刑事コロンボ 69話『殺意のナイトクラブ』虚飾のオープニングナイト

新・刑事コロンボ 69話 殺意のナイトクラブ

【VS.レイヴ・プロモーター】最終話です。これで見納めです。ラストの事件は男女共犯による『過失致死』で『死体なき殺人』です。36年前に放送された、エピソード第1作『殺人処方箋』も男女の共犯でしたね。

シリーズ有終の美を飾る演出は、いつものコロンボとは雰囲気が違います。オープニングの入り方、人物を映すカットなど真新しさを感じました。

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データ

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脚本:マイケル・アレイモ

監督:ジェフリー・ライナー

制作:ジョン・ホイットマン

制作総指揮:ピーター・フォーク

音楽:ケン・ジョーダン&ジム・レイサム

本編時間:88分

公開日:アメリカ/2003年1月30日 日本/2004年2月7日

人物相関図+あらすじ

刑事コロンボ 人物相関図

レイヴ・プロモーターのジャスティン・プライスは、投資家トニー・ガルパ―の援助により、夢だった自分のクラブをグランドオープンできるようになった。トニーはその帰りに、元妻ヴァネッサ・ファローの自宅を訪れると、彼女がジャスティンと恋人になっているのを知り激怒する。

2人は揉み合いとなると、はずみでトニーは突き飛ばされ、運悪く頭をガラステーブルに打ち付けて死んでしまったのだった。ヴァネッサは、すぐにジャスティンを呼んだ。トニーの父親はマフィアであり知られてしまえば自分の命はない。ジャスティンにとっても、彼が死んだと分かれば出資金の援助が受けられない。入金されるまでの間、彼が生きているようなアリバイ工作を行った。

数日後、ヴァネッサのもとに1本の電話が入る。それはトニーの事件についてだった。ジャスティンの元にもメールが届き、相手は記者リンウッド・コーベンだった。トニーの事件の後処理をしている所を写真に撮られてしまったようだ。リンウッドは金銭を要求してきた、このままいけば、この先ずっと揺すられることになる。2人は彼の殺害を計画したのだった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

共犯今回の犯人:ジャスティン・プライスマシュー・リス

吹き替え声優:香川照之(かがわ てるゆき)

銀河万丈版:佐久田脩(さくた おさむ)

職業:クラブオーナー

殺害方法:絞殺(リンウッド・コーベン)

動機:口封じのため

概要:詳しく見る
レイヴ・プロモーターとして、音楽イベントの開催を行っている男。元々は倉庫を借りて、音楽イベント開催をしていた。8年前から自分の店を経営したいと考えていた。そんな店の名前は『クラブ・ベイト(釣り餌)』である。フロアの床に3つの水槽があり、1000ℓの水を入れて下からライトを当てる。中には鯉を入れるため、釣り餌という名前にしたようだ。

グランドオープン間近だが、資金繰りが厳しいようだったが、投資家トニー・ガルパ―の資金援助を申し出てくれて開店するに至った。彼の元妻ヴァネッサとは、恋人関係にある。そのことは、トニーには言っていなかったようである。

ヴァネッサが彼を誤って殺害してしまった際には、共犯となり現場の後処理をした。しかし、その現場を記者リンウッド・コーベンに目撃されてしまう。口止め料として金銭を要求してきたため、このまま揺すり続けられないためにも彼の殺害を決意したのだった。

イベント主催者としては、パーティが終わるまでは、何かあった時のために基本的に会場にいるとのこと。脱水症状の未成年の参加者が救急隊員に運ばれた際には、責任者として署名をしていた。連絡はポケベルに入るようだ。

計画的な犯行ではなかったため、コロンボから証言の食い違いを責められることになる。自身なさげな言動が多く目立つ一方で、なぜかコロンボにアロハシャツを送っている(2回目にクラブであった際、花の首飾りをつけていたためか)。サイズは大きかったようで、コロンボはもう1サイズ小さめの服を探していた。


共犯今回の犯人:ヴァネッサ・ファロージェニファー・スカイ

吹き替え声優:甲斐田裕子(かいだ ゆうこ)

銀河万丈版:斎藤恵理(さいとう えり)

職業:女優

殺害方法:頭部打撲(トニー・ガルパ―)

動機:過失致死

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女優としてドラマ出演している女性。あまり売れていないようで、出演中のドラマは6話で打ち切りになってしまう。トニー・ガルパ―とは以前、夫婦関係にあったが離婚している。その際、多額の離婚金を入手したようだ。しかし、広々とした自宅は自身の金で建てたと話している。

現在はジャスティン・プライスと恋人関係にある。トニーの投資先の1人であり、ここから関係がはじまったのだろうか?トニーを殺害してしまった際には、2人で現場の後処理を行った。

自宅内では、胸元が見えるタンクトップや、ヘソ周りが見えるラフな服装を好んでいる。外出時には、色を統一した肌が見えない服装を好んでいるようであった。一応マネージャーもいると、エピソード内では話をしていた。


被害者今回の被害者:トニー・ガルパ―カーマイン・ジョヴィナッツォ

吹き替え声優:家中宏(やなか ひろし)

銀河万丈版:?

職業:マフィアの息子

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ニューヨーク5大マフィアのボス『ジョー・ジエネッソ』の息子。エピソード中において、このことを言いふらし、他者を卑下するような話は聞かれなかった。「良い相手に投資しろ」という親父の教えなのだが、様々な場所に多額の金を投資をしまくっている。逆に人が良すぎるような……。

女優ヴァネッサ・ファローとは、以前夫婦関係にあったが離婚し、多額の離婚金を支払ったようだ。離婚後も一応彼女の出演番組は見ていたようで、6話で打ち切りになることも知っていた。まだ気があったのか?ビジネスパートナーと付き合っていたことが不愉快だったのか?

ヴァネッサが、投資相手のジャスティン・クーパーと恋人関係にあったことを知ると「尻軽め!」とご立腹であった。その際、彼女と揉み合いになり、突き飛ばされた時にガラステーブルに頭が当たり死亡してしまった。

ちなみに、ヴァネッサのお尻を見て「相変わらずいい尻してやがるぜ」との発言も直前にあった。その後の発言、尻軽め!にかけたのかも知れない。

9日間(内最後の2泊3日はジャスティンの偽装工作)ほど、何らかの理由でホテルに滞在していた。また、レンタカーも借りていた。ホテルの部屋担当だった『ミッキー』によると、トイレで排尿する際、6日間外しっぱなしで床を濡れしてしまうとのこと。

ミッキーにも優しい面を見せており、彼女もまた本音を言いやすかったと語っている。トイレの排尿を外さないようにと言いつけられたが、結局は外してしまっていたようだ。


被害者今回の被害者:リンウッド・コーペン(ダグラス・ロバーツ)

吹き替え声優:後藤哲夫(ごとう てつお)

銀河万丈版:?

職業:記者

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フリーランスの記者の男。芸能人狙いのゴシップ記事を書いているようだ。元々、ジャスティン・プライスとはビジネス上の付き合いがある。彼のクラブに有名人がくると、羽目を外していけないことをする時がある。その際、リンウッドが呼ばれ現場の写真を収める。その後、マネージャーやエージェントにネガを買い取らせるという商売をしていた。

これまで2回訴えられており、何かと問題の多い人物である様子。酒浸りで、信頼できず、敵が山ほどいるなど、どの新聞社も彼を使わなくなっていた。ギャンブルで負けた25万ドルの借金まである。
※2003年1月:1ドル=118円 25万ドル=2千950万円

借金を返済したいためか?元夫婦関係にあった『トニー・ガルパー』と『ヴァネッサ・ファロー』のスクープを狙っていた。トニーはマフィアの息子であり、これをネタにすれば危ない橋を渡ることになるが、上手くいけば金になる。マフィアからは、取引先の新聞3社が脅され、取材中のネタから手を引けと車の窓がレンガで割られることもあった。

しかし、その後も貪欲にスクープを狙うべく、ショーン・ジャービスという老人から、3時間300ドルで庭の木に登らせてもらう。木に登った場所から見える景色は、ヴァネッサの家である。そこで偶然にも、ヴァネッサがトニーを殺してしまった場面、ジャスティンが事件を隠ぺいする場面の写真を収めることに成功した。 ※1時間:100ドル=1万1800円

これをネタに、ジャスティンとヴァネッサの2人に、25万ドルを脅迫した。また、会う際には女性も呼んで来いと伝えた。仕事部屋は、アパートの4階にある424号室だ。殺害される直前は鼻毛カッター、爪切り、マウスウォッシュと身だしなみを整え、女性と会うことを楽しみにしていたようだ。

警察によると、体重は100キロぐらい。4階の窓から落とされた際、首に巻きつけられたロープがきつく締まり、首の骨が折れたことが死因であるとのこと。その後、地面に落下し両足が折れ、その後体の上にヒーターが落下して、左胸が潰されるというオーバーキルである。

犯行計画/トリック

【トニー・ガルパ―を誤って殺してしまう。ジャスティンとヴァネッサは事件の隠ぺいを行う】

①ヴァネッサ・ファローは、元夫トニー・ガルパ―と自宅で揉み合いとなる。トニーが突き飛ばされた際、ガラスのテーブルに頭をぶつけて、過失致死を起こしてしまう。ヴァネッサからの連絡を受けてジャスティン・プライスがやって来る。2人は恋人関係にある。

②ジャスティンはクラブ開店のために、トニーから出資金を受けていた。振り込まれるのは36時間後のため、それまでは生きているように見せかける必要があった。また、トニーはマフィアの息子であり、もし死んだことがバレれば、ヴァネッサも命の保証がないため、何とかして事件発覚を逃れたかった。2人は共犯となり、事件を隠ぺいする。

③36時間後、トニーが泊まっていたホテルの部屋に入る。使用感を出しチェックアウトする。また、レンタカー店で車を返した。どちらも店員と会う必要はなく、顔認証などは問題なかった。

【トニー殺しを記者リンウッド・コーベンに目撃されていた。そのため自殺に見せかけて殺害する】

①ヴァネッサの自宅で、トニーが死亡した所を、フリーランス記者リンウッド・コーベンに写真で収められていた。金銭を要求してきたため、今後もゆすり続けられると考えた、ジャスティンとヴァネッサは、彼の殺害を決意する。

②ヴァネッサの運転する車でジャスティンは、02:00にリンウッドのアパートを訪れる。そこで、首を絞めて殺害しようとする。その後、日めくりカレンダーに書いてあるメモを破り捨てる。また、書類入れに入っている、トニーとヴァネッサの写真を回収した。パソコンの記事を消し遺書を打ち込む。まだ、リンウッドが生きており、窓の外に落下させた。首には紐を結んでおり、暖房機に括り付けていた。首吊り自殺したように偽装させたのだった。

推理と捜査(第二幕まで)

推理と捜査
〇リンウッド・コーベンの遺書がパソコンに打ち込まれており自殺の可能性があった。だが、口からはマウスウォッシュの香りがしており、爪も綺麗に切り揃えてあった。これから誰かと会うつもりだったようにも思える。

〇被害者の作業机には日めくりカレンダーがあった。23日、25日はあり、なぜ24日だけ破り捨てたのか? 鉛筆で25日を擦ると、24日に書き込まれた筆圧の残りが浮かび上がる。レイヴ(音楽イベント会場)で、会う約束をしていたようだ。

〇遺書はパソコンに打ち込まれていた。キーボードの指紋鑑定すると”E”と”I”だけ指紋が付着していなかった。しかし、遺書には”Eは12回”、”Iは11回”文字ある。手袋でキーボードを操作すると、指紋は消えるため、これは自殺ではなく殺人である。

〇日めくりカレンダーに書かれていたメモを頼りにレイヴへ行くと、新しく『クラブ・ベイト』を開店するチラシを発見した。そこにに行くと、オーナーはジャスティン・プライスだった。

〇リンウッドが死亡したとされる02:30頃、レイヴでは脱水症状の客がいた。レイヴの従業員は救急車を呼び、ジャスティンにポケベルで連絡をした。救急隊員の話では、書類にサインが必要のためジャスティンを待つ必要がある。15分間は待ったようだ。

ジャスティンから話を聞くと、イベントを催す時、何かあったときのために終わるまで会場にいると話す。それならば、昨夜救急員が来た時に、なぜ15分も遅れたのか?「ポケベルの電池が切れて入れ直した」とのことだが、最初に話を伺ったときには、朝はどこにも行っていないと言った。いつ電池を買ったのか?「買い置きの電池を入れた」と、訂正したのだった。

〇被害者は、ショーン・ジャービスという老人から庭の木に登らせてもらっていた。木に登って景色を見ると隣家のヴァネッサ・ファローの自宅が見えた。彼女から話を聞いていくと、「最近模様替えはしていない」と話す。だがカーペットに四角の凹みがあり、最近テーブルを変えたようだ。

〇リンウッドの書類入れを見てみると、ヴァネッサに関する6/22日の写真がない。ファイルまで作ってあったのになぜなのか?また、トニーの6/22日の写真もなかった。トニーの父親はマフィアである。さらに2人はかつて夫婦であった。

〇トニーは24日から行方不明となった。ホテル/レンタカーは本人の確認必要なしに支払を済ませることができる。ホテルには9日間滞在していた。部屋を担当していたメイドに話を聞くと、トニーはトイレを使う際に、排尿が外れて必ず床を濡らしてしまう。しかし、最終日だけは床を濡らさなかったようだ。

〇トニーの事件について、捜査状況を調べに来たマフィアの手下によると、トニーは多額の金をあちこちに投資していた。失踪後、投資状況を調べ、未決の取引は一旦停止した。しかし『ベイト』だけは、1足違いで投資が完了した。そこのオーナーはジャスティンである。

〇ヴァネッサがジャスティンに送ったポケベルの通話記録が、リンウッドが死んだ翌朝に集中している。2人は事件に関係がある。

小ネタ・補足

〇Blu-ray版及び日本テレビ版のタイトルが『殺意のナイトクラブ』。WOWOW版及びNHK版のタイトルが『虚飾のオープニングナイト』と2種類存在する。違いは吹き替えである。

〇第1作『殺人処方箋』の犯人は男女による共犯である。最終作『殺意のナイトクラブ』も男女による共犯であり、1人は女優であった。

〇石田版プライスの吹き替えを担当した『香川照之』は、学生時代にコロンボのノベライズ版を読破するほどのコロンボファンであることが、ブルーレイ版のライナーノーツで紹介されている。

まとめ

コロンボ役の『ピーター・フォーク』氏が2011年6月23日に逝去され、最後の刑事コロンボ作品になります。ストーリーや動機がわりとオーソドックスな展開なのですが、音楽や映像表現、クレジットの入り方など、従来のコロンボとは得て非なる演出であり、まるで違う雰囲気を楽しむことができるんですね。

『犯人vs.警察』というやり取りは控えめで、犯人の魅力が少ないのですが、その代わり事件解決までの手順が非常に丁寧に描かれています。被害者の口からミントの香りがしたからと臭いを嗅ぎまくり、トイレに腕を突っ込んで爪を取り出すなど、ハーキンズ巡査が若干引き気味です(笑)

そういった体を張った捜査だけではなく、犯人のわずかな証言の食い違いから推理をし、矛盾を突きつける鋭さもあります。巧みなコミュニケーションで情報を聞き取り、足で証拠をかき集め、絶妙なタイミングで犯人の不意を突く。この作品には、過去のエピソードを彷彿とさせるような場面もありました。

最終作でありながら新しい時代と融合した演出な意欲作。映像表現は違っていても、コロンボ警部の捜査方針は昔から変わっていないのです。最終回らしいエピソードではありませんが、時代が変化していっても、これからも警部は変わらずに事件を解決していくのだろうと感じさせる最終作でした。

以上、『殺意のナイトクラブ』でした。

  1.  遂に、昨年4月放送開始のコロンボも、終了してしまいました。
    これで水曜夜の楽しみが1つ減った感じで、寂しいです。
     水曜日は、居眠りしてしまわないように、お酒を飲まない日に決めていましたが、来週からどうするか。
     ちなみに、第12話「アリバイのダイヤル」以降は全て録画しました。
    第1話「殺人処方箋」は、DVDソフトを既に持っており、見逃した2~11話は、CDショップでDVDを注文しましたが、第1話と第12話は、重複してしまいました。
     来週からは、こうした録画やソフトを再生しようかと考えています。
     コロンボは、他の刑事ドラマと異なり、あらかじめ犯人が分かっている「倒叙方式」ですから、犯人が分かっていて面白く無いということが無いのが強みです。
     さて、今回は、私もヴァネッサの元夫トニーの遺体がどこから発見されるかに、注目していました。
     ジャスティンが「トニーの遺体が発見されない限り、証拠が無い」と高を括っていましたが、まさかああいう形で発見されるとは、ジャスティンにとっても想定外だったに違いありません。
     ところで、コロンボの吹き替え声優は、初代の小池朝雄さん。2代目が石田太郎さん。そして3代目が今回の、銀河万丈さんと、3人いらっしゃったのですね。
     小池さんと石田さんは知っていましたが、銀河さんの吹き替えは今回初めて見ました。
     
     

  2. アホです様
    ≫昨年4月放送開始のコロンボも、終了してしまいました。これで水曜夜の楽しみが1つ減った感じ
     2021年9月18日~BSプレミアムにて、毎週土曜日16時から全69作が再び放送予定となっています!

    ≫犯人が分かっていて面白く無いということが無いのが強み
     完全犯罪と思われた事件が如何にして崩れるのか? 犯人側の心理描写を存分に活かすことができ、犯人と刑事との間に生まれる対決感、共感もすることも出来ます。

    ≫小池さんと石田さんは知っていましたが、銀河さんの吹き替えは今回初めて見ました。
     過去に放送されていたテレビ版は、放送時間の都合上、カットされている場面も多くあったようです。カット部分を再集録するにあたり、「銀河万丈」氏が旧シリーズの所々を担当。正式に3代目となったのは、WOUWOU版放送の#67『復讐を抱いて眠れ』になっております。そのため、石田版と銀河版の2種類ずつ#67~69が存在しています。