【VS.歯科医】「歯周病の原因は細菌と言われています。例えば歯周病を引き起こす細菌として考えられるのは、アクチノバシラス・アクチノミセテムコミタンスがあります。ずいぶん長い名前ですね。一応覚えておきましょう。アクチノバシラスアクチノミセテムコミタンスです。はい、ご一緒に。アクチノ…」
データ
あらすじ+人物相関図
歯科クリニック院長・金森晴子は、自分を捨てた恋人の営業職・山村淳一への復讐を計画する。麻酔をして山村の歯の治療を終えると、鎮痛剤を処方した。同じく歯の治療をしに来た古畑任三郎の顔にガーゼを被せると、飛び込みの患者と偽り助手・瀬川エリに治療を行わせた。
その間、金森はクリニックを抜け出すと、近くのコーヒーショップで男装。山村のいるオフィスのトイレに身を潜めた。会議をしていた山村は、麻酔の効き目がなくなり、痛みを抑える鎮痛剤を飲むためにトイレに駆け込んできたところを射殺した。
再びコーヒーショップで着替え、クリニックに戻り瀬川から治療を引き継ぐと、犯行時刻は古畑の治療をしていたというアリバイを完成させたのだった。
人物紹介(キャスト)
今回の犯人:金森晴子(かなもり はるこ)
役者:大地真央
職業:歯科医師
殺害方法:射殺(0.25口径)
動機:復讐
今回の被害者:山村淳一(やまむら じゅんいち)
役者:陰山泰(かげやま たい)
職業:営業職
犯行計画/トリック
『古畑をアリバイ証人する』
①金森晴子は、山村淳一の歯の治療を行う。麻酔の効き目がなくなった時に飲む鎮痛剤を処方した。助手・瀬川エリに、「鼻水が止まらない」と風邪薬を買いに向かわせると、治療室の目印、『クマ』と『ウサギ』のぬいぐるみを入れ替え、古畑任三郎をウサギの部屋に入るように誘導した。
②治療中は古畑の顔にガーゼを被せる。瀬川がクリニックに戻ると、「佐竹という飛び込みの客が入った」と偽り、ウサギの部屋にいる古畑の治療をさせた。その間、金森はクリニックを抜け出すと、近くのコーヒーショップで男装。山村のいるオフィスのトイレに身を潜めた。
③麻酔が切れ、鎮痛剤を服用するためにトイレに駆け込んできた山村を射殺。鎮痛剤の袋、財布を回収すると、物取りの犯行に見せかけた。再びコーヒーショップで着替え直しクリニックに戻ると、瀬川から治療を引き継いだ。犯行時刻は、古畑が金森から治療を受けていたと証言してくれる。
推理と捜査(第2幕まで)
視聴者への挑戦状
小ネタ・補足・元ネタ
〇トリックとしては、犯人が被害者が部屋から出る時間を知ることができたのかという、刑事コロンボ21話『意識の下の映像』をモチーフにしていると思われる。事件解決方法としては、刑事コロンボ27話『逆転の構図』が元ネタである。
〇3分39秒~「安斎の紹介で来た」とクリニックに来た経緯を古畑任三郎が語る。次話『古畑、古い友人に会う』の犯人・安斎亨のことである。
〇助手・瀬川エリを演じたのは、『伊藤裕子』氏である。
〇コーヒーショップの店長・花田を演じたのは、『八嶋智人』氏である。
〇オゾノ物産の会議の内容を聞くと、「エクアドル産のカカオ豆」「日本ではガーナ産に押され……」「国内大手のユニコーン製菓」など内容があり、チョコレート関係をメインに輸入している貿易会社だと思われる。
29話『忙しすぎる殺人者』の犯人・由良一夫が企業に招かれ講師をしていた内容を振り返ると、「男性がチョコレートを食べる年齢」などを議題としており、会議室も似ている。おそらくオゾノ物産で講話を行っていたのだと思われる。
まとめ
トリックと推理パートが惜しいエピソードなんですね。アリバイ作りのため、古畑任三郎の治療を助手に入れ替わらせる。さすがに、「痛かったら手を挙げてくださーい」「終わったので水でうがいを」ぐらいの会話があるはずなので成功する保障は薄そうです。
推理と捜査パートに関しても、『今泉と西園寺くん』がメインとなっており、肝心の古畑VS犯人の構図が薄くなってしまっているんですね。それに加え、花田の登場。『黒岩博士の恐怖』で登場したファミレスの店員で登場し、今後も様々な職業で登場するんですね。
花田のセリフは、「犯人は○○で動機は○○だな。殺害方法は○○」など、まるで冒頭からストーリーを見てきたようなメタ発言です。視聴者もストーリーを見てきたわけですので、このメタを楽しめなければ2重で説明を受けることになり、煩わしくも感じるんですね。
この花田の登場は1回限りではなく、今後も多く、古畑警部補の活躍が少なくなることにも繋がってしまいました。今泉、西園寺、向島(東国原)、花田……。捜査側の登場人物が多くなるにつれ、処理しきれなくなってきた印象も受けます。
(出典不明ですが、捜査陣の人物が増やしたのは田村正和氏のセリフ量を減らすためとの噂も)
視聴者への挑戦状でもある、『なぜ彼女が怪しいと思ったか』のポイントについては。視覚で得られる情報ではなく、テレビでは伝わらない情報であるのも難しい演出でした。
以上、『アリバイの死角』でした。
しばらくです。まずは合格おめでとうございます。
私の実体験ですが、歯医者に行ったら受付(兼助手)が知人女性だったことがあります。会計時もう一度挨拶を、と思ってみたら微妙に顔が違うw聞いたら、マスクしたらわからないレベルのくりそつ姉妹でした。なので入れ替わりのトリックは目元・髪型や声が似ていたら成立する可能性はあると思います(ドラマで一人二役だとやりすぎでしょうが)。推理のポイントは難しい。もし1回目のときに視聴者にもわかるよう「先生、〇〇ですね」と気づいた反応をいれてたら、2回目はなかったでしょう。ちょっと意地悪なロジックでしたねw
追記すみません。入れ替わりの件は論理的にはいけそうですが、よくよく考えると、果たして「若くて相性もよいけど、目元と声がやたら似てる女にのりかえる」男なんているのか?という別の疑問がでてきますね(笑)
花畑様
コメントありがとうござます!
≫歯医者に行ったら受付(兼助手)が知人女性
≫マスクしたらわからないレベルのくりそつ姉妹でした
人は視覚からの情報量が多いので、マスクで隠された部分は脳内補完されてしまうそうですね。自分が知っている顔に似せたり寄ってしまうので、姉妹だと知らないと効果抜群ですね!
≫入れ替わりのトリックは目元・髪型や声が似ていたら成立する可能性はあると思います
実際に入れ替わりしてみるとどうなるんでしょうかね? 短時間ならばなんとか……。 関わる時間が長いと、仕草や会話の調子から疑われちゃうかも知れませんね。
≫推理のポイントは難しい。
古畑警部補の動作などもヒントになっていましたが、映像作品で嗅覚がポイントになるのは難しい挑戦状ですよね
≫若くて相性もよいけど、「目元と声がやたら似てる女にのりかえる」男なんているのか?という別の疑問がでてきますね(笑)
顔や声を聴くたびに嫌な思い出が蘇りそうですが、ポジティブに考えると、『好きだったルックス』+『若くて相性の良い性格』=『理想の女性』になるのかも知れませんね(笑)