刑事コロンボ 57話『犯罪警報』第2回間違い探し

新・刑事コロンボ 57話 犯罪警報

【VS.番組司会者】邦題『Caution : Murder Can be Hazardous to Your Health』➡『殺人はあなたの健康に危険を及ぼす可能性がありますという、日本語訳になります。今回の殺人事件は、タバコを用いた殺人であり、タバコ箱にも書いてあるような注意書きをもじった、ユーモアのあるタイトルで好きです。

犯人役には、31話「5時30分の目撃者」の犯人役だったジョージ・ハミルトンです。今回のエピソードでは非喫煙者であり、ある意味メタ的な配役です。

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データ

スポイラーのタイトル
脚本:ソニア・ウルフ&パトリシア・フォード&エイプリル・レイネル

監督:ダリル・デューク

制作総指揮:ジョン・エプスタイン

共同制作総指揮:ピーター・フォーク

ストーリー監修:W・R・ウッドフィールド

音楽:ジョン・カカヴァス

本編時間:90分

公開日:アメリカ/1991年2月20日 日本/1995年10月20日

あらすじ+人物相関図

司会者ウェード・アンダースが案内役の「犯罪警報」は、過去の未解決事件を番組で再現し、視聴者に情報提供を呼びかけるリアルドキュメント番組だ。放送されると、たちまち全米で注目を浴びる人気番組となり、それまで無名だった彼はスターになった。

それを快く思わないのは、ニュースキャスターのバド・クラークだ。本来ならば「犯罪警報」の司会者を担当することになっていたが、ウェードはテレビ局の上層部に不利な噂を流し、司会役に抜擢されていたバドを蹴落としていたのだった。

ある日バドは、犯罪警報の放送を間近に控えるウェードの楽屋に「いいネタを仕入れた」と現れる。それは、ウェードが無名時代に出演したポルノ映画のビデオについてだった。相手の女優は未成年であり、クリーンなイメージのウェードにとって、これが明るみになればお終いである。

バドは、番組を降板し役目を譲らなければ自分のニュース番組で暴露すると脅す。ウェードは監視カメラの映像を編集しアリバイを作ると、ヘビースモーカーのバドに、高濃度のニコチン毒を染み込ませたタバコを吸わせ薬殺。心臓発作での突然死に偽装したのだった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

主犯今回の犯人:ウェード・アンダースジョージ・ハミルトン

吹き替え声優:小林勝彦(こばやし かつひこ)

職業:テレビ番組司会者

殺害方法:毒殺(硫酸ニコチン

動機:口封じの為

概要:詳しく表示する
KRVAテレビ局の番組「犯罪警報」司会者の男性。無名時代に1度、『ホリーヒューストンを総なめ』というタイトルのポルノビデオに出演した過去がある。出演女優は未成年であり、バド・クラークから司会を降板しないと暴露すると脅される。ポルノビデオ出演はクリーンなイメージを通してきたキャラ的にも致命傷であるため、タバコを用いた殺害を計画した。

番組内容は、過去の未解決事件を再現ドラマにして視聴者に情報提供を呼びかけることである。全米で注目を浴びる人気番組になり、市民が犯人逮捕に手助けをする自警団となるという、まさに犯罪に対する警報である。現在までに32人の凶悪犯逮捕に至っている。そんな、視聴率は絶賛好調な番組を作るスタッフは去年までローカル番組を制作していたようだ。

ウェード自身も、司会者になる前は警備員であった。警備員だった彼が司会役に抜擢されたのは、テレビ局の上層部に、内定が決まっていたバド・クラークが不利になるような嘘の情報を流したためだ。そして、上層部の人物たちに頼んで司会役に抜擢されたらしい。

殺害方法はタバコに毒を染み込ませ、ヘビースモーカーのバドが心臓発作で病死したように偽装することである。しかし、自身はタバコはまったく吸わないため、とあるタバコの特性が知らなかったことで、愛煙家のコロンボ警部から早々に他殺であると見抜かれてしまう

オフィスの机は、100年前のアンティークを使用している。また、玄関には監視カメラを設置しており、ビデオ2本を上書きしながら録画をしていた。この、監視カメラの映像を編集することで、犯行時刻は、オフィスにいたアリバイを作り上げた。犯罪警報の映像をスタッフたちと確認中、後で編集もしたいと話しており、こういったことは得意だったようだ。

犯罪警報の司会者で人気に火が付き、雑誌「セレブリティー・プロファイル」のインタビュー掲載や表紙を飾ったり「テレビ大賞」や「警察友の会」の司会も頼まれた。その際の衣装に関しては、イタリア製のワイシャツを着ていた。本人によると、300ドルぐらいだそうだ。

車に関しては、特注の色で塗装をしている。コロンボの車と接触した際には、塗装をし直すので2000ドルはかかると話した。スタンダードのグレーにも見える色だが、スモークド・シルバーという色らしい。車をぶつけられ、イライラしていたのか、コロンボの車を足蹴にした。また、近眼のようである。書類を見たり、映像の編集をしている際はメガネを装着している。


被害者今回の被害者:バド・クラーク(ピーター・ハスケル)

吹き替え声優:麦人(むぎひと)

概要:詳しく表示する
KRVAテレビ局のニュースキャスターの男性。19年のキャリアがあり、本来ならば「犯罪警報」の司会者として抜擢されていた。ウェード・アンダースからテレビ局上層部に根も葉もない噂を流され、司会役から降ろされてしまった。そんなウェードを司会役から降ろさせる方法は、彼が無名時代にポルノ男優として出演していたことを暴露することであった

ポルノビデオの発見経緯は、古い友人である「アーニー」が、店の裏にある倉庫で、たまたま見つけたことがきっかけだ。バドとアーニーは、かつて軍隊で一緒だったようである。アーニーは現在、ハリウッドに「アーニーズ」というアダルトショップを経営している。

ニュースキャスターとしては、23時に自身の番組をもっている。ニュース原稿は、ほとんど自分で書いているようだが、急がしい時は、秘書リザ・マコーミックがメモして渡しているようだ。報道局の原稿書式は決まっているようで、タイトルは全て大文字で打ち込んでいる。

ニュース原稿のネタとしては「1号線の悪夢」「ペンタゴン緊急事態」「カルト教団の秘密」など、内容は不明であるが、オカルトチックなタイトルが並んでいた。メモ代わりに、テープレコーダーをどこかに行く際は、必ず携帯していたようだ。

読書好きなようだが、多忙な生活であり本を読む暇がなかった。そのため、オーディオブックを聞いている。また、テープレコーダーに吹き込んだメモも聞いている。オーディオブックは「推定無罪」「ウェストサイド物語」。ロックバンド「トンプソン・ツインズ」のCDもあった。

自宅では、犬の「シーバ」と共に暮らしている。平日の日にはメイドが来ていたようだ。かなりのヘビースモーカーであり、1日に4箱(80本)は吸っているとのこと。愛煙しているタバコは「VICTORI KING」という銘柄で、作中限定である。

犯行計画

【自身のオフィスにある監視カメラの映像を編集しアリバイを作り、ヘビースモーカーのバド・クラークが心臓麻痺で病死したように偽装】

①ウェード・アンダースはオフィスに戻ると買ってきたタバコ2箱を取り出す。ゴム手袋を装着し、タバコに火をつけ灰皿にのせる。その間、もう1箱のタバコを開ける。その中の1本に、ニコチンサルフェートを垂らす。燃え尽きる前のタバコ(5本)/灰を回収し、ビニールパックに移した。

②翌日、オフィスで監視カメラの映像を編集する。昨夜のオフィスから出ていく映像と、今朝オフィスに入る映像を繋ぎ合わせた。これで、犯行時刻にはオフィスから出て行っていないというアリバイが完成する。また「Escape to death(死への脱走)」というタイトルの文書が入ったフロッピーディスクを、上着のポケットに入れておく。

③ウェードは約束していた時刻(18:00)に、バド・クラークの自宅に向かう。ビデオの確認を促し、準備をしている時にタバコの箱をすり替えた。毒入りのタバコを吸いバドは心臓発作を起こし死亡した。

④デスクにある灰皿から吸い殻と灰を回収する。オフィスで燃やしてきたタバコの吸い殻と灰を入れた。毒入りのタバコを回収すると、新しいタバコに火をつけ遺体の手に握らせた。

⑤被害者がパソコンに打ち込んでいた、ポルノ映画出演していたというニュース原稿を消す。フロッピーディスクを差し込み「Escape to death」の記事を出す。その記事を印刷をすると、フロッピーディスクを回収。印刷された紙をデスクの上にのせ、遺体から指紋を付着させた。

推理と捜査(第二幕まで)

推理と捜査
○被害者のデスクにあった灰皿を見てみると、タバコは吸われていなかった。普通ならば、フィルターに茶色っぽいニコチンの染みができる。他の部屋にあった灰皿の吸い殻には、しっかりとニコチンの染みができており、これは殺人の可能性がある。

○被害者の秘書リザ・マコーミックに話を聞くと、被害者は死亡する前日15:00頃にウェイド・アンダースに会いに行くと報道フロアを出て行った。また、被害者はニュース原稿は自分で書いているようだ。

○検視報告の結果、硫酸ニコチンを摂取したことによる、急性ニコチン中毒で死亡していた。この毒は、灰を麻痺させて心臓発作を引き起こすようだ。

○被害者のデスクの上にあった、印刷された「Escape to death(死への脱走)」のタイトルが、大文字と小文字の組み合わせだった。

小ネタ・補足

〇動機は過去にポルノ映画に出演していたことである。クリーンなイメージを通してきた犯人にとっては致命傷!しかし、幻のビデオとはいえ、ビデオショップの店長ももう知ってるし、無理に殺人を犯す必要があったのか!?

〇コロンボ警部がアダルトショップに行った際、同じレインコートを羽織った男性から、「今夜も楽しみね♪」と言われる。店に入る前には若い女性から、「おじさん!コートの中を見せてよ(笑)」と茶化されている。ここらいったいでコートを着た男性は露出狂が多いということか? そのためコロンボも男性から露出狂仲間だと思われたのだろう。

まとめ

最後のセリフが素晴らしい名エピソード 31話『5時30分の目撃者』で犯人を務めた「ジョージ・ハミルトン」さんが実に16年ぶりに登場なんですね。前回登場時にはヘビースモーカーな犯人でしたが、今作品では非喫煙者な犯人を演じました。シリーズを見てきた視聴者的にもこういった対比は面白いですよね。

犯人たちは自分の得意分野を活かした殺人を行うのですが、そこには慢心があったり意外な落とし穴があったりします。今回は自分が吸わないタバコを用いて殺人を犯し、見事に非喫煙者ならではの見落としをしてコロンボ警部から犯人だと目星をつけられちゃいました。

犯人ウェードが殺害完了時に呟いたセリフ、「では、11時のニュースで」。ラストにはコロンボ警部にそのセリフ(11時のニュース)を言われてしまうんですね。殺人事件発覚というニュース、犯人逮捕というニュースはともに11時(23時)のニュースで速報されたという皮肉なお話です。

以上、「犯罪警報」でした。