刑事コロンボ 47話『狂ったシナリオ』そんな脚本は闇の彼方へ

新・刑事コロンボ 47話 狂ったシナリオ
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【VS.映画監督】若い犯人と老年の刑事。その対比は新シリーズの特徴といえます。若手映画監督であるアレックス・ブレイディのモデルは、「スティーヴン・スピルバーグ」とされています。新シリーズの監督をしてみたいと語っていたようです。しかし残念ながら、スケジュールの都合でそれは叶わなかったようです。

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データ

脚本・製作総指揮:リチャード・アラン・シモンズ
監督:ジェームズ・フローリー
制作:スタンリー・カリス
製作総指揮スーパーバイザー:ウィリアム・リンク
共同製作総指揮:ピーター・フォーク
ストーリー監修:ジャクスン・ギリス
音楽:パトリック・ウィリアムズ

本編時間:95分
公開日:アメリカ/1989年2月27日 日本/1993年6月4日

あらすじ

若手映画監督アレックス・ブレイディがいる撮影スタジオに来た、学生時代の友人レニー・フィッシャーからフィルムを手渡される。再生すると、かつてアレックスがアマチュア映画のワンシーンを撮影する際に起きた、レニーの妹がスタント中にバイクで事故を起こす映像だった。

その頃、アレックスの自主製作映画が評価され、監督としてデビューする話が持ち掛けられていた。スタント中に事故が起きたとなると、機会が失われてしまうと考えた彼は、ジェニーを見殺しにしてその場を立ち去っていたのだ。その結果、バイクの単独事故として処理されていた。

レニーはこの事実を告発し、アレックスの現在の地位を失墜させるという。アレックスは動画はねつ造されたものだと主張し、その晩まで映画スタジオにいるように促す。言葉巧みに電流が流れる鉄の門に触れさせ感電死させると、遺体を海岸まで運び顔面を潰した。身元不明の遺体にすることで、自身への繋がりを断ち切ったのだった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

今回の犯人:アレックス・ブレディ 
役者:フィッシャー・スティーヴンス

吹き替え声優:池田秀一

概要:特撮映画を得意とし、多数のヒット作を送り出す若手映画監督。ハルステット大学時代、友人のバディ、レニーと共にアマチュア映画撮っていた。その作品が映画会社プロデューサーであるダニエル・マロスコに見いだされ、映画監督としてデビューを果たすことが決まる。

しかしその矢先、アマチュア映画の撮影中バイクでのスタントをしていた、レニーの妹が事故を起こし瀕死の重傷を負う。このことがダニエルに知られたら、映画監督として起用してもらえるチャンスを失うと考えた彼は、彼女を見殺しにしてその場を去った。後にバイクでの単独事故と報じられる。

その事故の映像フィルムを、一緒に撮影していたバディが所有していた。それをレニーに託していたのだ。事件の真相を告発するというレニーを、彼は言葉巧みに翻弄。スタジオセットの大通り(ブランストーン)にある、鉄の門の前まで誘導。散水車で地面を濡らしており、電流を流している門に手を触れさせると感電死させたのだった。

雇われの映画監督であるが、スタジオ内にボーイズ・クラブという名を付けた専用の住居をもっている。鉄道のおもちゃ、人をダメにするクッション、ウォーターベッド、コカコーラの自販機、クリームソーダを作れる蛇口などを完備している。

女優ルース・ジェニーと恋人関係にあったが、「ブライアント」という俳優とルースが現在は付き合っている。ルースとブライアントとの出会いは、ニューヨークから飛行機に乗ってきたとき、タクシーがなかった。そこへ偶然1台のタクシーがやってくる。しかし、そのタクシーは途中で故障してしまう。運転手が電話を借りに近くの自宅に入ると、そこはアレックスの映画に出演する予定のブライアントの家だったのだ。

そこで、自身もアレックスの映画に出演することを知り意気投合。恋へと発展したのだが、あまりにも出来過ぎており、ルースは後にアレックスが仕組んだ芝居だと気付く。アレックスにとっては、ルースと早く穏便に別れたかったのである。

光と影、現実と幻想、本当と嘘……など、相反する言葉を並べて相手を翻弄させることが多い。「アレックス・ブレイディのフィルムの世界」を出版している。3Dホログラムを駆使した作品を作ろうと画策もしていた様子。本を読み際は、端を折り曲げ、しおりにする方法をとっているとのこと。


今回の被害者:レニー・フィッシャー
役者:ジェフ・ペリー

吹き替え声優:星野充昭

概要:かつてアレックス、バディと共にアマチュア映画の撮影を行っていた友人。現在はオルバニーにあるメンズウェアの洋品店に務めている。

先週バディが肝炎で死去し、最後に渡したいものがあると16㎜フィルムを受け取る。それを主流となっている35㎜フィルムにしてもらい中身を見てみると、1つ年下の妹ジェニーのバイクでの事故死の映像だった。

事故当日は、バイクのローンを払う為にスーパーでアルバイトをしていた。当初は単独での事故死だと報道されていたが、実際はアレックスとバディがバイクでのスタントを映していた。事故を起こし、瀕死になっている妹をアレックスが見捨てたことを知ると、彼の復讐が渦巻く。

アレックスを知るべく、「アレックス・ブレイディのフィルムの世界」を読む。そして、どうやってか彼への直通電話も調べ上げた。職場には歯医者に行くと1日だけ有給をもらい、オルバニーからロサンゼルスまで飛行機で移動をした。そして21ドルを支払い、スタジオ見学ツアーに心底興味なさそうな顔をしながらアレックスを探したのだ。

アレックスを見つけると、あらゆるテレビ局、報道紙に大々的にこの事実を告発することを伝える。面として宣言したかったのだろう。妹を見殺しにした男に。しかし、結果として口封じのために殺害されることになる。

コロンボによると、遺体は海岸から発見された。高圧電流により神経はズタズタになっており、顔面が身元が分からないように鈍器のようなもので潰されていたとのこと。(ひどい!)

ベルトは、裏側はジッパーになっている「マネーベルト」を使用していた。中には100ドルのトラベラーズチェックをしまい、盗難に気を付けていた。履いていた靴は、ポルトガル製の安値の靴らしい。本はしおりを挟みこむタイプらしい。1989年2月:1ドル=127円 100ドル=12.700円

まとめ

オルバニー警察が凄く頑張っているエピソードだと感じました。

①コロンボがベルトの中から、旅行者用の小切手を発見。それをオルバニー警察は番号からレニー・フィッシャーと割り出し、免許証を送ってくれた。

②オルバニー警察が勤務先からレニーの動きを教えてくれた。また、自宅にあった物品を全てリストアップしてくれ、乾物が入っていた缶の中から16㎜フィルムを発見。

コロンボもいっていましたが、非常に協力的なオルバニー警察でした。

また、アレックスが敗北を確信。その際に、スポットライトやコロンボが衣装変更するなどかなり派手なものになっています。これは、映画監督であるアレックス・ブレイディが、「もし自分がこのシーンを担当したならば」きっとこういう演出にする……。なんて、彼の頭の中の映像がそのまま動画になったのかも知れませんね。

以上、48話「狂ったシナリオ」でした。

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