刑事コロンボ 11話『悪の温室』ウィルソン刑事の登場

刑事コロンボ 11話 悪の温室
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【vs.蘭の収集家】好きなエピソードです。殺人事件が発生する前にコロンボ警部と犯人が接触したり、丘の下へコロンボ警部が転げ落ちる数少ないアクションシーン。超絶カッコいいBGM…… なんといってもフレデリック・ウィルソン刑事が素敵!

他のエピソードでも名前のある刑事は出ておりますが、ウィルソン刑事ほど優遇されている人物はおりません。ウィルソン刑事も最初はコロンボのことを侮っていますが今事件を解決後、とあるエピソードで再登場するのですが神格化しています。シャーロック・ホームズとワトソン博士のような良き子弟コンビみたいです。

有能な刑事で50点ぐらいの推理を披露して良い線行ってるんだけど、最後に主人公刑事が100点満点の推理を披露して良いところをぶんどっていく流れは、決して主役にはなれないけれども、縁の下で支える感じがして好きなんです。

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データ

脚本:ジョナサン・ラティーマ
監督:ボリス・セイガル
制作::ディーン・ハーグローグ
ストーリー監修:ジャクスン・ギリス
音楽:オリヴァー・ネルソン

本編時間:74分
公開日:アメリカ/1972年10月15日 日本/1974年5月4日

あらすじ

蘭の収集家であるジャービス・グッドウィンは、甥のトニー・グッドウィンから、資産家であった亡き父の財産を引き出せないかと相談を受ける。遺産は信託財産として銀行が管理しており、自由に金を使うことができない状況にあることから、ジャービスは狂言誘拐を考案する。

2人は共犯となり架空の誘拐事件をでっちあげ、トニーが誘拐されたように見せかけることで、緊急事態として信託財産の金を身代金として引き出すことに成功した。トニーは計画通りに進んだと喜ぶのだが、ジャービスは計画の第3段階と称し彼を射殺。その金をまんまと独占したのだった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

今回の犯人:ジャービス・グッドウィン
役者:レイ・ミランド

吹き替え声優:臼井正明

追加吹き替え:小林修

概要:蘭収集家の男性。甥のトニー・グッドウィンから、信託財産を引き出す方法がないかと相談を受け、狂言誘拐を考案した。トニーが誘拐されたように装い、緊急事態として信託財産の金を引き出すことに成功する。だが、彼の計画の結末とは、トニーを殺害して財産を独占することにあった。

職業は不明であり蘭収集家として描かれている。アメリカでは最高のコレクションと自称しており、屋敷内に備えられた日光室にはモスオーキッドという種類の蘭が栽培されていた。相場は1200ドルとのこと。(1973年10月ドル=301円 1200ドル=36万1千2百円

手入れに関しても行き届いており、コロンボが持ち込んだ枯れかけのアフリカバイオレッドを見事に復活させてみせた。「こんなのは君。手をかけてやるにも価しないな。ゴミ箱に捨ててしまうのが一番簡単だろう」と酷評したのだが、ちゃんと面倒を見るあたりツンデレである。

皮肉屋であり、エピソード中は終始不機嫌な態度と口調で小言を並べていた。


今回の被害者&共犯:トニー・グッドウィン
役者:ブラッドフォード・デイルマン

吹き替え声優:山田康雄

概要:資産家一族の男性。妻キャシーがいるが、愛想を尽かされており愛人を作られていた。その愛人(ケン・ニコルズ)から5万ドルを支払えばキャシーとの愛人関係を断つと言われるが金がない。愛している妻のため、亡き資産家の父が残した信託財産を引き出す方法がないかと、叔父ジャービス・グッドウィンに相談を持ちかけた。(1973年10月ドル=301円 5万ドル=1505万円)

会社を経営しているのか? 以前の受付嬢グロリア・ウエストと親密な関係にある。肉体関係は無かったようで、妻へ言えない愚痴を告げているあたり、心から言い合える親友的なポジションであったようだ。

ジャービス曰く「水の毛ほども価値もないのだ。悪妻の尻に敷かれたダメな奴で人間の屑だ。もし私のただ1人の身内でなかったなら犯人に好きなように始末しろと言うところだ」の言葉通り、狂言誘拐の結末としてジャービスから始末されてしまった。

小ネタ・補足

〇受付嬢『グロリア・ウエスト』の役者は「アーレン・マーテル」氏である。27話『権力の墓穴』では、宝石店の店員を演じた。2014年8月12日78歳で亡くなられている。

〇フレデリック・ウィルソン刑事が初登場したエピソードである。4年後に放送された、36話『魔術師の幻想』で再登場を果たしている。役者は「ボブ・ディッシー」氏で、吹き替えは「野本礼三」氏が担当していた。

ウィルソン刑事は、殺人課に1年間勤務した後、バークリーの警察学校で2年間研修をして最新の捜査技術を学ぶ。再び殺人課に戻ってきた。コロンボの上司であるリッチー主任の指示で、今回はコロンボの部下として配属されていた。

夜間望遠用レンズ『スターライトスコープ』を自腹で購入したり、犯行現場の足形は3次元写真で撮るなど最新の化学捜査を取り入れている。久々の現場で妙に気合が入っており、コロンボ警部からは「張り切りボーイ」と茶化された。

まとめ

見事な殺人計画なんですね。狂言誘拐と言えば、2話『死者の身代金』がありますが、今回は共犯者がおります。身代金を引き出すことに成功したあげく、その共犯者を殺害して金を独占する流れは悪者の鑑でございます。コロンボ警部が殺人が起きる前から登場しているのも面白いです。

殺人実行前からジャービスを疑っているようなそぶりを見せておりますが、コロンボ警部は殺人課であり、殺人が発生しなければ実質的な捜査権はありません。犯人側も「警察には知らせるな」と、封書が届くようにしておりましたので、表立って行動ができませんでした。

ただ、コロンボ警部は最初からジャービスが怪しいと目測を立てております。身代金をすぐに引き落とそうと銀行に行かず、温室に立ち寄っていたり。トニーのことは人間の屑と豪語していたりと。そうなると殺人を未然に防げたのではないかと思っていますがどうなんでしょうか?

コロンボが丘下の車を発見した日に身代金の受け渡しが行われたので、まだ鑑識による検証作業が済んでおらず、確固たる確信をもてなかった可能性も考えられます。倒叙形式は犯人視点から進む物語です。そのため、視聴者は犯行計画の全てを最初から知っている状態で進むのがミソです。

いかにも、コロンボ警部が犯人の行動の全てを見抜いているかのように、視聴者が感じてしまうのが面白いですよね。決してコロンボ警部は犯人が分かっているとは限りません。彼の行動や言動を見てみると、犯人に対してアクションを掛けることで、その反応を見ながら核心に迫っていくのです。

何といっても忘れられないのが、『フレデリック・ウィルソン』刑事ですね。良いキャラクターをしております。最新の科学捜査を得意とする彼のおかげで、コロンボ警部も挑戦してみます。その結果として、ラストの逃れられない証拠が出てくるのは痛快です。

以上、第11話「悪の温室」でした。

  1. 再登場レイ・ミランドと絶妙にマッチした臼井さんの吹き替えの存在感もありますが、

    被害者役吹き替えの山田康雄さんの軽妙な喋りが耳に残る。
    大げさでなくめちゃくちゃ自然に聞こえる流暢な滑舌…
    唯一無二の一流の役者さんですね。

    ウィルソン刑事も吹き替え共に最高の存在感でした。

  2. ≫再登場レイ・ミランドと絶妙にマッチした臼井さんの吹き替えの存在感
    ≫被害者役吹き替えの山田康雄さんの軽妙な喋りが耳に残る
     皮肉が多い犯人。山田さんのルパンボイスは良いですよね。ウィルソン刑事の飄々としたやり取りも大好きです。

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