刑事コロンボ 21話『意識の下の映像』サブリミナル効果を駆使した斬新なトリック!

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VS.心理学者。なぜ犯人は前もって被害者が部屋から出てくる時間を当てることができたのか?このトリックが斬新です。心理学の権威でもあり、人間の意識調査を研究しているプロフェッショナルだけあります。

犯人役としては、3回目!ロバート・カルプさんの登場です。高圧的であり自信満々。スタイリッシュな役柄にピッタリです。残念ながらカルプは犯人役としてはこれで終了となります。しかし、17年後に第56話「殺人講義」で犯人役の父親としてゲスト出演します。

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ココが見どころ‼

〇犯人(ロバート・カルプ)がコロンボに3度目の挑戦!

〇潜在意識に働きかける斬新なトリック

〇スタイリッシュな殺人!被害者を射殺し、倒れこむ前に横を颯爽とすり抜ける犯人

〇犯人は「ドクター」という肩書にこだわりがあり、コロンボに度々訂正させます。

データ

データ:詳しく見る
脚本:スティーヴン・J・キャネル

監督:リチャード・クワイン

制作総指揮:ローランド・キビ―&ディーン・ハーグローヴ

音楽:ディック・デ・ベネディクティス

本編時間:74分

公開日:アメリカ/1973年12月16日 日本/1974年8月10日

あらすじ+人物相関図

心理学の権威でもあり意識調査の専門家であるバート・ケプル博士は、人の動きや意識を調べ、それを効果的に宣伝に利用する会社を経営していた。販売を促進するためのCMが、どんな時にどんな効果があるのかを調べて宣伝材料を作るのだ。

しかし、一方では会社のキャンペーンガールのタニア・ベーカーという女性と手を組み、男性顧客の弱みを握り、脅迫するという悪行も重ねていた。これに、会社の営業マンの意欲向上のための動画制作を依頼してきた、産業会社社長のビック・ノリスも罠に掛かってしまった。

だがビックは脅しに屈せず、脅迫の事実を暴露すると話し関係を断ち切ろうとしていた。これが明るみになってしまう前に、ケプルは口封じのための殺害を計画する。その殺人計画とは、試写会中にビックの潜在意識に働きかけることだった。

人物紹介

今回の犯人:バート・ケプルロバート・カルプ

吹き替え声優:梅野泰靖(うめの やすきよ)

追加吹き替え:小島敏彦(こじま としひこ)

職業:意識調査研究所所長

殺害方法:①射殺(22口径変換装置を装着した拳銃)

②ノリス夫人の自宅から銃を盗む。その銃で射殺

動機:①②いずれも口封じのため

概要:詳しく見る
概要:意識調査研究所の所長。人の行動や意識を研究しており、それを宣伝業界に利用している。彼が殺害計画に利用したトリックも、人に潜在意識に働きかける「サブリミナル効果」を利用したものである。

このサブリミナル効果は、例えば「釣り」の動画を見ている人がいるとする。その釣りの動画の中に一瞬(0.00001秒)だけ、人間が視認できないような速度の中に「コーラ」の1コマを入れるとする。すると、その人は釣りの動画を見ているだけなのに、無性にコーラが飲みたくなってくるのである。しかし、人間の脳はそれを一瞬だけとらえている。意識下には映像が流れているのだ。

宣伝事業の拡大の野心もあり、より多くの資金調達が必要になる。タニア・ベーカーという女性と手を組み、既婚している男性顧客と不倫をさせる。その写真をばらまくと脅して資金を脅しとるという脅迫行為も行っている。なお、エピソード中にはタニアは出てこない。もしかしたら、試写会時に映像として流れる、「なだらかな曲線美…」として紹介されている女性がタニアなのかもしれない。

武器収集家でもあり、自室の壁一面には銃器が飾られている。どれも手入れは怠っていないようで、すぐに発砲できる状態である。銃器だけではなく、「ククリ」という刃物も飾られていた。これはナイフや鉈、刀のように使えるネパールの武器である。

単なる収集家というだけではなく、射撃の腕はプロ級である。被害者となるビック・ノリス、ロジャー・ホワイトを一発で心臓を打ち抜き殺害している。また、ビック殺しの際には、相手が倒れる前に颯爽と横をすり抜けるなどスタイリッシュな足運びを魅せてくれる。

心理学の権威でもあり多数の著書を出版している。著書のタイトルは、「宣伝と動機づけされた販売」「刺激による意識調査と宣伝における価値」「人間の価値VS人間の動機」「心の糸のとその引き方」。ちなみに最初に出版したのが、人間の価値VS人間の動機である。

ゴルフのプレー最中にコロンボがやって来て、ケプルが犯人だという。しかし物的証拠がない。そんなコロンボに掛けた言葉は、「勝つには最後までゲームを捨てないことだ」である。なお、コロンボの登場に動揺していたのか、ゴルフのショットはボロボロであった。

サブリミナル効果は、今エピソード放映時にはすでに法律で禁止されている。また、日本でも1995年に禁止となっている。


今回の被害者①:ビック・ノリスロバート・ミドルトン

吹き替え声優:小瀬格(おせ いたる)

職業:ノリス産業社長

概要:詳しく見る
概要:会社の営業マンたちの意欲向上のための映画をケプルに依頼していた人物。しかしタニア・ベーカーに色仕掛けされてしまい、それをネタに脅迫を受けてしまう。だが彼は脅迫には屈せず、試写会後の会議ではバート・ケプルのクビを切ることを議題としていた。

大好物はキャビアであり、ケプルが用意したものはイラン王室から送られてきた1缶=80ドルの高級なものであった。1973年12月1ドル=280円 80ドル=2万2千400円


今回の被害者②:ロジャー・ホワイト(チャック・マッキャン)

吹き替え声優:三宅康夫(みやけ やすお)

職業:映写技師

概要:詳しく見る
概要:研究所の映写技師として働いている人物。いつもより早く現場入りしていたため、バート・ケプルの行動に不信を抱き、いち早くサブリミナル効果を利用したトリックを見破ってみせた。これをネタに金銭を要求したことで、殺害されることに繋がってしまった。

研究所の映写技師として働くかたわらに、マグノリア劇場でもアルバイトをして、動産の資格をとる勉強もしている。値上がりしそうな土地はすでに見つけているがそれには資金が必要となる。ケプルに要求した金額は5万ドル=1千4百万円である。母が病気をしており、楽をさせてあげたいという思いも持っていた。

仕事柄、映画は見飽きているようで、もっぱらフィルム交換の時間までは不動産の勉強本を読んでいる。フィルムの後ろの方にコインを仕込むことで交換の合図がわかるようにしていた。コインが床に落ちれば、次のフィルム交換のタイミングだと分かるのである。いつも仕事の時にはアイスティーと、おやつにレーズンを用意している。

犯行計画

①バート・ケプルは試写会のフィルムに”アイスティー”の画像を1枚差し込む。サブリミナル効果を引き起こさせる。また、映写室にあるモニターを映らないように細工する。これにより映写技師のホワイトから犯行現場を見られないようにした。

②ケプルはノリス夫人に電話を掛ける。夫がタニア・ベーカーという女性と不倫関係にありその写真を撮ったという。不倫の証拠を見せるために40分後(犯行時刻)に、マグノリアに来るように伝える。

③ビック・ノリスが試写会場に到着すると、好物のキャビアを振る舞う。そのキャビアは塩辛い味付けにしている。

④試写会が始まる。ケプルはナレーションを務めるために、舞台裏にいる。途中で録音機に吹き込んでおいたナレーションに引き継ぎ、裏口から別室に移動。モニターで東側ロビーの様子を見守る。

⑤会場内は空調の電源を落としており温度が高い。また、先程ノリスは塩辛いキャビアを食べたため喉が渇く。さらに、サブリミナル効果を狙った場面に差し掛かると、無性に水が飲みたくなってきて廊下へ出る。

⑥ビックが水を飲みに東側ロビーにでたことをモニターで確認。ケプルはすぐに彼を射殺する。再び、舞台裏に行きナレーションを引き継ぐ。試写会後に録音機のデータは消し、新しく吹き込んだ。

⑦ノリス夫人はその時間帯のアリバイがない。ノリス夫人が犯人の線で捜査を進めさせたい。

【映写技師:ロジャー・ホワイトに事件の真相を掴まれる】

⑧ノリス夫人の自宅に侵入する。彼女の拳銃を盗み出す。

⑨ホワイトのバイト先であるマグノリア劇場に向かう。そこで彼を射殺。映画フィルムの交換を行う。後にコロンボと会話しており、フィルム交換はホワイトが行ったことになれば、その時間帯のケプルのアリバイが立証される。

⑩凶器として使用された拳銃のシリアルナンバーはノリス夫人の物と一致している。彼女が事件の真犯人であると改めて罪を擦り付ける。

コロンボの疑問点

ネタバレ注意!
〇映写室にある犯行現場の廊下を映すモニターが映っていなかった。

〇ケプルはノリス夫人が犯人だという。実際に夫人にはアリバイを立証する証人はいない。夫人は真実を話し、コロンボは彼女が犯人ではないと感じる。「もしウチのカミさんが犯人だとしても、もう少しましなアリバイを考える」

〇ケプルは映画の上映後に顧客から感想を、録音機に録音するという。しかし、録音機に入っていた音声は廊下で遺体を発見した時のもの。普通ならば混乱する場面である。しかも、上映したフィルムは殺人事件の直後に金庫にしまうように促した。そこまで普通ならば気が回らない。

〇コロンボが盗み食いしたキャビアはとても塩辛かった。高級なのに不味い味付けである。

〇殺害された映写技師のホワイトは、フィルム交換の合図に、終わりの方にコインを挟んでいる。しかし現場にはコインが落ちていなかった。別の人物がフィルムを交換したのではないか?そうなるとケプルのアリバイは成立しない。

〇ケプルはタニア・ベーカーという女性は知らないと証言する。コロンボが何度電話を掛けても出なかったのに、料金先払いでケプルの名前を語り電話を掛けると、着信に応答した。しかも、相手の女性は「違う声だわ」と言って切った。2人は声をよく聞く関係にある。

三幕構成

まとめ

犯人に対してトリックをそのまま返して事件を解決するという、やり返しがこのエピソードの魅力の1つだと感じます。これには犯人も強がって、「自分のおかげだ」と言っていますが涙目です。

コロンボ自身が発見できそうな場所に「証拠」が隠されていましたが、これを犯人自身に見つけさせることに意味があるんですよね。最後のシーンにコロンボとカメラマンも隠れていたので、犯人自身が見つけるという瞬間の現場写真も撮る必要があったのです。

以上、21話「意識下の映像」でした。