多忙を極める犯人役を演じる「真田広之」氏のスタイリッシュな演技を堪能できるエピソードです。携帯で仕事の打ち合わせをしながら躊躇せずにサイレンサー銃で始末する場面は恐ろしい。
冒頭で不倫会見に臨む被害者がスペイン語で弁明するシーンがあるのですが、一体何と釈明しているのかが非常に気になるエピソードでもあります。
データ
脚本:三谷幸喜
監督:関口静夫
制作:フジテレビ
演出:鈴木雅之
音楽:本間勇輔
本編時間:46分05秒
公開日:1999年4月20日
あらすじ
メディアプランナー・由良一夫(真田広之)は、都議会議員・岩田大介(佐渡稔)に融資から手を引くと告げられたため、不倫騒動を利用して自殺するという筋書きを企てる。その晩、由良はホテルの自室で秘書・品田と固定電話で打ち合わせをを行うとわざと通話を切り、今度は携帯電話からやりとりを続ける。
岩田とも話をする約束をしており、秘書との通話を続けながら彼の部屋に訪れサイレンサー銃で射殺した。犯行時刻は自室で秘書と電話で打ち合わせをしていたというアリバイを完成させた
人物紹介(キャスト)
今回の犯人:由良一夫(ゆらかずお)
役者:真田広之
概要:メディアプランナーの男性。クライアントの都議会議員・岩田大介から、新事業のための融資を受けていたが、儲け度外視という考え方に理解が及ばず融資から手を引くと告げられる。継続して融資を受けるために、岩田の不倫騒動を利用して自殺に見せかけ殺害した。
今回の被害者:岩田大介(いわた だいすけ)
役者:佐渡稔(さわたり みのる)
概要:都議会議員の男性。メディアプランナー・由良一夫をブレーンとし、政治活動を行っていた。『クリーンなイメージ』を全面的に押し出していたが、週刊誌に愛人がいたことを掴まれてしまう。スペイン語が堪能である。
小ネタ・補足
〇由良一夫が次回のドラマのキャストとして、『SMAPの香取慎吾』を挙げていた。そのため、#26『古畑任三郎 vs SMAP』よりも前に起こった事件と考えられる。
〇スペシャル回『古畑任三郎 vs SMAP』『黒岩博士の恐怖』で演出を担当した「鈴木雅之」氏が手掛ける唯一の通常回である。
〇視聴者への挑戦状での暗転シーンでは、古畑以外の登場人物は基本的に時間が止まるという演出がなされる。今作品では今泉慎太郎はその法則性に干渉せず食事を続けている。
〇舞台となった『井沢ホテル』のロケ地は、『オークラ アクトシティホテル浜松』である。
刑事コロンボからのオマージュ
まとめ
大胆な結末と、犯人を演じた「真田広之」氏のスタイリッシュな犯人を楽しめるエピソードになっています。ミステリとしてはアリバイ崩しがメインになっており、『ホテルの自室で電話をしており犯行現場には行っていない』という事を、いかにして嘘であるのかを証明することが事件解決の鍵となります。
『その男、多忙につき』は、クライマックスでのカタルシスがあまり感じられない作品となった。それは、鈴木演出が「由良の部屋の位置関係」を伏線として予め視聴者に提示しておくという作業を避けているからである。
『古畑任三郎事件ファイル』より引用
そのため、最後に古畑任三郎がわざわざ部屋の位置関係を示すフリップを用意する必要があったのですね。
以上『忙しすぎる殺人者』でした。
昨日テレビで再放送やってたけど、、これ古畑警部補の状況証拠だけで、物的証拠はないよね、、
裁判でどんでん返しがありそう
由良さま
コメントありがとうございます!
≫状況証拠だけで、物的証拠はないよね、、
1話『死者からの伝言』の犯人は、状況証拠のみであるために無罪になっています。この事件も、もしかすれば……かもです。
凶器に使用した銃の存在次第でしょうか。岩田議員との関係性も明白ですので、犯人も全面的に罪を認めるかも知れません。
岩田議員のスペイン語のスペルや和訳は分かりますか?
≫岩田議員のスペイン語のスペルや和訳は分かりますか?
申し訳ございません。分かりません。私も気になっているのですが、「ボソトロス ノ ティノ(私の判断は)」以降不明です。