犯人である「べス・チャドウィック」は犯行を暴かれ、コロンボを殺害しようとした最初の犯人である。名家の令嬢である彼女は、自分を押さえつける兄を殺害し、自由と権力を手に入れます。そこからの彼女の豹変ぶりは見ものだ。
後半の彼女の変わりようといったら、「誰だお前」状態です。コロンボ警部の言葉をお借りしましょう。「女ってわからんもんですなぁ」―死者の身代金より―
データ
あらすじ
大手広告代理店の社長であるブライス・チャドウィックは、妹べスの行動を抑制していた。しっかり者のブライスとは違い、べスは身勝手で考えず行動してしまう節があるからだ。そのことがべスには不満であり、兄の殺害計画を進めていた。
ある日ブライスはべスに対し、会社の法律顧問ピーターと別れるように告げる。ピーターがべスと交際するのは、財産と権力の為と決めつけたのだ。結婚を考えていたべスにとって不服の出来事である。その晩に兄の殺害を実行する。彼女の考えた殺人計画とは、正当防衛で法的に無罪を勝ち取ることであった。
人物紹介(キャスト/吹き替え声優)
今回の犯人:べス・チャドウィック(スーザン・クラーク)
吹き替え声優:鈴木光枝(すずき みつえ)
職業:資産家令嬢(一族経営の広告代理店の名目上重役)
殺害方法:射殺
動機:兄が邪魔であったため
被害者:ブライス・チャドウィック(リチャード・アンダーソン)
吹き替え声優:小林恭治(こばやし きょうじ)
職業:広告代理店社長
小ネタ・補足
〇法律顧問ピーター・ハミルトンの役者は『レスリー・ニールセン』である。34話『仮面の男』では、CIAエージェントの被害者「ジェロニモ」役を演じている。
まとめ
べスは認められたかったのだ。母は兄を溺愛し、べスには不当な評価をしていた。(実際母の思った通りの人物であったが……)兄は兄でシスコン気味で行動を抑制する、他者に対して不信感をあらわにし、ピーターとの婚約を破棄させようとする。
唯一の救いはピーターのまっとうさだけではないだろうか?しかしそんなべスも、犯行後は打って変わってキャラ変更してしまう。毛嫌いしていた兄の性格に似てきてしまうのだ。そして信頼していたピーターを自ら切り離し、結果的に誰からも認められなくなってしまうのだ。
ベスは、兄からの強い束縛を受けていた為、自分を押し殺して生きてきたのだと思います。とうとう堪忍袋の緒が切れてしまい、殺人を実行したことで自由を手に入れました。
だけども、自分の思い描いた理想と現実の違いは大きいもので、『不自由を味わっていた者が自由を味わう』となると加減が難しいんですね。幸せに慣れた人は不幸には慣れないし、不幸に慣れた人は幸せには慣れないのです。
以上、7話「もうひとつの鍵」でした。
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