刑事コロンボ 63話『4時02分の銃声』可愛い子には旅をさせよ

新・刑事コロンボ 63話 4時02分の銃声
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【VS.ラジオパーソナリティー】38話「ルーサン警部の犯罪」の犯人を演じた、ウィリアム・シャトナー氏が再び登場です!前回のエピソードでは、芝居用の化粧品が現場に残っていたことでコロンボ警部に犯人だと疑われてしまいました。

しかし、今回のエピソードでは『あえて』犯行現場に、芝居で使用する化粧が付着したハンカチを残し事件を誘導しようと企みます。だけど、やっぱり警部に『この人が犯人だ!』とは言っていませんが、疑われることになってしまいます。

犯人の職業はラジオパーソナリティーですが、犯人役のウィリアム氏も、ラジオでレギュラー番組をもつなどしていたようです。また、携帯電話が登場します。今とは違い、かなり分厚くて大きいですね。1994年の作品であり、技術の進化を感じます。

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データ

脚本:ピーター・S・フィッシャー
監督:デニス・デュガン
制作:クリストファー・セイター
制作総指揮:ピーター・フォーク
音楽:ディック・デ・ベネディクティス

本編時間:92分
公開日:アメリカ/1994年1月10日 日本/1998年10月16日

あらすじ

政治評論家でラジオパーソナリティーでもあるフィールディング・チェイスには、義理の娘ヴィクトリアがいた。溺愛するばかりか病的な独占欲があり、彼女の行動をも束縛していたのだ。

チェイスの下で働く調査員ジェリー・ウィンタースは、ヴィクトリアの良き理解者であり、小説家になりたい夢を手助けしたいと考えていた。だがチェイスは、娘が小説家になることで、自分から離れてしまうことを考えると応援はできず、出版の決定を潰したのだった。

これに激怒したジェリーは、チェイスが過去に重ねた悪行を暴露し業界から追放させると言ったため、電話を使ったトリックで殺害を計画する。犯行時刻である『4時02分』に、自宅でジェリーと話をしている最中、何者かに殺害されたように見せかけるアリバイを作り上げたのだった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

今回の犯人:フィールディング・チェイス
役者:ウィリアム・シャトナー

吹き替え声優:矢島正明

概要:ラジオ番組「ナショナルフォーカス」のメインパーソナリティーの男性。義理の娘ヴィクトリアを溺愛するあまり、小説家になりたい彼女の夢を応援できず、出版の決定を握りつぶした。このことに激怒した調査員ジェリー・ウィンタースから悪行を暴露すると言われたため、電話を駆使したトリックで殺害し口を封じた。

ロサンゼルスにスタジオがあり、週末を除けば全米468局で毎晩放送される。内容としては視聴者から様々な政治的意見、持論、相談などを受け付ける。それに対し、チェイスが歯に衣を着せぬような(ハッキリとした物言い)で、毒舌とも言える返しをするのが人気らしい。

時折、ゲストを交え討論もするようで、今回のエピソードではマディソン議員がゲスト出演した。議員は間もなく選挙に立候補する予定であり、宣伝目的で番組に出演をした。これを潰すために、過去の様々な情報を集めて回る。一応裏は取りつつも、仕込みのリスナーに番組に電話を掛けさせるなど不正を働いていた。(裏を確認した情報者には、暴露しないと約束をする。しかし、番組内で結局暴露するなどもした)

こういった悪行を過去多数行っていたようで、ジェリー・ウィンタースから暴露すると言われる。口封じのために彼の殺害を計画した。なお、ジェリーのことは嫌いながらも腕利きの調査員として認めており、数年間で10数回はクビにして結局は再雇用している。

義理の娘にヴィクトリアがいる。昔、彼女の母親と恋に落ちたが別れてしまう。彼女はその後結婚したが、自身は心の隅に思いがあった。彼女の夫が死んだと聞き会いに向かうと、彼女もまたガンで余命数ヶ月の命であった。ヴィクトリアは10歳の時に引き取り全力で守ると誓ったらしい。

しかし、その行き過ぎた溺愛っぷり、病的な独占欲により彼女を縛り付けていた。娘の将来は私が考えると、小説家になりたいというヴィクトリアの夢をサポートするのではなく、逆に出版者に圧力をかけて潰そうとした。

これは「小説が公表されれば、叩く連中がいる。私を恨んでいる連中は多く、厳しい批評を受ける。私を傷つけるために(娘を)叩き潰してくる」そういった考えがあったからだ。ただ、これは娘の前だけでの発言である。

娘がいない際には、「文学で身をたてるなど夢物語」「愚作と評価してほしい。娘が芸術家気取りでパリにでも行かれたら困る」と、結局は自分自身の近くに置いておきたかったからである。

自宅は4年がかりで完成させた様子。大きなゲートがある入口。テニスコートにトレーニングルーム。さらには、傾斜を上り下りするトロッコまで完備している(コロンボ警部が乗っている)。山の奥にあり電波が届きにくいようで、衛星アンテナで東部びニュースを遅れて見ている。住所はマリブのゴールドクリークロードと話していた。

週末以外は、召使のマーサを雇っている。週末に休みにしている理由は、親子水入らずで過ごしたいとのこと。携帯電話は仕事で主に使用している様子。


今回の被害者:ジェリー・ウィンタース
役者:ジャック・ローファー

吹き替え声優:堀内賢雄

概要:調査員の男。チェイスによると、三流都市の二流紙から拾ったそうである。このことに対し、「おかげさまで、二流から無名になった」と皮肉交じりに返している。

ただ、言葉とは裏腹に調査の腕は素晴らしい。チェイスは彼を10回以上クビにしているにもかかわらず、やはり再雇用をする。自分でも「いっとくが、捜査の腕は一流だぜ」と、自他共に認める実力者だ。取材内容としては、「産業廃棄物問題」「議員への贈賄に関する調査」など行っていた。

ヴィクトリアとは良い友人関係であり、よく自宅でも仕事の話などをしていたようだ。彼女の義父であるチェイスが、病的なまでに支配欲が強く、ヴィクトリアを縛り付けていることが不憫でならなかった。彼女が小説家になりたいという夢を実現したいために協力をする。

友人のニューヨークにあるイングランダー出版社ルウ・キートンに、ヴィクトリアの小説を読んでもらう。ルウも彼女の文才を認め正式に出版を進めていた。しかし、ルウの上司がチェイスに圧力を掛けて出版を差し止められたようだ。なお、その上司はしばらくして辞職をしたらしい。

ゲイであり、前の彼氏は「マレイ」という名前の男性だった。現在の彼氏は、9日前から付き合っている『テッド・マロイ』という役者の男性だ。テッドは、昼の連続ドラマ『恋する女たち』に出演しているようで、デパートではサイン攻めにあうほどの人気ぶりだ。

家の合い鍵を持っていた人物は、コロンボ警部によると4人であること。「テッド・マロイ」「ヴィクトリア」……、残り2名は言及されていない。「自分自身」「前の彼氏マレイ」の2名?

小ネタ・補足

〇37話『さらば提督』で、コロンボ警部の部下『マック』を演じた、「デニス・デューガン」氏が監督である。

〇犯人の付け髭が場面によって形がよく変わる。

〇冒頭のラジオで、犯人フィールデング・チェイスが身に着けているネクタイは、前作『恋におちたコロンボ』で、犯人ローレン・ステイトンが、コロンボ警部にプレゼントしたモノと同一のネクタイである。

まとめ

テーマとしては『親離れできない父の犯行』というものでした。病的なまでな支配欲、子離れできない思想というものは考えものです。なぜそういった行動に出てしまったのかが、彼の生活歴にあるんですね。

義理の娘ヴィクトリアですが、犯人は昔に彼女の母親と恋に落ちたのですが別れてしまったと語っていました。彼女はその後結婚したのですが、自身は心の隅に悔いがあったんですね。彼女の夫が死んだと聞いて会いに向かうと、彼女もまたガンにより余命幾ばくか。

そこで義理の娘だけは守ると決心をしたのはいいんですけど、愛した女性への偏執的愛情が歪んだまま義理の娘にいってしまったのでしょうね。携帯電話を駆使したトリックであり、携帯電話の特性によりボロが出るのは見事でした。

以上、「4時02分の銃声」でした。

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