刑事ドラマ『古畑任三郎』で、あなたが印象に残っている場面はどこでしょうか?
中村右近(堺正章)が楽屋でお茶漬けをすする、解決編で流れる暗転、爆弾犯・林功夫(木村拓哉)がビンタされるところ、骨董商の犯人が語った物の価値について、スタミナ酢豚弁当……。 今でも目をつぶると、瞼の裏にその場面が浮かんできますね。
そんな中でも忘れられないのが古畑の部下・今泉慎太郎です。
おおよそ刑事としては有能と言えず、回を重ねる毎に突拍子もない行動を繰り出したり、ヘマをするたび古畑からデコパッチンされているのが印象に残っていますが、逆に事件解決に繋がる重要なヒントを与える存在でもありました。
そんな今泉くんですが、いったい古畑から何回おでこを叩かれたのでしょうか?
実際にドラマ全43作品からデコパッチンした回数を集計しましたので、ご覧ください。
結論|古畑任三郎のデコパッチン回数は合計38回
古畑任三郎が今泉慎太郎のおでこを叩いた回数は、全シリーズ合計で38回でした。
この数字は、テレビ番組『私のバカせまい史』1で紹介された集計結果とも一致しています。ただし、シーズンごとの内訳には若干の差があり、本記事では独自に検証した結果を採用しています。
| 各シーズン | 番組調べ | 管理人調べ |
| 第1シーズン | 11回 | 8回 |
| 第2シーズン | 15回 | 11回 |
| 第3シーズン+スペシャル | 12回 | 17回 |
番組調べでも合計38回のため「ぴったりじゃん!」と思っていたのですが、各シーズンでズレがあることがわかります。上記のような3項目に分けてデコパッチンの回数が紹介されていましたが、『○話で何回叩いた』とまで詳しく取り上げられていませんでした。
次の項目からは集計方法と、番組では紹介されていなかった該当箇所の時間を記載していきます。
集計方法|デコパッチンの定義とカウント基準
- 視聴ソフト:Blu-ray BOX『古畑任三郎』
- 対象行為:古畑任三郎が手で今泉慎太郎のおでこを叩いたシーンのみ
- 除外対象:
- 他の登場人物によるもの
- 道具や物を使った接触
この基準により、曖昧さを排除し、誰が見ても納得できる集計を目指しています。
シーズン別|デコパッチン回数の内訳
本記事では以下の構成ごとに、デコパッチンの回数を整理しています。
- 第1シリーズ
- 第2シリーズ
- 第3シリーズ
- スペシャル回
- ファイナルシーズン
各話ごとに「何分何秒で叩かれたか」「どのような状況だったか」も確認し、単なる回数集計にとどまらないデータとしてまとめています。
第1シーズン(計8回)
| 話数 | タイトル | デコパッチン | 該当箇所 | 分類 |
|---|---|---|---|---|
| 1話 | 死者からの伝言 | 0回 | ||
| 2話 | 動く死体 | 0回 | ||
| 3話 | 笑える死体 | 1回 | 見当違いな推理だったため(15分30秒) | 推理指導 |
| 4話 | 殺しファックス | 0回 | ||
| 5話 | 汚れた王将 | 3回 | 「(封じ手に書かれた♀のマークについて)どう思う?」と尋ねるも、「良い手ですよ」と返答して叩かれる(26分25秒) | 怒る |
| 古畑に何度もおでこを叩かないよう注意して叩かれる(26分30秒) | 怒る | |||
| ♀がどういう意図で書かれたのかを知りたかったのに、「女」と答えて叩かれる(26分47秒) | 推理指導 | |||
| 6話 | ピアノ・レッスン | 0回 | ||
| 7話 | 殺人リハーサル | 0回 | ||
| 8話 | 殺人特急 | 2回 | 寝ている今泉を叩き起こす(22分54秒) | 非言語コミュニケーション |
| 目撃者の女性を呼んで来るように言われ、目星のついた犯人を聞こうとすると叩かれる(25分31秒) | 非言語コミュニケーション | |||
| 9話 | 殺人公開放送 | 0回 | ||
| 10話 | 矛盾だらけの死体 | 0回 | ||
| 11話 | さよなら、DJ | 0回 | ||
| 12話 | 最後のあいさつ | 2回 | 小暮刑事から楽にしてろと言われ、今泉が真っすぐベッドで横になっているのが面白くて叩く(15分31秒) | スキンシップ |
| 小暮の話をどう思うか尋ねられるが、緊張して何も話を聞いていなかったと答え叩かれる(17分50秒) | 推理指導 |
第2シーズン(計11回)
| 14話 | しゃべりすぎた男 | 1回 | 裁判で今泉の無罪が確定して叩く(67分42秒) | 非言語コミュニケーション |
| 15話 | 笑わない女 | 2回 | 血痕がなぜ部屋の外まで飛んでいたのか尋ねるも見当違いな回答だったため叩く(12分08秒) | 推理指導 |
| 笑ってはいけない戒律があることに対し、くすぐったらどうするのかと尋ね、「つまらないこと聞くんじゃない」と叩く(21分09秒) | 注意 | |||
| 16話 | ゲームの達人 | 0回 | ||
| 17話 | 赤か、青か | 0回 | ||
| 18話 | 偽善の報酬 | 1回 | 今泉のおばあちゃんにビデオ録画を頼もうとするが、ビデオを持っていないと答え叩かれる(08分40秒) | 怒る |
| 19話 | VSクイズ王 | 1回 | 古畑がクイズの答えを間違えて失格してしまう。気を落とさないように伝えるも、「お前のせいだよ」と叩く(12分40秒) | 怒る |
| 20話 | 動機の鑑定 | 0回 | ||
| 21話 | 魔術師の選択 | 3回 | イベントに参加した理由について、可愛い子から誘われて良い顔をしようとしたためだと言われ、「大きな声で言うな」と叩く(07分06秒) | 注意 |
| 今泉が胴体切断マジックを見せてほしいと頼んだので「無視してください」と笑いながら叩く(11分22秒) | スキンシップ | |||
| 古畑が犯人のとった行動について尋ね、その理由を犯人が語り終えると唐突に今泉を叩く(26分18秒) | 非言語コミュニケーション | |||
| 22話 | 間違われた男 | 0回 | ||
| 23話 | ニューヨークでの出来事 | 3回 | 寝ている古畑の隣で今泉が賑やかな曲をヘッドホンで聴きながら身体を弾ませており、声を掛けるも気が付かないので叩く(01分48秒) | 非言語的コミュニケーション |
| 今泉をダシに犯人と会話。トランプに誘おうとするのを注意したうえで隣の席に座る(04分16秒) | 注意 | |||
| 今泉からバスの乗客と気があったことを伝えられると、笑顔で叩く(34分46秒) | 非言語コミュニケーション |
第3シーズン(8回)
| 28話 | 若旦那の犯罪 | 1回 | 今泉が犯人の扇子で演技していると、「大切な扇子なんだから」とお返しするように笑いながら叩く(35分09秒) | 注意 |
| 29話 | 忙しすぎる殺人者 (その男、多忙につき) | 0回 | ||
| 30話 | 古畑、風邪をひく (灰色の村) | 0回 | ||
| 31話 | アリバイの死角 (古畑、歯医者へ行く) | 0回 | ||
| 32話 | 再会 (古い友人に会う) | 4回 | 今泉が古畑は小学校時代はデコがすごかったと聞きはしゃいだので、笑いながら叩く(29分17秒) | スキンシップ |
| 古畑が安斎からデコパッチンされたのを今泉が喜んだので、笑いながら叩く(29分19秒) | スキンシップ | |||
| 寝ている今泉に対し、「こいつの言う通りなんでも事件に結び付けて考えんのは悪い癖だね」と叩く(31分53秒) | 非言語コミュニケーション | |||
| 寝ている今泉を連れていくように西園寺に頼んで叩く(32分11秒) | 非言語コミュニケーション | |||
| 33話 | 絶対音感殺人事件 | 1回 | 犯人の絶対音感を試すためデコパッチンした音階を尋ねる(26分50秒) | 非言語コミュニケーション |
| 34話 | 哀しき完全犯罪 | 1回 | 海外旅行で八丈島に言ったと答えると、「八丈島は海外じゃねぇだろ」と笑いながら叩かれる(33分27秒) | スキンシップ |
| 35話 | 完全すぎた殺人 (頭でっかちの殺人) | 0回 | ||
| 36話 | 雲の中の死 (追いつめられて) | 0回 | ||
| 37話 | 最後の事件・前編 (最も危険なゲーム・前編) | 0回 | ||
| 38話 | 最後の事件・後編 (最も危険なゲーム・後編) | 1回 | 今泉が古畑の散歩に付き合うと言うが、来なくていいと叩かれる(43分37秒) | スキンシップ |
スペシャル(9回)
| 13話 | 笑うカンガルー | 5回 | 古畑が毎月オーストラリアに来ていると嘘をついたが、今泉から懸賞で海外旅行が当たったことをバラされ笑いながら叩く(19分19秒) | スキンシップ |
| 今泉が去年の忘年会の福引で沢口靖子賞をもらったことを自慢すると笑いながら叩く(20分38秒) | スキンシップ | |||
| 今泉が今年は誰が1日署長になるんだろうと言うと、笑いながら叩く(21分20秒) | スキンシップ | |||
| 今泉がクイズの答えを知っていたんじゃないかと言うと、笑いながら叩く(24分40秒) | スキンシップ | |||
| 今泉が古畑は負けず嫌いで手段を選ばない性格だと言うと、笑いながら叩く(27分05秒) | スキンシップ | |||
| 24話 | しばしのお別れ | 2回 | 今泉のフラワーアレンジメントを講師は菊人形だと評価したのを聞き、古畑が笑いながら叩く(02分09秒) | スキンシップ |
| 古畑が遺体を前に状況整理しているが、今泉が発表会の演技はどうだったかと尋ね叩かれる(23分04秒) | 怒る | |||
| 25話 | 消えた古畑任三郎 | 0回 | ||
| 26話 | 古畑任三郎vsSMAP | 2回 | 今泉が被害者の所持品を見て思わせぶりな仕草をするも大したことないことを言い叩かれる(60分59秒) | 推理指導 |
| 古畑が草薙と会話しようと待っていたら、今泉が写真を撮ろうと横入りして叩かれる(93分02秒) | 怒る | |||
| 27話 | 黒岩博士の恐怖 | 0回 | ||
| 39話 | すべて閣下の仕業 | 0回 |
ファイナルシーズン(2回)
| 40話 | 今、甦る死 | 0回 | ||
| 41話 | フェアな殺人者 | 2回 | 今泉がイチローの凄さを語るが、「悲しいぐらい浅いね」と答え叩く(03分21秒) | 注意 |
| イチローを“さん”付けするように言い叩く(03分50秒) | 注意 | |||
| 42話 | ラスト・ダンス | 0回 | ||
| 43話 | 古畑中学生 | 0回 |
古畑任三郎以外によるデコパッチン

古畑以外にも今泉のおでこを叩いたり、ゆで卵の殻を割る行動をとった犯人もいましたので、番外編という形で取り上げたいと思います。
| 18話 | 偽善の報酬 | 古畑が今泉のオデコでゆで卵の殻を割る(22分55秒) |
| 古畑も犯人にオデコでゆで卵の殻を割るようそそのかす(23分04秒) | ||
| 32話 | 再会 (古い友人に会う) | 西園寺が寝ている今泉に声を掛けるも起きないためデコパッチンをする。(32分21秒)) |
| 34話 | 哀しき完全犯罪 | 古畑が犯人にデコパッチンを勧める(33分35秒) |
| 西園寺が良い音がする叩き方のコツを教えるためデコパッチンする(33分40秒) | ||
| 41話 | フェアな殺人者 | 今泉が自らイチローに頼んでデコパッチンしてもらう(08分37秒) |
いずれも古畑が犯人に叩くように誘導していることが多いです。また古畑の部下・西園寺くんに至っては、良い音がする叩き方のコツを知るぐらい熟知しています。
『上司の背中を見て部下が育っていく』
行動心理学では『ロールモデル』とも呼ばれ、発達段階やキャリア形成期に自分が模範(お手本)とする人物を追うように成長していくことで、その人の影響を受けながら自分の土台となる行動や価値規範が形成されることになります。
西園寺くんは「黒岩博士の恐怖」で、警察署内の廊下で声を掛けられるたび、いちいち立ち止まりお辞儀して挨拶を返すぐらいの生真面目だったのですが、遠慮なく今泉くんのデコパッチンをするぐらい古畑に毒されています。
なぜ叩く?デコパッチンの理由を5つに分類
古畑任三郎はなぜ今泉くんをデコパッチンするのでしょうか?
初めておでこを叩いたのが第3話『笑える死体』です。このエピソードでは精神科医の犯人が被害者の人を驚かすのが好きな性格を利用すると、ベランダから室内に入るように誘導すると正当防衛による犯行に偽装します。
古畑は強盗に押し入った被害者がわざわざベランダで靴を揃えてから部屋に侵入したことに疑問を感じ、「(靴が揃えてあるけど)どう思う?」と今泉くんに尋ねるのですが、靴のメーカー名を答えてしまったことからデコパッチンをされてしまうのです。
今泉くんは後に、「あの時僕は思いました。この人は僕を育てようとしていると。それ以来僕は古畑さんのデコパッチンを愛のムチとして受け取ってきました」2と語っており、今泉くんにとってデコパッチンとは見当違いな推理を正すための指導だと捉えていると思われます。
しかしながら、古畑が今泉をデコパッチンする理由には、明確なパターンがあります。検証の結果、主に次の5種類に分類できました。
- 推理指導型:推理の誤りを正すため
- 注意喚起型:集中力や姿勢を正すため
- 怒り表現型:明確なミスへの感情表現
- コミカル型:笑いを誘う演出・ツッコミ
- 非言語コミュニケーション型:言葉を使わない意思表示
この分類を見ると、デコパッチンは単なる暴力表現ではなく、古畑と今泉の関係性を象徴する演出であることが分かります。以下がそれぞれを分類したグラフになります。

グラフから読み取れるのは、今泉くんが考えているような『自分を育てるための愛のムチ』である「推理指導」の回数が最も低く、古畑は主にスキンシップやコミュニケーションの手段としてデコパッチンを用いているということが分かります。
デコパッチンから見える古畑任三郎の人物像
古畑任三郎は、柔らかな物腰と紳士的な立ち振る舞いが印象的な人物です。
自分が尊敬に値すると感じた人物や女性に対しては、最後まで礼儀正しく接します。
一方で裏の顔は、犯人によっては精神的に追い詰めていくサディスティックな一面を持ち、負けず嫌いで悪戯好きという、どこか幼稚さを感じさせる性格も垣間見えます。
そんな一癖も二癖もある古畑ですが、10話『矛盾だらけの死体』のラストで、犯人から「友達、少ないでしょう」と言われた際、否定せずに意味深な表情を見せています。
また、最終話『ラスト・ダンス』では、
「犯人を相手にすると色々しゃべれるんですけど、犯罪を犯していない人とは、どうも会話が進まないんですね」
と語っています。
さらに32話『再会(古い友人に会う)』では、「敬語で話す癖が抜けない」とも明かしています。
これらの台詞から、古畑は相手と同じ立場で対等な関係を築くことが苦手な人物なのではないかと感じました。だからこそ、誰に対しても敬語で接することで自分を守る“盾”を作り、負けず嫌いで悪戯好きという本来の性格を内に押し込めているのではないでしょうか。
心の内を多くは語らない古畑ですが、14話『しゃべりすぎた男』では、今泉を「友人」だと語るツンデレな一面も見せています。誰に対しても見せる紳士的な態度だけでなく、今泉への悪戯や時折見せる砕けた言葉遣いは、心を許している証拠です。
身体的接触を伴うデコパッチンも、単なる愛のムチというより、古畑なりの友情表現なのだと考えられます。
(ちなみに『古畑任三郎 vs SMAP』では、現場鑑識に対してデコパッチンをしています。木村拓哉さんと香取慎吾さんを前にしており、その後のやり取りからも“パフォーマンス”であることが分かりますが……やっぱりただの暴力刑事じゃないか!)
まとめ|数字で見ると古畑任三郎はもっと面白い
- 古畑任三郎のデコパッチン回数は全43作で38回
- シーズンや状況ごとに明確な傾向がある
- デコパッチンはキャラクター理解を深める重要な演出
答え合わせのように番組を視聴し、集計結果が同じ38回だったと分かったときは素直に嬉しかったのですが、シーズンごとの回数にはズレがあることも判明しました。
何度も確認しているため、私の集計に間違いはないと考えています。
SNSや他のブログも探してみましたが、デコパッチンの回数について詳しく言及している記事は見当たりませんでした。
個人調べで分母が少ない状態ですので、もし『古畑任三郎』を最初から見直す予定がありましたら、集計に抜けがないか、あなた自身でも数えてみてはいかがでしょうか。
以上、『古畑任三郎が今泉慎太郎のおでこを叩いた回数を数えてみた』でした



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