刑事コロンボ 48話『幻の娼婦』皮肉な変装殺人

新・刑事コロンボ 48話 幻の娼婦

【VS.セックスカウンセラー】女性犯人による、男性への復讐劇になっております。今回のエピソードは、性交渉についてワードが多くなっております。脚本家は、ピーター・S・フィッシャー氏です。担当した、第22話「第三の終章」でも、性交渉について発言する犯人が登場しましたね。犯人の職業も職業なだけに、拒絶してしまう人も多いようです。

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データ

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脚本:ジェロルド・L・ルドウィッグ

監督:ジェームズ・フローリー

制作:スタンリー・カリス

製作総指揮:リチャード・A・シモンズ

製作総指揮スーパーバイザー:ウィリアム・リンク

共同製作総指揮:ピーター・フォーク

ストーリー監修:ジャクスン・ギリス

音楽:パトリック・ウィリアムズ

本編時間:94分

公開日:アメリカ/1989年4月3日 日本/1993年7月2日

あらすじ

セックス・カウンセラーのジョーン・アレンビーは、「愛と性」に関する悩みを心理学者の視点から解決し、ラジオ番組や本も出版する著名な人物であった。豊かな性交渉を語るためには、自身も豊かな性交渉を行う必要があり、愛人にデヴィッド・キンケードがいた。

ある日、愛人のデヴィッドと、秘書シンディ・ゴールドが愛を交わっているのを目撃してしまう。それだけではなく、2人は自身を女性としてバカにするような会話をしていた。プライドを傷つけられた彼女は、デヴィッドの殺害を決意する。

音楽会がある日、デヴィットにカクテルラウンジに来るように促すと、ジョーンは『娼婦』に変装して、彼をクリニックの診察室で射殺し、抜け出したコンサート会場の化粧室で再び変装を解いた。
後日、警察は殺人事件として消えた娼婦を追うのであった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

主犯今回の犯人:ジョーン・アレンビーリンゼイ・クローズ

吹き替え声優:鈴木弘子

職業:セックスカウンセラー

殺害方法:銃殺

動機:復讐

概要:詳しく見る
セックスカウンセリング専門の診療所を経営している、心理学者の女性。ラジオや本を通し、豊かな性交渉を行うことの大切さ、愛の自由を語っている。ラジオ番組は朝10時から放送している、「ベスト・カップルズ」という名前で、「愛と性に関する」ことを、心理学者の視点で悩み解決するという人気番組である。

シカゴへ飛行機に乗り、講演の仕事に行く予定だったのだが、濃霧のため出発は見合わせとなる。クリニックに戻ってみると、秘書シンディ・ゴールドとデヴィッドが性交渉中であり、さらに自分のことをバカにしていることを知る。これにより、自分を裏切ったデヴィッドの殺害を計画する。

デヴィッドへはプレイの一環として、「娼婦リサ」に変装して会った。普段の自分とは違った一面を全面に出すことができており、「自信たっぷりですごく目立っていた」と、待ち合わせ場所のカクテルラウンジのバーテンダーは語る。

普段のジョーンを酷評していたデヴィッドも、魅力的な女性と語っていた。普段からリサとして立ち振る舞う事ができたのならば、彼がシンディに愛想を尽かすこともなかったのかもしれない。

殺害に使用した凶器は、「リサ・プレスコット」の名目で購入していた。著書に「娼婦コンプレックス(女性はだれでも娼婦になりたがっている)」がある。愛用しているハンドバッグは400ドルらしい。変装に購入した衣装は計1500ドルはしたそうだ。
1989年4月:1ドル=132円 「400ドル=5万2千8百円」「1500ドル=19万8千円」


被害者今回の被害者:デヴィッド・キンケード(スティーヴン・マクト

吹き替え声優:堀之紀

職業:弁護士

概要:詳しく見る
ジョーン・アレンビーの愛人の男性。彼女との付き合いは3年になり、テレビ番組やラジオの契約をとったりもするビジネスパートナーでもある。しかし、ジョーンの秘書であるシンディ・ゴールドとも愛人関係にある。ジョーンのいない所では、「腐りかけのプティング」と酷評している。

しかし、「娼婦リサ」に変装したジョーンに対しては、「こんなに美味しそうに見えたのは初めてだ」と好評。また、事前にどんなプレイをしてみたいかとジョーンが提案したのは、「悪魔と奴隷」、「女校長と聖歌隊の少年」など、嬉しそうに聞き入っていた。M体質なのかもしれない。

所持品にはボールペンがあり、形状から、「モンブランP164」だと確認できる。また、クリニックのガードマンの男性に、隙間時間に司法試験の勉強をする大切さを語っていたことから、弁護士資格を獲得しているようだ。

まとめ

刑事コロンボは、濡れ場などがほとんどなかったのですが、今作品から徐々にそういったシーンが増えていきます。こういった点から、新コロンボを敬遠してしまった。なにか違うと感じたファンも多くなっていったのではないでしょうか?

また、秘書シンディは、飛行機内での睡眠薬代わりにと「アガサ・クリスティー」の小説をジョーンに渡しました。13話「ロンドンの傘」でも、犯人の舞台俳優ニコラス・フレイムは、「(アガサクリスティー)あんな田舎芝居になんて出られるか!」と、怒るシーンがあります。コロンボのスタッフは、アガサ・クリスティーのことは、どうにも嫌いなようです。

コロンボのチューバの演奏で、噴水に合わせて音楽が流れたり、44:57~「でもマッチがマッチしない」カクテルラウンジのバーテンダー渾身のギャグとか好きです。変装に使用した衣装を入れたバッグ。それをコロンボが手に取るやり取りはサスペンスでした。

以上、「幻の娼婦」でした。