フリージャーナリスト・新正誠(野村周平)は、疑惑があっても裁かれない権力者を糾弾する記事ばかりを書いていたが、とうとう自らを『令和のねずみ男』と称し、かつて両親が事故に巻き込まれた死亡した『剛谷トンネル崩落事故』の不祥事を揉み消した県議会議員・串鉄昭(三上市郎)を射殺する。
翌日、新正は恋人・木原茜(松田ルカ)に不信な行動を疑われていることから、スマホの位置情報を用いたアリバイ作りに彼女を利用すると、崩落事故を引き起こす手抜き工事を行った建設会社社長・鍋鳥幸三(川瀬陽太)を法に代わり天誅を下したのだった。
データ・スタッフ
脚本:オークラ
トリック監修:能塚祐喜
音楽:野崎美波
演出:並木道子
プロデュース:宮崎暖
制作プロデューサー:熊谷理恵
製作:フジテレビ
放送日:2024年6月14日
放送時間:46分
人物紹介(キャスト)
今回の犯人:新正誠(あらまさ・まこと)
役者:野村周平(のむら・しゅうへい)
概要:フリージャーナリストの男性。手抜き工事が原因とされる『剛谷トンネル崩落事故』で両親を失っており、不祥事を揉み消した串鉄昭と、工事に関与した鍋鳥幸三を『令和のねずみ男』と称して自ら法に代わり天誅を下した。サイレンサー付き拳銃やらホテルマンの服装とかどっかから仕入れてきたんだお前。
今回の被害者:串鉄昭(くしてつ・あきら)
役者:三上市郎(みかみ・いちろう)
概要:神奈川県議会議員の男性(53歳)。鍋鳥建設社長の鍋鳥幸三から多額の賄賂を受け取り、見返りに『剛谷トンネル』の工事を斡旋した。トンネルは手抜き工事により崩落事故を起こすのだが、その不祥事は権力で揉み消していた。横浜市内にある高級クラブのエレベーターで新正誠に射殺される。
今回の被害者:鍋鳥幸三(なべとり・こうぞう)
役者:川瀬陽太(かわせ・ようた)
概要:鍋鳥建設社長の男性。串鉄昭に賄賂を贈った見返りに『剛谷トンネル』の工事を請け負うが、手抜き工事により崩落事故を引き起こした噂があった人物。毎週金曜日の22時頃、TOKYOプリマスホテルで愛人と密会しており、待ち合わせ時刻を利用して新正誠に殺害される。
その他キャスト
役名・概要 | キャスト |
役名:木原茜 概要:新正誠の恋人で森野徹の姪 | 松田るか |
冒頭で串鉄昭の遺体を発見した高級クラブの客 | 平賀雅臣 |
冒頭の高級クラブのママ | 楊原京子 |
TOKYOプリマスホテルで鍋鳥幸三の部屋に入ろうとた愛人 | 菜月 |
ラジオのアナウンサー | 新美有加 |
諸急交通バス大阪営業所でスマホを渡した係員 | 小林千里 |
TOKYOプリマスホテルで鍋鳥幸三の遺体を発見するスタッフ | 大西史也 |
クラブのホステス(回想シーン) | 松本理沙 |
葉月美結 |
小ネタ・補足
新正誠が規制線が張られている現場に戻ってきた際、ある人物が接触を避けるようなシーンが挟み込まれている。新正誠に情報をリークした2人の関係性を示す描写だったのだろう。
まとめ【評価:普通】
犯人の初手自白のような発言からはじまり、話せば話すほど墓穴を掘りまくって半分は棺桶に片足が入った状態で進むのが逆に面白い作品でした。
冒頭の緊迫感ある犯行シーンからオープニングまでは良かったのです。しかし、捜査が開始されると、自ら現場に戻ってきて俺が犯人だと言わんばかりの情報をぶちまけ、その晩には彼の自宅で事件は解決することになります。
黒羽ミコ(篠原涼子)と森野徹(バカリズム)らによる、自宅への訪問回数が1度で事件解決に繋がるスピード展開であり、もっと小分けにしながら犯人の接触回数があったほうが良かったかと感じます。
黒羽と森野はそれぞれ入れ替わるように彼の自宅に来るのですが、犯人は罠に自らハマりに行くような失言続きで、もはや失笑してしまうほどリンチ状態であります。これはギャグ回か?
ところで、オークラ脚本の第5弾である今作品は、5話『法廷画家は誰がために』でも見られた、「法では裁けない相手への復讐」がテーマになっていますが、違いは「大切な人の生存有無」です。
5話では犯人の妻はすでに死亡しており事件で迷惑を被るのは自分だけです。対して今作品は大切な恋人という存在があり、大事な彼女を利用してアリバイトリックを完成させておりましたね。
そして森野が言うのです、『大切な恋人を傷つけてまでやりたかった正義とはなにか?』
それに対して、犯人はしっかりと返答しているにも関わらず、満足できる回答ではなかったようで『人を殺して良い理由なんてないんだよ』ってめっちゃくっちゃ怒ってくるんですよ。じゃあ聞くなよって感じです。
そういった問いに対する説教じみた展開がちょっと苦手でした。結局は森野も自分の可愛がっていた姪っ子(犯人の恋人)が利用されていたことが腹立つんだな、みたいな感じにしか思えなくなっちゃいます。急に自分の価値観を振りかざさないでくれ森野よ。
序盤の会話シーンは黒羽のウザさを感じられて良かったのですが、中盤以降の自宅シーンで急に犯人がしょんぼりして活気がなくなってしまい、以降がなんだか流れに乗り切れず評価が下がりました。
以上、イップス(ドラマ)|10話『復讐は天チューにあらず』ネタバレあり感想【評価:嫌い】でした。
参考サイト
・フジテレビ『イップス ストーリー10』(https://www.fujitv.co.jp/yips/story/index10.html)、2024年6月16日閲覧
・フジテレビ『イップス ニュース31』(https://www.fujitv.co.jp/yips/news/index31.html)、2024年6月16日閲覧
・フジテレビ『イップス ニュース32』(https://www.fujitv.co.jp/yips/news/index32.html)、2024年6月16日閲覧