「鮮やかさは人を惹きつけ、色はアイデンティティを明確にする」
『ジョルジオ・アルマーニ 帝王の美学』124pより引用
華やかなファッション業界で起こる殺人事件になります。見た目のインパクトがある、『ピタゴラスイッチ』を用いたトリックはNHKのなせる業!
データ
あらすじ+人物相関図
ファッションデザイナー・鈴村真沙美は、会社の共同経営者・吉川和子から引退を勧告される。かつては一世を風靡していたが、現在の流行からは大きなズレがあった。すでに人気は下火となり、会社は大きな損失を生んでいたために新しいファッションデザイナーを雇い入れるのだという。
鈴村はオフィスで吉川を撲殺すると、彼女に成りすましアパートに戻ると、強盗に襲われて殺されたように偽装する。空になったオフィスでは作動させていたピタゴラ装置を用いてアリバイを作り上げたのだった。
人物紹介(キャスト)
今回の犯人:鈴村 真沙美
役者:夏木マリ
職業:ファッションデザイナー
今回の被害者:吉川 和子
役者:黒田福美
職業:経営者
小ネタ・補足
〇犯人・鈴村真沙美を演じた『夏木マリ』氏は、役作りのイメージとして、「ソニア・リキエル」氏を意識したそうである。(オーディオコメンタリー31分15秒より)
〇FLAMEのスタッフが集まったシーンを確認すると、男性5人、女性8人の計13人が在籍しているようだ。
まとめ
実験刑事トトリ第1シーズンの中で1番印象に残った動機でした。犯人の犯行から描かれる倒叙形式であるため、必然的に動機というものが視聴者にも分かった状態で物語は展開するのですが、その裏にある『ふとした瞬間に芽生える殺意』というものが実に見事に描かれておりました。
また、印象に残るトリックでもあります。美術スタッフの手腕が素敵な『ピタゴラスイッチ』を用いたトリックなんですね。トリック自体は非常にシンプルなのですが、この装置が映像映えします。さすがNHK制作といったところです。
一方で、遺体を旅行トランクに入れて運びだすのは、1話のクーラーBOXに入れて運ぶ犯行計画と内容が被ってしまうのはデジャヴ感がありました。
コメディーが色濃い回でもあり、被害者の部屋に残された服と靴のセンスが合わないことから疑問を抱き、相棒の安永を利用してヘンテコな組み合わせの服を犯人に見せていくんですね。
単純な安永はセンスの良い組み合わせだと思ってたりしてキザなポーズを決めたりと、振り回される相棒役を熱演してます。また、フランス語が話せそうで話すことができなかった都鳥のやりとりも面白かったです。
白いフラミンゴのままでも、十分周囲の目を引きつけられたのかもしれません。
都鳥刑事は、毎回エピソード毎に動物に関するうんちくを披露するのですが、上記のセリフは、犯人の境遇ともマッチした格好良いセリフ回しでした。
以上、実験刑事トトリ 第2回『女はドレスに罪を隠す』でした。