刑事コロンボ 64話『死を呼ぶジグソー』マクベイン原作第2弾

新・刑事コロンボ 64話 死を呼ぶジグソー
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【VS.????】刑事コロンボ史上、死者4名という最多のエピソードです。銀行強盗犯が、盗み出した莫大な金。これを隠したとされる地図の写真は、いくつかに分けられ、他の人物たちが所有をしています。この『写真の欠片』を巡り殺人事件や、コロンボ警部が潜入捜査を行います。

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データ

脚本:ゲイリー・デイ
原作:エド・マクベイン
監督・制作:ヴィンセント・マケヴィティ
制作:クリストファー・セイター
制作総指揮:ピーター・フォーク
音楽:ディック・デ・ベネディクティス

本編時間:93分
公開日:アメリカ/1994年5月2日 日本/1999年11月12日

あらすじ

ある晩、郊外にあるアパートの一室に忍び込む男がいた。住人の男が帰宅すると侵入者と鉢合わせになり銃声が響く。アパートの管理人は警察に通報すると、室内から相打ちになった死体が発見されるのだが、奇妙なことに遺体の手には写真を切り分けたピースの一片が握られていた。

翌日、コロンボ警部の元へ、保険調査員アーヴィング・クラッチがやって来て、7年前にロサンゼルスで発生した『400万ドル銀行強盗事件』について話した。半分に破かれた名前のリストに載る7名の人物が持つ写真のピースを合わせると、未だに発見されていない400万ドルを隠した場所を示す地図になるという。

半信半疑であったコロンボたちは、相打ち事件の被害者となった男のアパートを調べると、隠された写真のピースを発見する。コロンボたちは、名前のリストを頼りに残りのピースを集めていくが、行く先々ではその写真の断片を巡り、ジグソーに関わった人間が次々に殺害されていくのだった……。

7年前の銀行強盗事件に関して

ロサンゼルスで白昼堂々と起きた銀行強盗事件である。8月の雨の日に、4人組の男が『ナショナル信託カルバー支店』を襲撃。400万ドルを奪い逃走した。この事件は、今回コロンボ警部のパートナーとなった、黒人刑事『ブラウン』が担当していたが、現在も盗まれた金は発見されていない。※1987年8月=147円 400万ドル=5億8千800万円

アンソニー・ボナミーコ
4人組のリーダー。札付きのワルで15年の刑に服し、仮出所の身で銀行強盗を行った。
レオ・ダモーレ
前科者の男
マイキー・ライアン
前科者の男
デイビッド・スタイン
運転を担当。しかし、雨でスリップし他の車と衝突してしまう。

デイビッドのスリップ事故により、パトカーに囲まれて4人は射殺されてしまう。しかし、事件からわずか45分で車からは400万ドルもの大金が消えていたのだった。

銀行強盗事件後の保険調査員アーヴィング・クラッチ氏

今回の登場人物:アーヴィング・クラッチ
役者:エド・べグリー・Jr

吹き替え声優:納谷六朗

概要:保険調査員の男性。大学を卒業以来14年間、トランスライフ保険で調査員として勤務する。7年前に起きた『ロサンゼルス銀行強盗事件』を担当して、強奪金の捜索に携わるのだが2年間必死に探しても収穫がなかった。そのため、会社が補償金として400万ドルを支払うことになる。

これにより会社は大損。『給料は4年前よりぐーんと下がった』と語り、重要な仕事にも携わさせてもらえず、閑職へと追いやられてしまう。

強盗事件のリーダーであるアンソニー・ボナミーコの妻(メアリー)が、姉(ルチア)に財産を残しており、その中にアンソニーの筆跡で書かれた半分に破れた名前のリストと、写真のピースがあったのだという。

今回、アパートで起きた相打ち事件をきっかけに『この4年間、毎晩眠らずに考えて、やっと糸口を掴んだ』と話す。警察が新聞に公開した写真のピース。ルチアから買い取ったピース。そして、名前のリストには7名の人物が記載されている。これは、ジグソーパズルのように、7つのピースを集めることで、強奪金を隠した場所が分かるようになるはずだと警察に協力をしにきた。

ピース所有者に関して(名前リスト順)

ピース所有者:モー・ワインバーグ

役者:バート・ヤング

吹き替え声優:大塚周夫

概要:銀行強盗犯のメンバーであるデイビッド・スタインの友人。そのため、1枚ピースを渡されていた。警察の情報によると、プロの悪党ですぐに暴力を振るうとのこと。実際に、マフィアに扮したコロンボと協力関係を結んでいたのだが、銃を使って殺害しようともしていた。これは、コロンボによって見抜かれてしまい失敗している。

ジェラルディン・ファーガソンがピースを所有していることは把握しており、度々彼女の経営するギャラリーへ偽名を使って訪れている。偽名は2種類①アル・ランドルフ ②アル・ラインハートである。なお、本人が最初に語った名前ランドルフは忘れている。


ピース所有者:J・J・デリンジャー
役者:?

概要:物語冒頭で相打ちとなった拳銃を持った男性。アパートの管理人によると、5~6ヶ月間住んでいた。1人住まいで静か。家賃はしっかりと払ってくれていた。シルバーレイクにあるガソリンスタンドの夜勤で働いていたようだ。そのため、銃の所有許可を持っていた

ユージン・エドワード・アーバックに侵入され、銃弾を発砲した。相手の腹部と心臓を撃ったものの、喉を切られてしまう。監察医によれば、1分以内には出血多量で死んだとされる。ピースの隠し場所は、キッチンペーパーのロールの中であった。


ピース所有者:ユージン・エドワード・アーバック
役者:?

概要:物語冒頭で相打ちとなったナイフを持った男性。かなり身軽であり、自身の倍以上はある柵を駆け上がりアパートに侵入。非常階段から窓枠に移り、ナイフで鍵を開け部屋へと入った。しかし、帰宅したデリンジャーと対峙し、腹部に1発の銃弾を受けながらも相手の喉を切る。だが今度は心臓に銃弾を受けて死亡した。

侵入時の服装は、イタリア製の高級服。住宅地はロスモアという、洒落た場所に住んでいる。ピースの隠し場所は、電灯のソケットの中に入れていた。


ピース所有者:メアリー・ボナミーコ
役者:?

概要:銀行強盗事件のリーダーであるアンソニー・ボナミーコの妻。ピース2枚、名前リストの半分を所有していた。死亡する前に、アーヴィング・クラッチにピース1枚と、名前リスト半分を4万ドルで売っていた。死後、姉(ルチア)に遺産品として、残りのピース1枚が渡った。


ピース所有者:ジェラルディン・ファーガソン
役者:シーラ・デニス

吹き替え声優:鈴木弘子

概要:アンソニー・ボナミーコの愛人の女性。『ジェリー』と呼んでほしいと言っている。現在はマフィアから足を洗い、美術品を販売・展示する『ファーガスン・ギャラリー』を経営している。なお、値段はぼったくりである様子。警察を見抜く素晴らしい観察眼を持っており、変装したコロンボと初めて対峙した瞬間に警察の人間であると見抜いた。

夫ハロルド・ファーガスンは、ダイヤの取引業を営んでおり、銃の所有許可があった。銃はホルスターに収めていたようで、微妙に服に膨らみができるようだ。そのため、銃を所有できる職業、相手の言動などから警察か否かを判別できるらしい。なお、夫とは現在は別居中だ。

姉妹であり、妹のジニ―・ダモーレは、強盗犯のメンバーであったレオ・ダモーレと夫婦であった。妹のジニ―はマヌケだったようで、しっかりしている姉にレオからピース+名前リスト半分を渡された。

ファーガスン・ギャラリーの店主は、ブラムリー・カーンである。名前リスト半分を所有していることから、主にブラムリーが相手に交渉してピースを獲得しようとしたりしていたようだ。


ピース所有者:ドロシア・マクナリー
役者:タイン・デイリー

吹き替え声優:弥永和子

概要:強盗犯マイキー・ラリーの叔母であった女性。治安が悪い地域の安下宿に住んでおり、コロンボ警部が訪れた際には、外からは怒鳴り声やらが聞こえていた。住所登録や、ポスト投函にある名前の表記は『D・マクナリー』としている。

娼婦をしていたが、名前表記をDにすることで、客から名前を知られないようにしているようだ。現在はそういった仕事は(あんまり)行っていない……らしい。20年前には、ヌード写真なども出していたと推測できる話もしている。

ロサンゼルス警察の殺人課にいた『パット・マキャヴェ二―』という刑事と親交があった様子。コロンボも彼のことを知っているようであり、弟も警察をしているようだ。コロンボ曰く「すごく面白いやつだった」とのこと。病気をしているらしいが、その後は言及されていない。

マイキー・ラリーからは、ピースを1枚渡される。その後、マイキーと交流があったデリック・コームズからもピースを1枚送られた。だが、写真が宝の在り処という情報は聞いてはおらず、その存在は完全に忘れてしまっていた。

ボクサーの『ボビー・ウィリス(リングネーム:タイガー・ウィリス)』と同棲していたが、リングで若い選手との対決中に死亡したとのこと。


ピース所有者:デリック・コームズ
役者:(なし)

概要病院にて重体であった男性。マイキー・ライアンと親交があったようで、ピースを渡されていた。自身に何かあった際には、ドロシアへピースを送る約束をしていたようで、病気で死亡する前に約束通りドロシアへピースを送付していた。なお、ブラムリー・カーンも1度彼の元を訪ねた様子。しかし、重病でありまったく相手にされなかったとのこと。

ピース所有者の関係簡略図

死を呼ぶジグソー ピース所有者登場人物が多く、どこと接点や関係があるのか、よく分からなくなった方もいるのではないでしょうか?偽名が使われていたり、嘘をついている人物もいたり、さらに混乱する要因にもなりましたね。

小ネタ・補足

〇コロンボがマフィアに変装するシーンでは、曲調が『ゴッド・ファーザー』風になっているなどパロディを感じさせる。

〇『ピーター・フォーク自伝』”糸口”探し実践編-P.178によると、最後の決め手はピーター・フォーク氏のアイディアである。

まとめ

潜入捜査が大好きですといわんばかりのストーリー展開であり、コロンボ警部がいつものレインコート姿からたくさん変装するんですね。コロンボとして観たら異色作ではありますが、ミステリードラマとしての完成度はかなり高いと思います。

7年前にロサンゼルスで銀行強盗事件が発生して、逃亡の45分間の間に強盗犯4人は盗んだ400万ドルを隠したそうなのですが、隠し場所の写真を撮りそれを8つに分けて関わりのある人物に渡し終え、その後逃亡のさなかに、警察によって強盗犯4人は射殺されてしまいます。

45分間の間に可能なのか! あらかじめ、隠しておく場所の写真は撮っておいて、8つに分けて渡しておいたのでしょうか。隠された400万ドルには重りもついているようで強盗犯4人で運び出せたのかしら?

以上、「死を呼ぶジグソー」でした。

  1. 今回の娼婦のおばちゃん
    「死者のギャンブル」でギャンブル好きの甥を殺した人ですね
    また酒グビグビ飲んでるし醜いキャラ作りが合う人だなぁ

    ピーター・フォークが舞台出身だからなのか、
    度々同じ人が出てくるドラマだったのかと

  2. ≫今回の娼婦のおばちゃん
     タイン・デイリーさんですね。記憶に残りやすいキャラ付けですよね。
    ≫度々同じ人が出てくるドラマだったのかと
     シーラ・ダニーズさんが登場回数多いですね!

  3. 本作品は登場人物が多くて頭がごちゃごちゃでしたが、
    「ピース所有者の関係簡略図」でやっと人間関係とピースの行方が理解でき、すっきりしました。
    お陰様でゆっくり眠れそうです。
    ありがとうございました。

  4. お役に立てたようで良かったです(*^-^*)

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