刑事コロンボ 65話『奇妙な助っ人』あらすじと感想

新・刑事コロンボ 65話 奇妙な助っ人
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【VS.牧場主】2重殺人でもう一方の被害者に罪を擦り付けるエピソードです。犯人グレアム・マクヴェイ氏は、刑事コロンボの犯人の中でもかなりの巨漢な男性です。話の中で、彼は2度変装をするのですが、その巨漢も相まってかなり印象に残ります。

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データ

脚本:ローレンス・ヴァイル
監督・制作:ヴィンセント・マケヴィティ
制作:クリストファー・セイター
制作総指揮:ピーター・フォーク
音楽:ディック・デ・ベネディクティス

本編時間:94分
公開日:アメリカ/1995年5月8日 日本/2000年3月31日

あらすじ

牧場主グレアム・マクヴェイには、弟テディ・マクヴェイがいた。弟はギャンブルにはまりマフィアにまで金を借りるようになった。競馬に携わるグレアムに懇願し、テディは八百長レースで借金を帳消しにできないかと泣きついてきたのだった。

八百長レースの日、グレアムは勝つ予定の馬に薬物を飲ませる。レースがはじまると、徐々にその馬は失速して1着での優勝はなくなったのだった。マフィアに八百長で金を儲けさせ、借金帳消しをする予定だったテディは、さらなる窮地に追い込まれた。

グレアムは自分が話をつけると言い、テディを自宅に留まらせる。そして、金貸しブルーノ・ロマーノの経営するレストランに、変装し客として店に入る。そこで、ネズミ騒ぎを起こしたのだった。混乱に生じて事務室から自宅に電話を掛ける。これで、ブルーノが電話したように通話履歴が残せた。

その晩、テディの運転する車で待ち合わせ場所だという山奥へ移動をする。そこで、彼を射殺した。次の日には、ブルーノを自宅に呼び出して射殺した。遺体から銃を抜き取り、凶器と交換する。金を回収したいブルーノがテディを殺害。次には、自身を殺しに来たブルーノを正当防衛で射殺したという、相討ちに見せかけた2重殺人を完成させたのだった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

今回の犯人:グレアム・マクヴェイ
役者:ジョージ・ウェント

吹き替え声優:樋浦勉

概要:サラブレッドを育成する『ティンバー・リッジ牧場』を経営する男。父親フォレスから牧場を引き継いだ。何度も借金を抱えてくる弟テディががおり、両親や自身にまで金を借りるようになる。競馬に関わる自分に八百長のレースを依頼してくるなど、邪魔になった弟を殺害する計画を企てた。

仕事内容はサラブレッドの育成だけではなく、種付けも行っている。『ハイランド・スコット』という優秀な血筋の種馬がおり、その馬の息子『スコット・フリー』は1着でゴールをしていた。次には『デキジー・デイジー』に種付けが決まっていた。

また、八百長レースに出馬させた馬『フィドリング・ブル』は、追い切りで1.10で絶好調らしい。追い切りとは、1周する時間のことであり、この時間が少ないほどペースにムラがなく安定した時間で走れるということらしい。

殺害計画の為、2度変装をしている。最初は『スミス』を名乗る人物で、全身黒づくめの格好に黒いサングラスをかける。ジェフリー・バクスターの紹介と偽り、2年前にボストンで盗まれた未使用の拳銃を入手した。詳しい値段は不明であるが、100ドル札で封筒が膨らむほど入っていた。次の変装は『山男』風の格好であった。

タバコを吸っており、コロンボによると人気のある銘柄らしい。ライターは金製の派手なタイプを使用している。また『スコッチ&ソーダのソーダひかえめ』が好きらしく、行く先々でこのオーダーをしていた。


今回の被害者:テディ・マクヴェイ
役者:ジェフ・イェーガー

吹き替え声優:井上倫宏

概要:『ティンバー・リッジ牧場』副社長の男。賭け事にはまり多額の借金をしている。そのため、3年前には父フォレスに泣きつき、2年前には母親に……。そして1年足らず前に両親を亡くしてからは、兄グレアムに金をせびるようになる。まったく凝りていない。一応、財産を半分にしてもらっていたようだが、それすらもないようだ。

金を借りた相手はブルーノ・ロマーノで、少なくとも20万ドルは金を借りていた様子。競馬に携わる兄グレアムに懇願し、八百長レースを仕組む。足の速い馬『フィドリング・ブル』の倍率を高くして、金貸したちに、その馬の馬券を購入してもらうことで、金を儲けさせる計画だったようだ。

※1995年5月:1ドル=85円 20万ドル=1千700万円

八百長レースのことについては、ここ数ヶ月で付き合った恋人ティファニー・キーンにも伝えるなど口が軽い。彼女も50ドルを掛け、自身も2000ドルの馬券を購入していた。また、兄グレアムによると、悪癖が多かったようだが、タバコは嫌いで吸わなかったようだ。

※50ドル=4250円 2000ドル=17万円


今回の被害者:ブルーノ・ロマーノ
役者:ジェイ・アコヴォーン

吹き替え声優:金尾哲夫

概要:『ブルーノのレストラン』を経営する男。マフィアの下っ端でもあり、ヴィンチェンゾ・フォテーリとは親交があった。金貸しもやっているようで、グレアムから返済をしたいと話された際には「少なくとも20万ドルは必要だぜ」との発言から、そのぐらいはテディに貸していたようだ。

11月に警察に逮捕されることがあった。罪状は不明であるが、借金を回収する際に脅すような行為もあったことから脅迫などで捕まったのだろうか?その際、愛銃『クロームメッキの38口径』の線条痕を記録されている。恋人ロレーンによると、外見に気を遣う人物であり、銃は後ろのホルスターに入れていた様子。なお、銃は飾りであり1度も使用したことはないようだ。

小ネタ・補足

〇競馬場は、ロサンゼルス郊外にある『ハリウッドパーク』である。

〇ブルース・カービー氏が演じる、ブリンドル刑事。いつものジョージ・クレイマー刑事ではないのはなんでだろう?

まとめ

コロンボ警部がイタリア語を話せなくなっております。『美食の報酬』『仮面の男』『大当たりの死』などでは、堪能なイタリア語を披露していたのですが、ただマフィアであるヴィンチェンゾ・フォテーリ氏と距離を置きたかっただけなのかもしれません。

警察とマフィアが親密にしてしまうと社会的にまずいので、あえてイタリア語ができないフリをしたのでしょう。名俳優ロッド・スタイガー氏の重厚なマフィアっぷりを堪能できたり、犯人の表情の変化などのドラマ面や凝った犯行計画など見せ場も多いのです。

「スコッチアンドソーダ、ソーダ控えめで」というフレーズが印象に残るエピソードでもありました。

以上、『奇妙な助っ人』でした。

  1. 大変面白かったです。
    コロンボシリーズは。ずーと続けて放映してほしいです。
    何といっても、ピータ・フオークが素晴らしい!
    味と個性のある俳優がもうこの世にいなくなって残念です。

  2. シズちゃん様
    ≫コロンボシリーズは。ずーと続けて放映してほしいです
     面白いですよね♪ 旧シリーズでコロンボ警部の声優を担当された小池朝雄さんがこう魅力を語っております。
    『コロンボの魅力とは、ひと口で言って子供の魅力ではないですか。刑事という商売が好きで熱中する。子供がよく服を汚しながら遊びに熱中するのと同じですよ。大人にはできない子供の良さ、これが母性本能をかき立てることにも通じている。そしてインテリに見られる追い詰め方の残酷さ』
    現在NHKBSにて毎週土曜日PM16時頃にて再放送をしています。全69作を放送後もまた定期的に放映されると良いですね。

    ≫ピーター・フオークが素晴らしい!味と個性のある俳優がもうこの世にいなくなって残念
     魅力的な俳優さんでした。コメディな役柄と、時にはゾッとするような冷酷さを感じる演技。亡くなられて10年も経つのですね。

  3. PETER・FOLKが素晴らしいヨレヨレCOATに葉巻きとLOS ANGELESの明るい太陽がMATCHしています

  4. きょんちゃん様
    >>PETER・FOLKが素晴らしいヨレヨレCOATに葉巻きとLOS ANGELESの明るい太陽がMATCHしています
     ピーターフォーク氏の素晴らしい演技力に加え、各種小道具により見事に「刑事コロンボ」というキャラクターを確立しましたよね!

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