【VS.刑事弁護士】一部ファンに熱狂的な支持を受けている作品です。そのファンとは「バカミス」愛好家です。おバカなミステリーということで、まじめなことをバカなトリックを用いて殺人を犯したり、アリバイ工作を行います。
「そんなのありかよ!」と思わずツッコミをいれたくなる、そんな現実的ではない展開を楽しめる作品と言えます。バカミスの代表作品を例に挙げると『六枚のとんかつ』『四神金赤館銀青館不可能殺人』『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』『超・殺人事件-推理作家の苦悩』まだまだ、たくさんあります。
データ
脚本・ストーリー監修:ウィリアム・リード・ウッドフィールド
監督:アラン・J・レヴィ
制作総指揮:ジョン・エプスタイン
共同制作総指揮:ピーター・フォーク
音楽:スティーヴ・ドーフ
本編時間:96分
公開日:アメリカ/1991年4月29日 日本/1995年5月12日
あらすじ
刑事弁護士ヒュー・クライトンは、内縁の妻マーシー・エドワーズとドラマーのネディ・マルコムが愛し合う姿を私立探偵に隠し撮りさせた。これを証拠に妻との決別を宣言するが、刑事弁護士としての信頼を損ねる嘘をでっちあげると脅しかけてきたのだった。
ヒューは、愛人の犯行に見せかける殺人を計画する。ヒューはビーチハウスの冷蔵庫にあるシャンパンに、注射器を使用して睡眠薬を混入させておいた。マーシーがネディと会う日の朝、彼女に断酒の薬を混ぜた紅茶を飲ませた。
ビーチハウスでいつものようにシャンパンで乾杯をするが、断酒の薬の影響で、マーシーは酒が進まなかった。ネディだけはシャンパンを飲み進め、睡眠薬の影響で気絶する。その間、ヒューは彼女をを扼殺すると、目を覚ましたネディが横たわる彼女の遺体を発見した。自身の犯行だと疑われることを恐れその場を逃走したのだった。
人物紹介(キャスト/吹き替え声優)
今回の犯人:ヒュー・クライトン
役者:ダブニー・コールマン
吹き替え声優:小林清志
概要:刑事弁護士の男性。元ロック歌手のマーシー・エドワーズと内縁関係にあるが、以前から彼女は、ドラマーのネディ・マルコムと愛人関係にあり離婚を決意する。不服としたマーシーから、警官/判事/証人のすべてを買収していたとでっちあげると脅され、4年間で稼いだ金額の半額:500万ドルを要求されてしまう。秘書トリッシュ・フェアバンクスをアリバイ工作に利用し、妻の愛人ネディに疑惑の目が行くような殺害計画を画策した。
刑事弁護士としての戦歴は無敗であり、その噂はコロンボ警部の耳にも届いていた国内でも有数な実力者である。妻の要求金額からすると、年収は250万ドルはあることになる。弁護士事務所を建設中であり、残額はだいぶ少なくなっている状態であるとのこと。事務所内には、インディアンのブロンズ像/バッファローやカウボーイ。骨の人体標本などのインテリアを鎮座させていた。(1991年4月:1ドル=137円 250万ドル=3億4250万円)
オフィスにはシャンパンを保管する専用のケースもあり、すべて2つ星のシャンパンで、1985年ものは175ドル(2万3975円)するそうである。アルコールを飲み過ぎる傾向にあるのか? 断酒する人が飲む、ジスルフィラムという薬を一時飲んでいたと話している。
不倫調査を依頼した、私立探偵サム・マローンはおかかえ探偵なようである。ちなみに調査料金は750ドル(10万2750円)するらしい。また、ビーチハウスの庭手入れは、庭師アンドウ・ミヤキに依頼。火曜の午後、金曜の午前と手入れをしてもらっている。
裁判手法としては、番外戦術にある。相手検事の証言中に咳き込み、勢い立てて水を入れるなど。また、陪審員の感情に訴えかけて無罪を勝ち取る方法をとっている。コロンボからの追及を受け、司法検事への返答に関しても、相手に任せる、といった感情に訴えかけるものであった。担当した刑事事件は、自身の母親を14回肉切り包丁で刺した男の裁判である。
自宅はベルウェア地区。ビーチハウスは25903パシフィックにある。運転はかなり荒っぽい性格だ。ロス市警本部長の古い友人であり、市長の友人でもあるとのこと。
今回の共犯:トリッシュ・フェアバンクス
役者:シーラ・ダニーズ
吹き替え声優:塩田朋子
概要:ヒュー・クライトンの秘書である女性。ヒューからの奇妙な指示を受け、彼が事件の犯人であることを瞬時に見抜いた。警察に訴えで出ても、殺人幇助(さつじんほうじょ:手助けをすること)で捕まってしまうし、逆に脅しをかけて共犯となった。
3年前からパートナーに昇格するように迫っており、そんな彼女をアリバイ工作に利用してしまった。刑事事務所の共同経営者となり、さらに結婚迫る。自身を殺さないように生命保険までも掛けた。これじゃあ、マーシーを殺害する前と変わらないヒューさんである。
新しく建築された事務所は、ほぼ彼女に占領されてしまい、インテリアなどは撤去もとい、彼女の言葉を借りると「追放」されてしまう。また、壁を開けてバスルームを設置するなど、やりたい放題である。
今回の被害者:マーシー・エドワーズ
役者:シュリル・パリス
吹き替え声優:弘中くみ子
概要:元ロック・スターである女性。刑事弁護士ヒュー・クライトンとは4年前から内縁関係にあり、正式には結婚はしていない。ヒューへの愛情はとうに果てており、金銭目当ての交際である。愛人であるネディ・マルコムはドラマーであり、バンド関連の仲間でもあったのだろうか?
ネディとは、毎週月/水/金の午後からビーチハウスで会い、17:30には帰るらしい。ロック歌手としては、一時有名人ということである。コロンボによると甥っ子が大のファンだった歌手とのこと。「もっともっと唇を重ねて」「もう一度私を抱いて」などタイトルを語った。
ビーチハウスでは、シャンパンを2人で飲んでいる。1つ星であり、酒店に注文して自身で購入しているようだ。死因は、首を絞められたによる頸部骨折である。よほど強い力で締め付けられたらしい。
小ネタ・補足
〇犯人の自宅はベルウェア地区にあるそうだ。25話『権力の墓穴』でコロンボの上司で犯人マーク・ヘルプリンの自宅もベルウェア地区であった。
〇コロンボ警部が物忘れ気味……。時系列が違うのか?
帽子を装着している→「マリブビーチ殺人事件」では帽子が嫌いでつけないと語った。
愛車プジョーの屋根を開けオープンーにするのは初めてと語る。→「もう一つの鍵」「死の方程式」「断たれた音」「さらば提督」でもオープンカーにしています。
〇ロック歌手「リトル・リチャード」が本人役で登場している。
〇主題歌は、ピーター・フォークのリアルかみさんで、今回の共犯だったシーラ・ダニーズの『closer』である。
まとめ
犯人ヒュー・クライトンは、有能な無敗の弁護士であると称されております。それが、こんなアリバイ工作を思いつくとはおバカです。秘書も最初から共犯と言うのなら話はわかりますが、共犯ではなかったなんて、明らかにコイツが犯人だろと察した秘書からも搾取されることになりました。
法廷シーンでは、番外戦術に加え、感情に訴えかけて無罪を勝ち取ろうとするなど、あまり有能そうには思えません。被害者を殺害するに繋がった、警官/判事/証人すべてを買収していたことをでっちあげる。というのは、あながち嘘ではなく本当なんじゃないでしょうか?
犯人役のダブニー・コールマン氏は、コメディ俳優としてのキャリアがあります。有能な刑事弁護士ということを捨てて、完全にコメディ路線。有能風だった弁護士は、やっぱり買収していてそれを隠すために……。なんて妄想もしたりしましたが、バカミスは「真面目に不真面目」だからこそ活きてくるのかと感じました。
以上、「影なき殺人者」でした。
犯人が台詞の中でも言っていたバカミスはともかく、以下の事柄が洒落っ気があって、楽しく拝見できました。
・コロンボが戻って来てラジカセを売る気はないかと訪ねた時の犯人の表情がすごく秀逸なコメディの演技だった。
・コロンボと庭師の日本人のお茶目なやりとり
・リトルリチャード本人の演奏と台詞
・小説で有名な探偵の名前に似ているマローン探偵
・検事等のお偉いさんたちの登場
・アクアリムバーのガラスの中から手を振るコロンボを見た時の老人客のお茶目な反応と笑顔
金ちゃん!様
ユーモアのある演出が非常に多く楽しい作品ですよね。ダブニー・コールマン氏とピーター・フォーク氏とコメディ映画にも多く出演されており面目躍如の活躍を魅せてくださりました。おっしゃられているように他キャスト方の表情がいいですよね。
最近huluでまとめて見ていた時に古畑さんの訃報が
嫌な女2連続、「製作者は嫌な女を強調したいのか」と思ったけれど、
今回のバディはいいとこ30代の婦警さんがアクションしたり八面六臂の大活躍
「私の車でお面付けて〇時にここを速度違反で走ってくれ」バレますよそりゃ…
コネも金もあるのだから主題歌…じゃなかった、ピーターフォークのかみさん…じゃなく、
2人目の嫌な女は殺人でなく行方不明にすれば事件にすらならないのにと思いました
コロンボが最後に歌っていたのはかみさんの歌だったのか
横に置いてある40パーセントオフのCDラジカセはAIWA
≫今回のバディはいいとこ30代の婦警さん
サンドラ・カリーさん演じる、ヘイベック巡査の見せ場が多いですよね♪ 別役ですが、55話「マリブビーチ殺人事件」では犯人の不倫相手で登場されております。
≫バレますよそりゃ…
共犯だったら話は分かりますが、共犯ではないとは‼
スピード違反の速度で
お面を被ったら
怖くて運転できない
のぞき穴が空いてるのなら写真を引きのばした時見え見えだと思うし
・・・と、以前見た時も思ったけどこの辺突っ込む人は少ないのかな
クーターピーフォ様
>>スピード違反の速度でお面を被ったら怖くて運転できない
確かに! これは視野が狭くなっているのにこれは危険ですね。見事なドライビングテクニックです。
>>写真を引きのばした時見え見えだと思う
当時のスピードカメラの画素数的にぼやけて見えなかったのでしょうかね? 作中でも拡大していましたが、限界があるのかも知れません。