄い。冬は寒くて寝てられない」と、過ごしやすい季節が少ないと語る。敷地内にはテニスコートがあり、別荘から100メートル離れた所には、小さな山小屋を借りている。静かな環境で執筆できるように仕事部屋として利用しているそうだ。

小説のジャンルは、「エロ小説」と自らを侮辱しており官能小説の類だと思われる。最新作は『カサノバ99』で、月間カドマツの書評コーナー110ページによると、賞賛されていた。

担当編集者は幻想舎・斎藤秀樹である。妻と不倫関係にあることは把握しており、13分32秒~40秒のシーンでは、離れの仕事部屋に移動する際に、斎藤から挨拶をされるが無視。彼の傍にいた西園寺くんからの挨拶のみに挨拶を返すなど、かなり毛嫌いしている描写がある。

犯行計画/トリック

『半倒叙形式のため詳細は伏せます』

犬と拳銃をもちいた殺人を計画します。

推理と捜査(第2幕まで)

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〇古畑と安斎は特に親しいわけではなく、なぜ招待されたのか分からない。安斎が招待状をFAXで送ったと思われたが、妻が送ったのではないかと言う。しかし、妻・香織も招待状は送っていないと話す。

視聴者への挑戦状

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「えー刑事はいつも事件が起こってから現場に現れます。だからこそ1度でもいいから悲劇が起こる前に事件を解決したい。それが私たちの夢です。今回は初めて殺人事件を未然に防ぐことが出来るかもしれません。

今夜、安斎先生は奥さんを亡きものにしようとしています。一体、どんな手を使って。えー本当は最終回に持ってこようと思っていたこのエピソード。解決編はCMの後で。古畑任三郎でした」

小ネタ・補足・元ネタ

〇安斎亨の最新作『カサノバ99』は、『月間カドマツ』の書評で取り上げられていた。22話『間違えられた男』の犯人・若林仁は、月間カドマツの編集長であった。逮捕後も出版が続いているか、22話以前のエピソードということになる。

〇06分10秒~安斎「例の冒険家の誘拐事件」と古畑任三郎の扱った事件を語るが、シリーズ中にこのエピソードが登場することはなかった。

〇安斎香織がカラオケ機器で歌った曲は、アン・ルイス『六本木心中』である。

「お天気で変わるのさ 長いまつ毛がヒワイねあなた 罪な目つきをしてさ」

〇西園寺くんがカラオケ機器で歌った曲は、斉藤由貴『卒業』である。

「制服の胸のボタンを 下級生たちにねだられ 頭をかきながら逃げるのね」

〇安斎香織を演じたのは、「三浦理恵子」氏。編集者・斎藤秀樹を演じたのは、「細川茂樹」氏である。

まとめ

2019年4月15日に発売された『週刊現代』は、刑事コロンボについて語った三谷幸喜氏の鼎談記事が載っており、カットされたようですが、理想とした作品とは何か? 「殺人を未然に防ごうとする話」だと述べていたようです。

それを踏まえると、やはり最終回をイメージした作品なんですね。普段とは違ったエピソード展開で進む本作品は、冒頭で殺人事件は発生しません。安斎亨が誰かを殺そうとしているが、一体どのような方法で実行しようとするのか伏せられた状態で進むのです。

倒叙形式の構成上、『冒頭で犯行が起き事件が解決される』という、ある種の決まりきったパターンが視聴者の中に植え付けられてきます。それを逆手にとり、殺人事件はいつ発生するのかと身構える姿勢になる。どのように話が進むのかとワクワク(不謹慎だが)とするんですね。

普段はあまり多くを語らない古畑警部補ですが、このエピソードのラストでは、被害者に対する思いを打ち明けます。相棒シリーズなんかだと、杉下右京さんがよく犯人の犯行に対して怒ったりしますが、そういった気持ちを表すシーンが少ない古畑任三郎ではより心に残りやすくなるんですよね。安斎亨の動機と共に、クライマックスの古畑警部補のセリフが身に沁みます。

作中では、古畑任三郎が人生ゲームで遊ぶ場面があるのですが、何度も『振り出しに戻る』のマス目に止まってしまいます。ラストの展開を見ると、このシーンにも意味があったのだと気が付かされました。

以上、『古い友人に会う』でした。