刑事コロンボ 第25話「権力の墓穴」コロンボの上司が犯人として登場。

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【VS.市警察本部次長】コロンボの直属の上司にあたる人物が犯人として登場します。脚本家はピーター・S・フィッシャーであり、制作総指揮をするローランド・キビ―&ディーン・ハーグローヴが「コロンボの上司が犯人だったら?」という、お題の提示によって書かれたエピソードのようです。

警察の上位に位置する犯人であり、コロンボが徐々に核心に迫ってくるところで、捜査を制限してきます。捜査制限が限定されたなかで、どうやってコロンボが犯人を逮捕するのかというラストの逆トリックは見事!

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ココが見どころ‼

〇脚本家ピーター・S・フィッシャーがお気に入りのエピソード

〇冒頭では犯人の職業が明かされず、エピソードが進むとコロンボの上司にあたる人物が犯人であるということがわかる。

〇コロンボは捜査制限が限定される。制限されたなかでどうやって犯人を逮捕するのか?

データ

データ:詳しく見る
脚本:ピーター・S・フィッシャー

監督:ベン・ギャザラ

制作:エドワード・K・ドッズ

制作総指揮:ローランド・キビ―&ディーン・ハーグローヴ

音楽:ビリー・ゴールデンバーグ

本編時間:98分

公開日:アメリカ/1974年5月5日 日本/1974年10月5日

あらすじ+人物相関図

警察本部次長マーク・ヘルプリンはクラブでギャンブルを楽しんでいると、隣家の友人であるヒュー・コードウェルが思いつめた表情をしてやって来た。話を伺うと、ヒューは妻のジャニスが浮気相手のところを行くことを知り、カッとなり首を絞めて殺害してしまったと話す。

マークは彼に22時頃に自宅に電話を掛けるように指示し、アリバイを作れという。マークはコードウェル邸に向かい、ジャニスをナイトガウンに着替えさせて、貴金属を盗んだ。忠告通りヒューは、22時に自宅に電話をかけ、マークはそれを受け取る。ヒューは妻との会話を演じることで、妻はその時間は生存しているようにアリバイ工作したのだった。

マークは自宅に戻ると、妻マーガレットのいる寝室へ向かう。テラスに出ると、たったいまヒューの自宅から男が逃げ去っていったとでっちあげ警察に連絡を入れた。ここ数週間で物盗りが多発しており、寝ようとしていた彼女が物音を聞いてリビングに行ったところ殺害されたという筋書きを完成させた。

翌日、マークは記者会見を行い、自分と妻が犯人の目撃者であると公表する。そのうえで、マークは入浴中のマーガレットを浴槽に沈めて溺死させる。顔を見られた物盗みが、今度はマーガレットを殺害したというシナリオをヒューに話す。今度は自分に協力するように脅しかけたのだった。

人物紹介

今回の犯人:マーク・ヘルプリンリチャード・カイリー

吹き替え声優:北村和夫(きたむら かずお)

職業:ロサンゼルス市警察本部次長

殺害方法:②風呂場で溺死させる。

動機:多額の金を慈善事業に消費している資産家の妻の遺産を相続するため。

概要:詳しく見る
概要:コロンボが勤務するロサンゼルス市警察本部の次長。隣家の旧友であるヒュー・コードウェルが妻を殺害してしまったことを聞き、隠ぺいに協力。自身もまた妻であるマーガレットを殺害し、半ば強引にヒューを脅してアリバイ工作を行った人物。

毎週火曜日にはクラブに行きギャンブルを行っている。このことは妻も承知であり、毎回負け越してしまい妻から金を借りることが多い様子。しかし、ヒューが起こした事件日に限っては絶好調であり、3200ドルのダイス勝負に勝利している。ここで運を使い果たしてしまったのか……はたまた、まだまだ運が味方していると思い、妻マーガレットの殺害計画を実行したのだろうか?

警察という職務を活かして、ここ数週間で頻発している物盗りの犯行と同じ手口でヒューの自宅に侵入し、強盗殺人に偽装した。このことから一応まっとうに職務に臨み、書類には目を通していることが伺える。

「全ての市民の安全を守るのが警察の役目です」と表向きには記者質問に答えるも、妻が多額のお金を使い、慈善活動を行っていることに対してはまるで理解を示していない。慈善は偽善と見なしており、入浴中の妻マーガレットを溺死させる。その後、ヒューを半ば強引にマーガレット殺害の隠ぺい工作の共犯にさせた。

※役職的には警察署長代理であり、組織の№2にあたる人物である。
※1974年5月1ドル=278円 3200ドル=88万9千6百円


今回の犯人:ヒュー・コードウェル(マイケル・マクガイア)

吹き替え声優:山本勝(やまもと かつ)

職業:?

殺害方法:①絞殺(素手)

動機:妻が不倫相手の元へ出かける予定であり喉を掴んだらそのまま死亡させてしまう。

概要:詳しく見る
概要:ベル・エア地区の1278番地フェアー・ファクス通りに住むマーク・ヘルプリンの隣家の住人であり古くからの友人の男性。妻を口論の末に絞殺してしまった。

殺すつもりはなかったと語っており、エピソード中は常におどおどした表情を浮かべ、「コーヒーを飲み続けているんだ」と、自責の念にとらわれていた。当初は弁護士のフレッドという男性に弁護を依頼するか、自首するかを迷っていた。

マーク・ヘルプリンから偽装工作をしてもらい一時は安心したようだが、今度は自分がマークが妻を殺害したその偽装工作をすることになった。彼が安心できる日はないでのある。

なお、マークの妻マーガレットの遺体をプールに投げ込む際には、覆面の代わりにかストッキングを頭にかぶっていた。職業は不明であるが金銭は持っているようで、自宅に家政婦を雇っている。


今回の被害者:マーガレット・ヘルプリンローズマリー・マーフィー

吹き替え声優:白坂道子(しらさか みちこ)

職業:マークの妻

概要:詳しく見る
概要:資産家であり多額の金を慈善活動に使っている女性。麻薬中毒患者や娼婦に対しての慈善活動や、前科がある人が正職に就けるように支援する活動も精力的に行い、今年の女性に選ばれホルカムハウスでの演説が決まっていた。

夫であるマーク曰く、「寛大さと温かく人を迎えいれる優しさ」があるそう。40万ドルの大金を今まで慈善活動に使ってきた彼女に言わせると、「お金は武器と同じなのよ。正しく使いさえすれば社会を良くする道具になるわ」と語った。
※40万ドル=1億1千1百20万円


今回の被害者:ジャニス・コードウェル(?)

職業:ヒューの妻

概要:詳しく見る
概要:ヒュー・コードウェルの妻。若い男性と不倫関係があり、腕時計などを貢いでいた様子。不倫が原因となり夫であるヒューと口論の末に、はずみで絞殺されてしまった。

アクセサリーや身なりに関しては気を付けており、貴金属・宝石は「AN CLEEF&ARPELS」という店の常連客。3.6カラットの梨型のダイヤをバケットの小粒で取り巻いた8000ドルの指輪を注文したりしていたが、不倫相手に貢ぐには金が必要である。貴金属類は売りお金に換えて、ガラスなどの模造品に換えて身に着けることとなる。

アクセサリーショップの店長ウェクスラー氏によると、「奥様はお美しくチャーミングでした。36にしましては…本人は大変若いつもりだった」と語る。

朝起きると寝間着(ナイトガウン)をクローゼットから取り出して枕の下にしまうことが習慣となっている。そうすることで、夜すぐに着替えられて便利らしい。

なお、「AN CLEEF&ARPELS」でコロンボが時計のバンドを購入しようとしたところ、バンドの値段である25ドルを、腕時計の値段と勘違いしている。コロンボの腕時計は25ドル以下のモデルを着用している様子。
※8000ドル=2百22万4千円 ※25ドル=6950円(コロンボの腕時計)

犯行計画

マーク・ヘルプリンの主導の元、隠ぺいと偽装工作が進んでいきます。

※ジャニス・コードウェル殺しの隠ぺい工作

①ヒュー・コードウェルは、妻ジャニスを誤って殺害してしまう。マークは偽装工作を行うので22時にヒューの自宅に電話を掛けるように促す。

②マークはヒューの自宅に行き、ここ数週間で多発している物盗りと同じ手口で貴金属を盗む。

③遺体をナイトガウンに着替えさせる。

④クラブにいるヒューが電話を掛ける。それを自宅にいるマークが受け取る。他の客に妻とのやり取りを演じて見せた。

⑤マークは自宅ガレージに盗んだ貴金属を隠す。妻マーガレットの寝室で会話後、テラスに出るとヒューの自宅から男が走り去って行くのを見たとでっちあげる。

⑥警察に連絡を行う。自宅に泥棒が入り、様子を見に降りていったジャニスは殺害されたという筋書きを完成させた。

※マーガレット・ヘルプリン殺しの隠ぺい工作

①マークは入浴中のマーガレットを溺死させる。

②マークがヘリコプターに乗っての見回り中に、自分の自宅から人影が見えたという。ヒューはマーガレットの遺体をプールに投げ込む。

③ヒューはそのまま逃走。すぐにマークはヘリコプターから降りて、マーガレットをすくい上げる。

④マーガレットはプールに投げ込まれ溺死に見せかけた。

コロンボの疑問点

ネタバレ注意!
○ジェニス・コードウェルの枕下にピンクのナイトガウンが入れてあったが、ジャニスはブルーのナイトガウンを着ていた。ジャニスは夜着るナイトガウンを、朝の内に枕下に入れる習慣があった。

○クローゼットのの取っ手にジャニスの指紋がついていなかった。家政婦が家を綺麗に掃除をしており、ブルーのナイトガウンをクローゼットから出したならば指紋がついているはず。

○マーク・ヘルプリンは、妻マーガレットもジャニスを殺害した犯人を目撃したように言っていたが、マーガレットは見ていなかった。

○マークは最初の事件の晩、近隣では物取りは多発していたが殺人は起きていなかった。それなのに何故、最初から殺人課の自分を呼んだのか?

○コードウェル邸の電話にジャニスの指紋がついていなかった。フューからの電話に出たのならついているはずである。

○ジャニスの愛人は夜9時半に電話したときはジャニスは出なかったが、10時半の夫からの電話には出た。なぜ愛人の電話に出ずに、夫からの電話は出たのか?もし関係を断ったとしてもなぜ相手が分ったのか?

○ジャニスがもっていた宝石はほとんどが模造品であり、プロの窃盗犯であればすぐに気付き盗まない。

○殺害されたマーガレットは、袖がやぶけた服(昼間サボテンのトゲにひっかけた)を着ていた。授賞式に参加するのにやぶけた服は着ないはず。

○プールで溺死したとされるマーガレットの肺から、入浴場で使う石鹸の成分が検出された。

三幕構成

まとめ

3幕構成でエピソードを分解してみると、コロンボでは変わったストーリー構成となっています。といっても、第1幕の「主人公の紹介」の順番が違うだけですが……。第1幕クライマックスで犯人は警察本部の人間であることがわかります。

また、第1の殺人はすでに実行されていた後で、隠ぺい工作がメインになる話かと思いきや、犯人であるマーク・ヘルプリンは妻マーガレットを殺害します。ここがなんだかもったいなと感じるのが、マークが妻を殺害するという動機が薄い印象があります

マークがギャンブル依存でありますが勝負に負けても、妻はお金はしっかりと渡してくれます。妻の多額の財産を慈善事業に使い込んでいるというのが、やはりどうしても許せなかったのでしょうか?殺人のリスクが大きいような気がしないでもありません。

警察組織ではトップになるほどに現場からは遠い存在になってくるように思えます。コロンボ警部の活躍っぷりは署内では評判との話ですが、マークはそのことはあまり知らなかったのでしょうか?そのコロンボの手腕さえも、自分の権力を使えば、殺人の罪は他者に被せることができるだろうと、高を括っていたのかも知れません。

まさにそれこそが、「権力の墓穴」だったのでしょう。

以上、25話「権力の墓穴」でした。