2020年10月24日から26日の2日間でしたが、『刑事コロンボの帰還』発売を記念して、小説家『山口雅也』先生と『風狂奇談倶楽部』様による、「#ツイッター民の選ぶのコロンボ・ベスト10」と題したランキング投票が行われました。
(↓現在はツイートが削除されております)
こんばんは!弊会も企画・構成に関わらせていただいた『刑事コロンボの帰還』、もう並んでいる書店さんもあったそうですね!
発売を勝手に記念して山口雅也先生とのコラボ投票企画 #ツイッター民の選ぶコロンボ・ベスト を開催します! pic.twitter.com/XKC8yvCM9V— 風狂奇談倶楽部@webショップ始めました! (@FukyoMurderClub) October 24, 2020
2018年にはNHKで、『視聴者が選ぶベスト20』を集計し放映しましたが、そこはTwitter。選ばれた作品や順位などは若干の違いがありました。旧シリーズ(45作品)から選ばれた作品。あなたの好きなエピソードもランキングに載っているでしょうか? 投票者のコメントなども抜粋しております。
12位~6位(※同率票のため)
12位 第16作『断たれた音』(10票)
コメント:コロンボとの対決色が強い。天才でありながら、同時に脆さも持つ犯人が印象的。夭折直前のL・ハーヴェイの鬼気迫る演技と強烈に皮肉な幕切れ。クレイトンさんの、傲慢さと劣等感の間で揺れ動く人間臭いキャラクターと最後の一刀両断の詰め手の妙が、忘れられない後味を残します。
9位 第3作『構想の死角』
第9作『パイルD-3の壁』
第21作『意識の下の映像』(各11票)
コメント:スピルバーグがさすが!ラストに明かされる〝ある事実〟が身に染みる(構想の死角)
サブリミナル効果って初めて知った。なんといってもサブリミナル。心理学を専攻したきっかけに。(意識の下の映像)
8位 第29作『歌声の消えた海』(12票)
コメント:最初からコロンボが出てくるところとか、全体的に明るくてお祭りみたいな感じが好き!コロンボが旅行!という別の楽しみが。
7位 第40作『殺しの序曲』(14票)
コメント:コロンボの昔語りが良い。コロンボが刑事になった気持ちを語るシーン。ラストで犯人が出すクイズのシーンが好き。
6位 第25作『権力の墓穴』(17票)
コメント:コロンボの上司という、最強の犯人。相手が上司ならではの陥れ方が見事。上司の策略に従うふりをして、とぼけつつも倍返しを決めるコロンボ。すべてを引っくり返すあの衝撃の一言。犯人を陥れる仕掛けを終えておいてから素知らぬ振りでヌケヌケと現場に現れるコロンボの非道ぶり。
ベスト5
5位 第15作『溶ける糸』(17票)
コメント:ラストのどんでん返し。ラスト寸前まで犯人優位な展開と、滅多にないコロンボが怒りを見せる場面。最後の最後まで息が抜けない攻防が印象的。
4位 第28作『祝砲の挽歌』(26票)
コメント:犯人のキャラクターが素晴らしい。私にとってのコロンボとは ピーター・フォークであり パトリック・マクグーハンなのだ。
3位 第32作『忘れられたスター』(29票)
コメント:犯人の少女のような魅力が悲しさを際立たせる。感動作。コロンボでこんなに おしゃれで泣ける話が 出てくるとは。
2位 第19作『別れのワイン』(38票)
コメント:ドラマ性が高い。何度見ても切ない。余韻の残る、叙情的なラストシーン。金銭的な利益を超えた何かを守ろうとした犯人像に惹かれる。ここまでコロンボが犯人に同情したのも珍しい。
1位 第6作『二枚のドガの絵』(40票)
コメント:ラストのワンカットの切れ味は空前絶後ですね。伏線の張り方の見事さ。一度見たら忘れられないインパクト。決定的な証拠の意外性とそれを活かしたラストが秀逸。衝撃のラスト!私をミステリ沼に引きずり込んだ罪深い作品(笑)
最終順位はこうなった
補足
〇『刑事コロンボの帰還』の発売を記念して行われたTwitterでの投票であった。期間は2020年10月24日21:00~26日21:00の2日間であり、『#ツイッター民の選ぶコロンボ・ベスト』とハッシュタグを付け投票する形式になっていた。
今回は旧シリーズ45作品に限っての投票で、総勢116名、348票を38作品に投じられた。ちなみに投票がなかった作品は以下である。
#5『ホリスター将軍のコレクション』
#14『偶像のレクイエム』
#23『愛情の計算』
#30『ビデオテープの証言』
#38『ルーサン警部の犯罪』
#39『黄金のバックル』
#44『攻撃命令』
〇投票では、第8作『死の方程式』や第24作『白鳥の歌』の人気も根強かった。「死の方程式」では、犯人の声優を務めた『野沢那智』氏の吹き替えの素晴らしさ、「白鳥の歌」では、犯人と刑事の対決感がありながらもドラマ性の高さが評価された。
まとめ
管理人も投票しておりました。#11『悪の温室』は迷わなかったのですが、興奮のあまり「秀逸」ではなく「秀悦」と盛大に誤字をしております。1人3作品までと縛りがあり、残り2作品が悩みました。旧シリーズはどれも面白く、それぞれのエピソードが印象深いです。
『忘れられたスター』や『黄金のバックル』なども浮かんだのですが、頭にパッとでたエピソードにしてみました。
「二枚のドガの絵」冒頭の犯行、徐々に明らかになる狙い。ラストはびっくり!犯人も二枚の舌を巻くっちゃう。
「悪の温室」構成、BGM、ウィルソン刑事も大好き!過去の行為が現在に繋がる証拠も秀悦。
「殺しの序曲」盛り上げ方、落語のような吹替の締めも素敵。#ツイッター民の選ぶコロンボ・ベスト— せぷてい (@mysteript) October 25, 2020
改めてコロンボ・ベスト10を振り返ると、「犯人の人間ドラマ」「あっと驚く結末」が人気ですね。旧シリーズ45作品はそれぞれ面白さがあり、そうなるとどうやって選評するのか? 初めて見た時の衝撃が大きい作品が選ばれる傾向があると思います。
リアルタイムで視聴していたか、観た順番は? 世代や性別、好きなBGMや声優さんなど、選ぶ基準は様々あると思います。わたしは刑事コロンボと出会い楽しみと元気をもらいました。最後に、声優「林原めぐみ」さんの言葉で締めさせていただきます。
「1位でも100位でも関係なく自分にとって好きなキャラ、好きな人を自信を持って大切にしてください。歌やラジオやキャラから元気をもらってくれたら、それはとてもうれしいけれど、人からもらった元気はいつか尽きてしまう。そしてまた欲しくなる・・・。
ゆっくりでいいので、自分自身の中から元気を生み出せる人になって欲しいと願っています。時には、私のことをすっかり忘れてしまうくらいの日々があなたにあったら、それも私はうれしいのです。」
アニメグランプリで7度目の連続1位を獲得した際のコメントより引用
コロンボで好きな作品は?って聞かれて『別れのワイン』を挙げるのってほとんど脳死みたいなもんよね
過大評価もはなはだしい
小山様
>>コロンボで好きな作品は?って聞かれて『別れのワイン』を挙げるのって
>>過大評価
ピーターフォーク氏が逝去された際、『別れのワイン』が特別放送されたそうですが、いつ頃から人気作品としてノミネートされているのか気になる所です。
シリーズ中での『別れのワイン』の立ち位置はいわゆる人情物であり、巧妙なトリックや意外な証拠といった部分では確かに弱いかと思います。基本的にコロンボ警部と犯人の関係性というものは対立関係にありましたが、互いの関係を認め合うイレギュラーな作風であり、ワインという1つの事柄をこよなく愛した犯人(まじめで頑固な不器用さ)が最後に下した哀しき決断というものが、視聴者の共感を生んだのではないでしょうか。
何かと人は弱い立場にいる人に対し同情の念を抱いてしまいますので、そういった面での希少性のある作風、また語りたくなる(語りやすい)ストーリーは記憶に残ります。私も『別れのワイン』には投票しませんでしたが、何度か見返すうちにこういった展開の話も好きになるのかも知れませんね。