【VS.CIAエージェント】表の顔は経営コンサルタント。裏の顔はCIA西部支部長で2重スパイ!まさに変幻自在の仮面をかぶった犯人が2回目の登場、「パトリック・マクグーハン」です。さらには、今回のエピソードの監督も兼任しているのだから、多芸なお方です。
祝砲の挽歌では厳格な軍人役の犯人でしたが、今回はどこかユーモラスな人物です。初見で見た時には、パトリック・マクグーハンが役者だとは分かりませんでした。わたしだけ?
データ
脚本:ウィリアム・ドリスキル
監督:パトリック・マクグーハン
制作:エヴァレット・チェンバース
ストーリー監修:ピーター・S・フィッシャー&ビル・ドリスキル
音楽:バーナード・セイガル
本編時間:98分
公開日:アメリカ/1975年11月2日 日本/1977年9月24日
あらすじ
CIA西部地区責任者ネルソン・ブレナーは、死んだと思っていたエージェント「ジェロニモ」が現れて驚く。かつてネルソンと相棒のジェロニモは、CIAの立場を利用して2重スパイで荒稼ぎしており、彼はその時の分け前を要求し、もし断ればスパイ活動をバラすと脅したのだ。
ネルソンは支払いを承諾すると、新しく大金が入る仕事をしてみないかと誘った。その仕事は、スタインメッツという男から、海軍の暗号が入ったマイクロフィルムを買い取るというものだった。その晩、ジェロニモとスタインメッツから指示を受けたメルヴィルは商談を済ませる。
ジェロニモは帰路につこうとすると、待ち伏せをしていたネルソンから撲殺される。待ち合わせ場所に指定した海岸は「追いはぎ天国」と呼ばれ、強盗の聖地と呼ばれていた。強盗の犯行に見せかけると、次の日にはテープレコーダーを駆使した完璧なアリバイも作り上げたのだった。
人物紹介(キャスト/吹き替え声優)
今回の犯人:ネルソン・ブレナー
役者:パトリック・マクグーハン
吹き替え声優:佐野浅夫
概要:表の顔は経営コンサルタントで、裏ではCIAエージェントをしている男性。3年前に南米某国で2重スパイを行い、300万ドルを荒稼ぎしている。その時の相棒が、「ジェロニモ」である。彼は死んだと聞いていたが生きていたため、さぞかし驚いただろう。ジェロニモから、2重スパイをしていたネタをちらつかされ金銭を要求される。このことがCIAにばれたら一貫の終わりであるために、強盗に殺されたように見せかけ殺害した。(1975年11月1ドル=302円 300万ドル=9億6百万円)
広告業界の社長からは敏腕と評価されている。スピーチの原稿執筆や、各方面にも顔が広い。裏の顔は、CIA西部支局長をしているかと思えば2重スパイだったりと、まさに仮面を被った男である。
ジェロニモと仕事の依頼を確認した場所は、名探偵コナンよろしく遊園地である。「秘密の会話に秘密の場所を選ぶな。俺は遊園地という場所に不思議と心惹かれるんだ」と語る。
仕事の内容は、スタインメッツから依頼を受けた取引相手(メルヴィル)から、海軍の暗号が入っているマイクロフィルムを受け取ることであった。この仕事内容はネルソンが仕組んだものだと思われるが、CIA部長のセリフによると、スタインメッツ氏は存在するようなそぶりを見せる。
自宅はヘリポートとプールを完備。4チャンネルスピーカーを搭載した最新の音楽機器もある。ロックやクラシック、ポップスなど幅広いジャンルを網羅している。車で聞いていた音楽はジャズである。
自宅にある絵はすべて本物で、応接間にある絵は1761年にオーストラリアで書かれた、『アメリカ大陸の発見』だ。ギャンブル好きなようで、バッグギャモンにポーカー、麻雀まである。
15年前の朝鮮戦争では、T-33シルバースターに乗り3つの勲章を獲得。英雄と呼ばれ、その後バイエルン大学を卒業。ニューヨーク州立大学とコロンビア大学では理事を兼任しマルチに大活躍している。
朝鮮戦争中は髪がフサフサであったが、今ではだいぶ頭皮が後退しているようで、かつらを被っているとのこと。これを利用して、年老いた老人『スタインメッツ』に変装した。
原稿執筆はタイプライターなどは使用せずに、レコーダーに声で録音する方法を使用している。遊園地では射的ゲームに興じて、ジェロニモと共に全発命中させている。景品のクマのぬいぐるみは、「アーチボート」と名付けて、少女にプレゼントした。
今回の被害者:ジェロニモ
概要:レスリー・ニールセン
吹き替え声優:家弓家正
概要:CIAエージェントの男性。コードネームは『ジェロニモ』であり、現在は広告会社社員A・J・ヘンダーソンの名前を借りている。死んだと思われていたが、追手2名を返り討ちにしており、部長の指示で死亡していたように見せかけていた。3年前、南米某国でネルソンとともに2重スパイを働いた。この時の分け前を回収するため、ネルソンと再び接触したのだった。
いつも上着の下にショルダーホルスターを装着し銃を持ち歩いている。射撃の腕はさすがは本職。遊園地の射的ゲームの的を全てヒット(ネルソンもすべてヒット)させた。射的ゲーム屋の店主によると、全発命中は半年に1回出ればいいとのこと。
ネルソンは景品としてクマのぬいぐるみを持って帰ったが、彼は断っている。クマのぬいぐるみは1個20ドルであり1日2個も取られてしまうと赤字だったようで、「気前の良い男だったよ」と店主は語る。(1975年11月1ドル=302円 20ドル=6040円)
ネルソンとは1967年にもコンビを組んでいたようで、その時はガチャガチャに隠されたフィルムを回収するなど楽しそうなことをやっている。
スタインメッツから待ち合わせ場所近くにあるダンスバーを指定されると、タバコの自販機が壊れたと嘘をいい、60セントをかすめるなどせこい面もある。「金になる仕事」と、ネルソンから受けたスタインメッツに関する依頼も快諾しており。金に困っていたのかもしれない。
本物のヘンダーソン氏は、世界中にある支社が効果的に機能しているかを調べる仕事をしている。コネチカットに住み、毎日ニューヨークに通っているようだ。
小ネタ・補足
〇犯人が変装した『スタインメッツ』は、23年後のエピソード、67話『復讐を抱いて眠れ』の犯人に似せている。どちらの監督も、犯人を演じた『パトリック・マクグーハン』が担当しており、ファンへのサービスである。
〇ラストのオチに関して笑いどころが難しい。『※通りすがり』様より、コメントにオリジナル版(英語)のオチに関しての投稿をいただきました。犯人[In the games.Mah-jong]コロンボ[Mah-jong.]の意味が分かりやすいです!
オリジナル版(英語)
コロンボ「Would you like to hear something funny?」
犯人「I’d love to」
コロンボ「Today,the Chinese… they changed their minds.」
犯人「Did they,again?」
コロンボ「They’re back in the games.」
犯人「In the games.Mah-jong」
コロンボ「(笑)Mah-jong.」
まとめ(吹き替え版のオチの解説)
犯人が犯行を認めるときに、コロンボがこんな小話をしようとします。笑いどころはどこか?と迷う方が多いのではないでしょうか。
吹き替え版
コロンボ「笑い話があるんですよ」
犯人「ぜひ聞きたいね」
コロンボ「ある日ポーカーとね。麻雀が賭けをした」
犯人「どうなった?」
コロンボ「はじめはポーカーが優勢」
犯人「ところが後半、逆転」
コロンボ「そのとおり」
最初に視聴した際の自分なりの解釈を書きますと以下になります。
犯人は賭け事が好きな人物で、自宅には麻雀セットとポーカーがありました。そこで初めてコロンボ警部は、麻雀という中国のゲームがあると教えてもらいます。その後、事件解決の決め手が「中国のとある表明」に繋がります。
コロンボ警部は、『麻雀=中国』にかけた洒落を思いついたのでしょう。賭け事(刑事が逮捕できるか犯人が逃れられるかの勝負)をする、「コロンボ=麻雀」「犯人=ポーカー」と見立てました。(シンプルに麻雀が中国、ポーカーがアメリカでもいいと思います)
(はじめは)犯人側のアリバイがある限り(ポーカーが)優勢でした。(ところが後半は)最後の最後でそのアリバイが「中国」に関する事柄で崩れ、コロンボ警部(麻雀)が逆転したのです。
『ポーカーと麻雀どちらが勝ったのか理由を説明せよ』というクイズ形式であり、犯人は中国=麻雀に例えているのだとすぐに仕組みを理解したので、その答えを犯人から先に言われてしまい、コロンボ警部は「そのとおり」としか言いようがなかったのです。
コロンボ警部はこのようにイメージしていたのかも。
コロンボ「笑い話があるんですよ」
犯人「ぜひ聞きたいね」
コロンボ「ポーカーと麻雀が賭けをした。はじめはポーカーが優勢。ところが後半…」
犯人「(考える)んーわからない。コロンボくん、どちらが勝ったんだい?」
コロンボ「(笑)麻雀です。だってあなたのアリバイは中国の参加表明で崩れたでしょう? 麻雀は中国のゲームですからね」
犯人「なんだ、そういうことか(笑)」
日本語字幕版
コロンボ「笑い話を」
犯人「聞きたいね」
コロンボ「中国人が心変わりを」
犯人「またか」
コロンボ「参加表明を」
犯人「どうかね……(少し間の考える)麻雀でも」
コロンボ「(笑)なるほど」
犯人「コロンボ君。中国はオリンピックじゃなくて、麻雀のゲームに参加表明をしたんだろう」と言いたいのだと思いますが、略しすぎたために、さっぱり機能していない字幕になっています。
ノベライズ版
コロンボ「ブレナーさん。笑い話があるんですよ」
犯人「ほう?ぜひ聞きたいね」
コロンボ「今日、中国人が気を変えたそうで、ゲームに参加するそうですよ」
犯人「ゲームに?麻雀のだろ?」
コロンボ「わかっちゃいましたか」
逮捕の決め手が『オリンピックの参加表明』に関することです。
コロンボ「中国が参加しないっていってたんですけど、やっぱり参加するみたいですよ」
犯人「えっ!?そうなんだ!!」
コロンボ「麻雀のですよ(笑)」
犯人「そっちかよ(笑)」
みたいなリアクションを期待して、犯人を騙そうとコロンボが悪だくみますが、犯人にあっさりと見抜かれてしまうというオチになります。
他のブログを書いている方の解説については『仮面の男のオチを解決しよう』にまとめました。面白い解釈として、英語版のオチは世界情勢に絡めた内容だったのではないかなど考察されています。かなり深いジョークだったんだ!
以上、34話「仮面の男」でした。
