刑事コロンボ 14話『偶像のレクイエム』散りばめられた伏線。事件の真相とは?

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【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「偶像のレクイエム」より引用】

【VS.ハリウッド女優】「視聴者への隠し事」がメインになるエピソードです。最後の最後で動機が判明します。コロンボのエピソードのなかでもフェアかつ、自然に散りばめられた”伏線”は見事。最後に全てが一致してエピソードの終幕を迎えます。

犯人は往年のハリウッド俳優。コロンボは青春のシンボルだとも語り、家族へ自慢の電話もしていました。芸能コラムニストに会社の経理不正を暴かれてしまい、彼が車で車庫に戻った時にオイルに火を着けて爆殺してしまうのです。しかし、車に乗っていたのは犯人の秘書だった……

徐々に明らかになっていく事件。最後に犯人が語る真相とは何なのか。犯人と刑事の逮捕劇ではなく、コロンボが共感し得る相手とのヒューマンドラマの骨格にもなっているエピソードになります。

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ココが見どころ‼

〇コロンボのカミさんは泥棒。

〇尋常じゃない汚れ方をしているコロンボの愛車。

〇切れのあるオチとは違い、最後の犯人語りが魅力的。

〇犯人役の人物設定は、本人の代表作「イヴの総て」に似ているそう。

データ

データ:詳しく見る
脚本:ストーリー監修:ジャクスン・ギリス

原案:リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク

監督:ニコラス・コラサント

制作::ディーン・ハーグローグ

音楽:ディック・デ・ベネディクティス

本編時間:74分

公開日:アメリカ/1973年1月21日 日本/1974年6月15日

あらすじ+人物相関図

ハリウッドを代表していた女優ノーラ・チャンドラーは、自身の映画撮影に金をつぎ込んでいたが、どれも興行的には伸びず、多額の損失を出していた。だが損失は、帳簿を不正に操作することで撮影所に押し付けていたのだった。

しかし、このことを芸能コラムニストであるジェリー・パークスに掴まれてしまう。また、長年の秘書であるジーン・デイヴィスは彼から求婚を受けていた。ジェリーは、不正の事実をネタにノーラを脅迫する。

その晩ノーラは、ジェリーが書店でサイン会をしている間に、彼の自宅に向かいガレージにガソリンを撒いた。ジェリーの車が戻ってくると火をつけ、車ごと爆発させたのだった。しかしその後、刑事と共に現れた男はジェリーであり、彼の車に乗っていたのは秘書のジーンだった。秘書の死を聞きその場にノーラは泣き崩れてしまった。

人物紹介

【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「偶像のレクイエム」より引用】

今回の犯人:ノーラ・チャンドラーアン・バクスター

吹き替え声優:藤波京子(ふじなみ きょうこ)

職業:ハリウッド女優

殺害方法:ガレージにガソリンを撒き車ごと爆発

動機:口封じのため

概要:詳しく見る
概要:子役時代から活躍をしていたハリウッドを代表する女優。映画業界が衰退してからは、活躍の場をテレビドラマに移った。未亡人であり亡き夫は撮影所の所長。彼が撮影所内に残した邸宅に住んでいる。邸宅は子役時代に建てられた物で撮影の合間に休憩できるようにと。

ジェリー・パークスには落ち目になった女優と言われるがその人気は健在ぶりで、金色の八角形というサングラス(逆にバレそう…)越しでも、ノーラと見抜いたファンにより囲まれている。コロンボも青春時代の憧れのスターで彼女と会ったときに嬉しさのあまり、カミさんに電話を掛けた。(しかし買い物中で電話には出れず)

撮影には滅多にNGシーンを出さないが、精神的に辛くなった際には酒を飲み撮影に臨む。念のため作品撮影時には、水筒に入れた酒をスタッフが準備している。最後にコロンボに全てを見抜かれ罪を自白するときにも酒を口に含んでいた。


【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「偶像のレクイエム」より引用】

今回の被害者:ジーン・デイヴィス(ピッパ・スコット)

吹き替え声優:牧野和子(まきの かずこ)

職業:秘書

概要:詳しく見る
概要:ノーラ・チャンドラーと18年間を共にした秘書。イエスマン(ウーマン?)であるようで、予定を断りノーラの急なお願いを聞き入れた。実際は依頼を聞く前に恋人のジェリー・パークスに会いにいっていたが……。

とにかくジェリーに夢中な様子であり、ノーラから彼との結婚は利用するためだと言われたときにはすぐに冷静さを取り戻したが、激高し声を荒げて見せた。

犯行計画

倒叙スタイルは冒頭20分には犯行計画が全て分かる形式になっていますが、このエピソードには視聴者への隠し事があります。

①ノーラ・チャンドラーは秘書ジーン・デイヴィスに衣装回収の依頼をする。彼女の車の後を、車で追うノーラ。

②ジーンはジェリー・パークスがサイン会をしていう書店へ寄っていた。ノーラはジーンの車の空気圧を抜き走行ができない状態にした。

③ジェリーの自宅にあるガレージにガソリンを撒く。彼の車が来たら火をつけ爆発させた。

コロンボの疑問点

〇ジェリーがもう一つ秘密を持っていると口にしたとき酒を飲もうとした。彼女は普段酒は飲まないが、精神的に追い詰められた時に酒を飲む。

〇犯行現場を目撃した証言によると立ち去った車は撮影所にある車と同じ型。20台あるがどれもキーは挿しっぱなしであった。

〇ジーンの車は修理点検を終えたばかり。穴が開いた跡もなく空気圧が下がるのは不自然。バルブが閉まっており、イタズラ目的だったら開けっ放しにしておくはず。

〇車を爆発させた犯人は近くで火を着けた。それならば車の運転手は見えたはず。あらかじめジーンを狙ったのではないか?


※ほかにもコロンボが手帳にメモしていることが多いのですがこれ以上は、事件の核心に触れますので他のサイトでご覧ください。

三幕構成

まとめ

これまでのコロンボに多かったパターンというのは、切れのある詰め手です。逃れられない証拠を突きつけられて犯人は、もはや何も言い返すことができずにエンディングを迎える。他にも犯人もそう多くは語らず、潔く負けを認めて画面外へ歩いていくことが多いと感じます。

このエピソードでは、敗北を認めた犯人の語りに対して、コロンボは殺人に至ってしまったことに対して否定はせずに傾聴していくのです。殺人という究極の手段に手を染めてしまった、コロンボが共感し得る犯人像の1つです。ただこの事件、もう1人犯罪者がいます……。

「カミさん記念品が好きでねぇ。レストラン行くたびに灰皿を盗んでいくんです

以上、14話「偶像のレクイエム」でした。