【VS.闘牛士】動機当てがメインとなる事件です。共犯者が闘牛という、動物を使った殺人となっており、事故を殺人として立証する方法を探っていくのです。今回の事件は29話「歌声の消えた海」でコロンボが乗った豪華客船の到着地:メキシコとなっております。
データ
あらすじ
メキシコ国民なら誰もが知る伝説的英雄の闘牛士ルイス・モントーヤは、現役を退き闘牛を育てる牧場を経営していた。彼の牧場で輸送中の闘牛マリネロが暴れ、クーロ・ランヘルが大けがをする事故が起きた。クーロを助けに闘牛を鎮めたのが、ルイスとクーロの父エクトールである。
翌日、ルイスは使用人たちに休暇を与えると、エクトールと2人きりになった。エクトールは荷造りをして牧場を去る準備をしていた。ルイスは、クーロが病院から退院すると再びマリネロに挑むだろうと、敵討ちをするために、マリネロとの決闘の介添えをエクトールに頼んだ。
闘技場に出ると、ルイスはエクトールに麻酔銃を打ち込んだ。意識朦朧となったところで、マリネロを放ってエクトールを殺害する。ルイスは公演のためにサンディエゴに出かけていたというアリバイを作ると、エクトールは息子の敵討ちで闘牛と決闘して死亡したように見せかけたのだった。
人物紹介(キャスト/吹き替え声優)
今回の犯人:ルイス・モントーヤ(リカルド・モンタルバン)
吹き替え声優:庄司永建(しょうじ えいけん)
職業:闘牛士
殺害方法:麻酔銃で意識混濁させ、闘牛に殺害させた。
動機:????
今回の被害者:エクトール・ランヘル(ロバート・カリカート)
吹き替え声優:高塔正翁(たかとう まさおき)
職業:牧童頭
小ネタ・補足
〇29話『歌声の消えた海』の到着先で起きた事件である。
〇殺人に利用したのは、モントーヤ牧場で飼育されている闘牛『マリネロ』である。トラックへ積み込みを行う際、輸送用の箱が壊れて暴れてしまう。それを止めようと、クーロが闘技場に出たが返り討ちにした。
今度はエクトールとルイスがリングに上がりなんとか鎮めることに成功している。ルイスによると、マリネロほどの闘牛で8000ドル以上の値段がつく様子。(1976年2月=301円 8000ドル=240万8千円)
まとめ
動機が伏せられた状態で進むエピソードなんですね。ラストの詰め手で明らかになる事件の全貌。コロンボ警部と犯人が4分ほど無言のまま締めくくられるシーンは印象に残ります。
コロンボ警部が30分で、ルイス・モントーヤが犯人と確信していると、サンチェス警部に話しました。普段はあまり他の刑事には、犯人であることを明かさないので新鮮な感じがします。
ところで、コロンボ警部は愛車プジョーで事故を起こしますが、汽船に車を積んできたのでしょうか? コロンボのカミさんはバスで帰らせたと言ってますので、まさか車で帰るつもりなのか。メキシコ~ロサンゼルスまで1600キロです。帰りもきっと汽船で、船までの道をバスで戻ったのでしょうね。
以上、35話「闘牛士の栄光」でした。
ルイスがエクトールに握られていた”とある秘密”とは・・・
秘密抹消のため ルイスは殺人を決行したのでしょうか。
己の闘牛士としての栄光をまもらんがためだったとしたら
人間の命の尊厳さの前では何の価値もない栄光であったと
気づかされたときはあとの祭り。
何とも悲しい事件でした。
和田光代 様
コメントありがとうございます!
≫ルイスがエクトールに握られていた”とある秘密”とは
動機が伏せられた状態で進む、コロンボ警部の旅行先での殺人事件。29作『歌声の消えた海』との繋がりがあるのも嬉しい演出でした。
≫闘牛士としての栄光 人間の命の尊厳さの前では何の価値もない
≫何とも悲しい事件
原題『A MATTER OF HONOR(名誉の問題)』とあるように、地位と名声を優先してしまいました。
己のプライドを守るも、最後には大衆の前で再び暴かれるという皮肉な展開です。ラストで見せるコロンボ警部と犯人の4分以上の無言のやり取り、何も語らずにうなづいて犯行を認める。かつて英雄であった者の最大限の威厳がある退場だと思いました。