相棒17『ボディ』刑事コロンボと酷似?エピソードを徹底解析

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【テレビ朝日】「相棒17~ボディ~二重の罠~」から引用

相棒17の初回エピソードは犯人の犯行から開始する2話編成の倒叙となりました。死体なき殺人がテーマであり、ふと思い出したのは「パイルD-3の壁」という、刑事コロンボのエピソードです。Twitter上でも「そっくり」との意見がたくさん投稿されておりました。

ただ後半からは一転し、「犯人当て」と「動機当て」に移行していきます。倒叙サスペンスからのミステリーへと変化していくのです。1話から2話の前半にかけては、コロンボのプロットに影響を受けておりますが、2話の後半からは違う作品として見ることができます
今回は1・2話と解析していき、コロンボとの類似点は最後のまとめに記載します。
※構成上【ネタバレ注意です

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ココが見どころ‼

〇相棒16最終回スペシャルに登場した、公安委員の三上冨貴江が殺人事件の隠ぺいを行う。

〇甲斐享(成宮寛貴)が回想シーンで登場。1話33分40秒~、2話54分40秒~

〇鬼束学園の顧問弁護士:善波圭介(土屋祐壱)の癖がすごい独特な口調。

〇杉下右京は離れ屋の基礎に遺体が埋められたという。遺体が出なければ辞職する。

※なお辞職は冠城亘の考案であり、その際の杉下右京の表情と返答は若干切れ気味。

データ

データ:詳しく見る
脚本:輿水 泰弘

監督:橋本一

制作:テレビ朝日

監修:桑田 潔

音楽:池頼広

本編時間:1話/70分 2話/56分

公開日:1話/2018年10月17日 2話/2018年10月24日

あらすじ+人物相関図

【1話】

国家公安委員を務める大学教授の三上冨貴江に、夫の父である鬼束鐵太郎から電話がかかってくる。しかし電話に出てみると鐵太郎ではなく、夫である鬼束鋼太郎が相手であった。どうしたのか伺うと、「親父を殺した」という趣旨の話であった。

鐵太郎は冨貴江の不倫写真を入手しており、それで冨貴江を自宅から追い出す準備を進めていた。鋼太郎はそれを阻止するために殺害したのだと話す。

もし、この事件が公になってしまえば、冨貴江は殺人犯の妻として現在の公安委員の地位を失ってしまう。それを避けるために事件を隠ぺいの共犯となる。鐵太郎を失踪に見せかけ遺体を隠したのだった。

【2話】

1度離れ屋を壊した際には遺体はなかったが、2度目の離れ屋の建設時再び杉下右京が現れる。「いったん調べの入ったここ以上に安全なところはない」と杉下右京の読み通り。今度こそ離れ屋の基礎に、鐵太郎の遺体が埋まっていた。

殺人の隠ぺいとして、三上冨貴江・鬼塚鋼太郎・鬼塚倖の3人が逮捕されることになるが供述が矛盾していた。三上冨貴江は鋼太郎が縄文土器で撲殺したと主張する。しかし、鬼塚鋼太郎と倖は冨貴江がソファークッションで窒息死させたと主張する。

たしかに冨貴江が事件現場を見た際には、縄文土器が散らばり、血が頭部から流れた鐵太郎の遺体でった。しかし、司法解剖の結果は頭部に外傷はなく、死因は窒息死であった。殺人の関与を否定する冨貴江に対し、特命係の2人は事件の真相探るべく捜査に乗り出す。

人物紹介

今回の犯人:鬼束倖谷村美月

職業:鬼束鐵太郎の妻

殺害方法:ソファークッションを使用し窒息死

動機:自由に使える金が欲しかったから

ネタバレ注意!
概要:今回の真犯人。元々は鬼束鐵太郎の通院する病院の看護士であったが、鐵太郎に誘われて在宅看護士として自宅に出向くようになる。その後、鬼塚家に住み込むようが便利ではないか?との鐵太郎からの提案により共同生活を送るようになる。

結婚までの過程はプライベートとの事で一切語らず。ただ、結婚の目的は”金銭目当て”である。しかし、結婚生活中は自由には金を使えず、好きでもない年老いた男性との生活を耐え切れなくなり殺害に至ってしまった。鐵太郎の失踪事件後には、曇った表情が晴々とし、高級衣類店などで30万円を使い込んだ姿が週刊フォトスに激写されていた。

鐵太郎との生活に耐えきれなくなり心の癒しとしてか?鬼束家の庭に出没した”アライグマ”をペットとして飼っていた。鐵太郎の殺害実行後は、お役目ごめんとばかりにアライグマを殺害。その血をアリバイ工作に利用した。アライさんはかわいそうなのだ……

なお、日本においてアライグマは害獣指定されており、本作品においてはフィクションでありアライグマをペットとして飼うことを禁止しているというテロップが最後に映されている。


今回の共犯:鬼束鋼太郎利重剛

職業:鬼束学園副理事 兼 成林大学学長

動機:鬼束倖に惚れていたため

ネタバレ注意!
概要:倖をかばい自分が殺人を犯したと最初に主張したことで、妻である三上冨貴江を事件隠ぺいに加担させた人物。

鬼束学園副理事と成林大学学長を務めるが、相当やることがなく暇であると本人は言う。そのため、広々とした自宅庭でドローンを飛ばしていたり、バイナリ―オプションで株取引をして60秒で100万円を損失している。なお負け越している方が多い様子。

新事業の企画・立案を図っているようだが、父である鐵太郎には猛反対されて副理事も学長も解任されそうになっている。作中においてはどのような新事業を考えていたのかは不明。

終始事件を楽しむかのような軽い言動が目立つがアドリブに弱いらしく、杉下右京の予想もしていなかった答えに対して、「答えを迫られてパニックになった」と本人は語る。倖によると「しどろもどろで、まったく要領を得なかったというか、理解不能というか……」と評価される。

しかし、今事件を複雑化したのは彼の考えた偽装工作によるもの。目の前で惚れた女性である倖が引き起こした殺人。さらに被害者は仮にも父親である。彼の言う”答えを迫られるパニックになる”状況において、万が一に備えて三上冨貴江を殺人犯として仕立てあげることができる事件現場に偽装して見せたのだ。

真意は不明であるが、愛する女性と共になるためには邪魔になった妻・三上冨貴江を排除しなければならない。あえて事件を発覚させ妻を逮捕させる。杉下右京に対する答えが彼の計画のうちだったとしたのならば相当の切れ者である。


今回の共犯者:三上冨貴江とよた真帆

職業:国家公安委員 兼 成林大学教授

動機:地位の保持

概要:詳しく見る
概要:現在の地位を保持するために、事件隠ぺいに加担することになる。国家公安委員の給料は年間報酬が2300万円以上貰えるようで、罪の意識よりも、金銭面と現在の地位保持が勝ってしまった様子。

趣味は縄文土器の収集。夫の鋼太郎によると、「縄文人に崇拝の念を抱いていてね」とのこと。ただし、大学の講義では”契約曲線”という数理心理学の分野を教えており、本人のゼミ内の本棚にも縄文時代に関する資料など確認できず、本人の学科とはまったく関係はない

知性と教養に満ちていると他者評価が多いものの、大事な公安委員の会議中には携帯の電源を切らずにマナーモードにする。公安委員の上司的立場にいる甲斐峯秋との会話中にも電話の電源を切っておらず、礼節度はやや低い。さらにそのことが元で特命係以外にも怪しまれることになっている。

事件解決編時には、倖と鋼太郎が不倫関係にあることを知り、「あきれた」と一蹴するが、忘れてはいけない。本人もまた、大学のゼミ生徒である中迫教之と不倫関係にあり、まさに、「あきれた」ブーメラン発言である。


今回の被害者:鬼束鐵太郎中田博久

職業:鬼束学園理事

概要:詳しく見る
概要:週刊フォトスの記事によると、身長:174cm 体系:やや太り気味 年齢72歳 人当りの良いやさしい老人との印象が強いがお金や規則には厳しいとのこと。

結婚歴は倖を含めて3度目。自宅にある多くの絵画は2番目の妻がコピー品ではあるが趣味で収集していた様子。3番目の妻である倖には自由に金を使わせなかったことから、2番目の妻との離婚原因は金遣いの荒さだったのではないだろうか?

ちなみに鬼束倖の年齢は31歳であり、特命係に配属された青木年男は「ジジイが若い子もらって長生きするはずがない」と根拠はないものの、一番最初に殺人を見抜いてみせる。

犯行計画

※時系列については画像参照

【計画的な殺人ではなく、鬼束鋼太郎による偽装工作が主になります】

①鬼束倖は鬼束鐵太郎をソファークッションで窒息死させる。

②それを目撃した鬼束鋼太郎は、倖を庇うため偽装工作を考える。

・縄文土器を遺体の近くで割る。

・倖がペットとして飼っていたアライグマを殺害。その血を鐵太郎の周りに撒き、撲殺されたように偽装する。

③倖を庇い鋼太郎が殺人を犯したと主張することで三上冨貴江を共犯として引き込んだ。遺体は自宅の竹林へ埋める。

④倖は警察へ鐵太郎が行方不明になったとして失踪届を依頼。

⑤警察が完成した離れ屋を破壊。離れ屋の再建時に、基礎部分に遺体を隠すことでコンクリートに埋められるのを待つ。

杉下右京とその他の疑問点

〇三上冨貴江は身内が行方不明の緊急事態だというのに警察からの特別対応を断り、一般行方不明者扱いでの対応を頼んだ。

〇鐵太郎が行方不明になった直後、離れ屋の建築と部屋のリフォームを実施した。また、部屋のリフォームについては当日ねじ込まれたものだった。

〇竹林に何か隠れてはいないか?という質問に対しての、鬼束鋼太郎の要領を得ない返答は怪しい。


公安委員長・鑓鞍兵衛の疑問点

〇公安委員会の会議中、何度も三上冨貴江へ電話が掛かってきていた。繰り返し何度も掛けるのはおかしな状況。普通なら伝言を残して折り返し掛けてくるのを待つ。また、電話に出た際に、「あなたなの」と言った。仮にも義理の父親(鬼束鐵太郎)相手にそのようなことを言うはずはない。


警察庁長官官房付・甲斐峯秋の疑問点

〇三上冨貴江と会話中、彼女の携帯に着信があった。そこに表示されている名前が行方不明中である鬼束鐵太郎であった。


※三上冨貴江の対応がずさんです。公安委員会中には殺人の1件は知らず対応がしきれなかったものの、鑓鞍兵衛が有能さが伺えます。この疑問点が特命係の事件解決への一歩を早めました。また続く、甲斐峯秋にも携帯の着信画面を見られるという失態は冨貴江の無能を露見しています。2件の気づきはいずれも携帯から足がついており、核心に迫るものです。

杉下右京よりも今回の事件においては、他者の優れた観察眼が勝っている印象です。

三幕構成

コロンボとの類似点

今回の相棒のエピソードと、コロンボ「パイルD-3の壁」の焦点となるのが、「死体なき殺人」ということになります。遺体をどこに隠したのか?これが、ポイントになります。コロンボの場合は、遺体は「ビル建築の基礎」に埋めました。相棒の場合は、「離れの小屋の基礎」になります。どちらも、「遺体は建物の基礎」に埋めようとしたことが類似点の1つになります。

上記画像の三幕構成を比べました。相棒の1話と2話の前半を繋ぎ合わせてみると、丁度遺体の発見までの時間は80分です。刑事コロンボのパイルD-3の壁は76分間の放送時間なので、プロットはほぼ同じように思えます。

また、基礎に埋まっていた遺体を発見した時の台詞も似ています。どちらのエピソードも、刑事に1度基礎を掘り返させました。しかし、まだ遺体は基礎に埋めていなかったので、何も出てきません。掘り返した後に、遺体を埋めるという行為も同じです。

杉下右京「いったん調べの入ったここ以上に安全なところはない」

コロンボ「あんたが欲しいのは間違っても見つからない場所だった。それなら1度捜査を受けたところは打ってつけだ。それも手続きが面倒な場所ならなおさらだ」

相棒17「ボディ」の犯人である、国家公安委員の三上冨貴江は、大学で講義をしています。刑事コロンボ「パイルD-3の壁」の犯人である、建築家エリオット・マーカムも大学で講義をしています。ここも狙った?

まとめ

2話の後半からは一転し動機解明と犯人当てと流れになり、別の事件として新しく捜査が開始されることになりました。相棒1話と2話の前半を繋ぎ合わせると、間違いなく刑事コロンボ「パイルD-3の壁」のメインプロットになります。

”オマージュ”という言葉を送り、相棒17「ボディ~二重の罠」を締めさせていただきます。