映画『GUILTY CONSCIENCE(ギルティ・コンサイエンス)』あらすじと感想

『GUILTY CONSCIENCE(ギルティ・コンサイエンス)』は、1985年に公開された映画になります。脚本を担当しているのは、刑事コロンボの原作者コンビでもある「リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク」です。ジャンルとしてはサスペンス(法廷物かな?)

主人公は刑事専門弁護士で、邪魔になった妻を殺害するため、『ギルティ・コンサイエンス=罪悪感』が生み出した、もう一人の自分自身と裁判を繰り広げるのです。その議題は「いかにして殺人を実行して無罪を勝ち取れるのか?」です。安全かつ、自分自身のアリバイが確保された殺人計画を考えるために主人公が奮闘するというお話し。

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データ

脚本・製作:リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク
監督:デビッド・グリーン
音楽:ビリー・ゴールデンバーグ
編集:パール・ケイシー
美術監督:ピーター・ウォーリー
撮影監督:スティーブン・ラーナー

本編時間:94分
公開日:アメリカ/1985年 日本/2011年2月25日

あらすじ

著名な刑事専門弁護士であるアーサー・ジェイムソンは、法律学校の卒業式で講演をするほどの名誉ある人物である。しかし、妻ルイーズから弱みを握られ多額の慰謝料を請求されていることから殺害を計画していた。彼が求めているのは、確実に殺害が可能で安全に無罪を勝ち取れる方法である。

何度も頭の中でイメージを繰り返し、もう一人のアーサーと裁判と称して議論を重ねながら、自らの計画の穴を指摘しては、新しい殺害方法の議論を行っていく。いつ、どうやって殺害をすれば犯人だと疑われずに完全犯罪を成立させることができるだろうか。

人物紹介

今回の犯人:アーサー・ジェイムソン
役者:アンソニー・ホプキンス

概要:腕利きの刑事専門弁護士の男性。邪魔になった妻を殺害するべく、あの手この手の完全犯罪を模索している。有能であるゆえに己の生み出した罪悪感と心の中で裁判を行い、犯行計画の穴を見つけては修正して今一つ行動には移さない慎重派ともいえる人物である。

しかし、浮気に関しては行動的であり、愛人「ジャッキー・ウィリス」や、美術商でカナダ人の愛人「ゲイル」があいる。今はゲイルに熱を上げており、『ジャパニーズ・ガーデン』という店で寿司を食べる約束をしていた。妻によると、自己中心的で、かなり浮気癖がすごいようだ。

自宅のリビングには、自身の肖像画が飾られており、裁判官の服装をしていた。自身のギルティ・コンサイエンス(罪悪感)との議論においては、ことあるごとに肖像画へ「裁判官」と声を掛けていた。ゆくゆくは裁判官になりたいという野望もあったのかもしれない。


今回の目標人物:ルイーズ
役者:ブライス・ダナー

概要:交通裁判官の娘。結婚生活は冷え切っており、昔は従順であったが、現在は彼への対抗意識が高まっている。婚前契約書には、末永く円満な家庭を築けると思っていたようで、離婚時に一銭も貰わないと契約を交わしている。しかし、離婚したいという思いが募ると、アーサーの様々な弱みを握る。周囲の友人にも離婚をしたいと話をして、示談金は5万ドルと自宅も貰うつもりらしい。(1985年1ドル:251円 5万ドル=1千255万円)

毎晩22:30に睡眠薬を飲んで入眠する。眠くなるまでの間は、本を読んで過ごすようだ。近視なのか?眼鏡を装着していた。酒はシェリーを好んでいる。健康とスタイル維持のためか、エアロビクスに通っている様子。

まとめ

脚本家は刑事コロンボの原作者である『リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク』が担当。主人公のアーサー役には、映画『羊たちの沈黙』のレクター博士で有名なアンソニー・ホプキンスさんが演じております。冒頭で主人公が語っていますが、『いかなる殺人も3つの部分で成り立つ。犯人、被害者、そして弁護士』と、3人からなる少人数で構成された密度の濃い作品でした。

「ギルティ・コンサイエンス」は、犯行計画を考え実行しようとする話が中心に展開されていきます。一見すると完璧な犯行計画ではないかと見ていて思うのですが、アーサーが頭の中で繰り広げる裁判では、自らの計画の穴を指摘して何度も計画を練り直し、完璧な犯行を目指していきます。

さて、「GUILTY CONSCIENCE」は、日本語で罪悪感と訳すことができ、作中で登場する裁判官を扮するアーサーは良心の部分になります。度々計画が失敗することを証明し、「完全犯罪なんて無理だからやめましょうよ」といった具合に諭していくんですね。

言語情報のみでの推理と会話劇が少し退屈にも感じるかも知れませんが、頭の中での妄想パート、実際の現実パートと交互に混じり合いながら進むストーリー展開は、妄想か現実なのかと曖昧になる感じだったり、徐々に様々な人間模様や伏線が重なり終わる幕切れの良さは圧巻です。

以上、「ギルティ・コンサイエンス」でした。

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