【VS.子鬼トリオ】NHKのEテレで放送された、「おじゃる丸」第9シーズン28話(748話)のエピソードになります。こちらは、タイトルからご察しがついた方がおりますでしょうか?過去、同じくNHKが放送をしていた「刑事コロンボ」のパロディになっています。
刑事コロンボは倒叙形式の作品になっており、刑事おじゃるンボでも倒叙形式になっていました。また、BGMがコロンボのOPのパロディだったり、台詞に至るまで原作をリスペクトした内容になっております。
ココが見どころ‼
〇元ネタはもちろん……。子供たちは視聴して分かったのか!?
〇刑事コロンボのオープニング音楽も完全パロディ!
〇映像を駆使した質の高いミステリー
データ
あらすじ
月光町にある大きな屋敷、応接間でいつものように掃除をする子鬼トリオ(アオベエ、アカネ、キスケ)だったが、脚立に上り照明の掃除をしていたキスケが、バランスを崩して落下してしまう。その際、柱時計を清掃中のアオベエにぶつかり、彼もまたバランスを崩し、花瓶の飾りつけをしていたアカネと衝突。はずみで花瓶は床に落ち、割れてしまったのだった。
その後、屋敷の使用人デンボが部屋に入ると、割れている花瓶を発見。すぐに月光町警察へ通報をした。現場に到着したのは、もじゃもじゃ頭の刑事「おじゃるンボ」だ。残された手がかりから、徐々に事件の真相に迫っていくのであった……。
人物紹介(吹き替え声優)
今回の犯人:アオベエ/アカネ/キスケ
声優:一条和矢(いちじょう かずや)
南央美(みなみ おみ)
職業:執事/メイド頭/執事見習い
動機・方法:過失
今回の捜査担当:おじゃるンボ
声優:西村ちなみ
職業:刑事
犯行計画
【花瓶を誤って割ってしまう】
①子鬼トリオは割ったことを黙認し、生けていた花を回収する。(午前)
②デンボが応接間に入ると、花瓶が割れているのを発見した。(昼)
推理と捜査
起承転結
※通常は三幕構成でまとめているのですが、本編時間が短く分断できませんでした。そのため、起床転結でまとめております。
考察
小鬼トリオはすでに花瓶を割ったことを話すつもりだったと証言しています。しかし、事件が大事になってしまい、言おうにも言えない状況になってしまいました。まず、午前中に花瓶を割ってしまった彼らは、屋敷にいる主人に謝罪をしようと考えましたが、ただ主人は不在です。そのため、直属の上司にあたる伝書ボタルのデンボに報告しようと行動に移したのではないでしょうか?しかし、デンボは午前に失恋をしたと話しております。つまり、おそらく屋敷にはいない状況にあったのです。午前中~昼の間、小鬼トリオは誰にも相談ができる状況におかれておりました。そして、失恋したデンボが応接間に入ると、割れた花瓶を発見しました。ここで、デンボは警察に通報をしてしまいました。こうなってくると、動転して言い出しにくかったのではないでしょうか?
つまり、デンボは仕事をさぼって女に会いに行っていました。デンボ真犯人といっても過言でないでしょう。
まとめ
倒叙作品なのですが、犯人の行動全ては描写がされておりません。犯人が分かった状態ではありますが、どうやって、おじゃるンボ刑事が犯人だと確信するのか?動かぬ証拠の提示が見事でした。
おじゃるンボ刑事がどうでもいい話をしているのですが、動作を見てみると、机の上に埃はないかと、少しばかり指を動かしていたり、さりげない仕草が上手かったです。
また、すでに冒頭から証拠が提示されていたのは気が付きませんでした。私も後半になり、刑事が指摘するまでは違和感を感じていませんでした。アニメーションというか、映像での倒叙作品の、大胆な証拠の隠し方だと感心しました。
この作品は、「マロのゆかいなせかい」に収録されています。「刑事おじゃるンボー危しっ!ー」という続編があるようなのですが、そちらはDVDでの発売はされておりません。再放送を見逃さないようにするしかないようです……。
以上、「刑事おじゃるンボ」でした。