刑事コロンボ 46話『汚れた超能力』新シリーズ開幕

新・刑事コロンボ 46話 汚れた超能力

【VS.超能力者】ここから、新シリーズとして刑事コロンボが再開します。前作から11年後……、通称「新・コロンボ」の始まりです。開幕エピソードはインチキ超能力者が復讐のために殺人を犯します。ギロチンを使用しての殺害という、今までにない残忍な殺害方法です。

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データ

脚本:ウィリアム・リード・ウッドフィールド
監督:レオ・ベン
制作:スタンリー・カリス
制作総指揮:リチャード・アラン・シモンズ
制作総指揮スーパーバイザー:ウィリアム・リンク
共同制作指揮:ピーター・フォーク
ストーリー監修:ジャクスン・ギリス
音楽:ジョン・カカヴァス

本編時間:93分
公開日:アメリカ/1989年2月6日 日本/1993年5月7日

あらすじ

自称超能力者エリオット・ブレイクは、恋人のアネマン心霊研究所所長ポーラ・ハルとグルになり、インチキで超能力テストの成績をあげていた。超能力を軍事目的に利用したい国防省フレデリック・ハローは、「超能力者キラー」の異名をもつマックス・ダイソンに真贋を依頼する。

だがエリオットとマックスはすでにグルだった。用意された超能力テストをトリックで突破したエリオットは、国防省から本物の超能力者であると認められた。その晩、マックスの作業部屋にエリオットが復讐のために現れる。

過去に2人は刑務所で脱獄を企てた同胞だったが、マックスは刑期を軽くしてもらう見返りに、エリオットの脱獄を密告していたのだ。マックスを作業部屋にあったギロチンで殺害すると、手品のトリックで部屋を密室にしてその場を後にしたのだった。

人物紹介(キャスト/吹き替え声優)

今回の犯人:エリオット・ブレイク
役者:アンソニー・アンドリュース

吹き替え声優:野沢那智

概要:国防省の支援を受ける「アネマン心霊研究所」に所属する自称・超能力者の男。研究所の所長である恋人ポーラ・ハルと結託して、国防省の超能力テストをトリックを使い、何とか合格点数をだしていた。

超能力テストは、被験者エリオットが、個室にいるポーラがめくったカードの図柄を読み上げる。その読み上げた図柄が嘘か本当かを当てるというものである。図柄は6種類(□/○/+/波型/△/☆)で、1回のテストで400枚をめくるようだ。

超能力テストのトリックについては、①波型から3枚目は嘘 ②□の次は本当。ただし○がない限り ③波型のあとの2番目の答えは嘘。など複雑に分けられておりポーラは苦戦している。このエピソードでの正解率は74%であった。エリオットとしては86%は欲しい様子。

国防省が用意するテストを突破したら、超能力者として認めるという打診がくると、それを引き受ける。相手は「超能力者キラー」の異名をもつ、マックス・ダイソンであったが、彼とは昔からの知り合いであり、すでにグルとなっていた。

マックスとの出会いは、ウガンダの刑務所である。50℃に達する灼熱地獄で日陰でも40℃はあった様子。エリオットはそこで、マックスから手品を教えてもらうなど師弟関係があったが、マックスは3年先に出所している。エリオットは出所して名前を変えており、獄中での名前とどのような罪で入ったのかは不明である。

マックスが彼に協力的だった理由として、2人でウガンダの刑務所脱獄を企てていたのだが。しかしマックスは、脱獄を試みようとしている奴がいると看守に密告し、刑期を軽くしてもらった。これの罪滅ぼしのつもりだったようである。

しかし、こんなことでは怨念は収まらない。毎晩マックスを殺すことばかりを考えていた彼は、マックスが作ったギロチンで殺害を実行した。たまたまギロチンがあったが、元々は拳銃で銃殺する予定だったようだ。

マックスの死から2日後に葬儀に参列し、そこで涙を流す。コロンボも参列していたが、マックスとはテストの日に初めて会ったと嘘を言っている。超能力者と超能力者キラー。敵対する関係であったのに、涙を流した。これは演技ではなく、嬉し泣きだったのだろうか。かつての師を敬っての涙であったのだろうか?

国防省から霊能力者と認められると、ロンドン超能力者協会から名誉会員の招待を受ける。研究所が発行している、カリキュラムファイル(プロフィール)によると、父親の仕事の関係で、ウガンダで生まれ育ったようだ。


今回の被害者:マックス・ダイソン
役者:アンソニー・ザーブ

吹き替え声優:阪脩

概要:「魔術王」の異名をもち、読心術にも自信がある。あらゆるトリックに精通し、今まで何百人というインチキ霊能力者を暴いてきた「超能力者キラー」としても知られる男。

今回は、国防省のフレデリック・ハローから依頼を受け、エリオット・ブレイクの超能力テストを担当することになった。しかし、彼とはグルである。手品のトリックを使ったテスト(ESP:超感応能力)を行う。テスト内容については以下の通りである。

①アルファ/ブラボー/チャーリーという名称の3人に、別々の車を操縦させる。
②車のケースの中には、市街地の地図/目隠し/ペン/ゴムバンド/コンパス/インスタントカメラが入っている。
③目隠しをして、市街地の地図をめくる。無作為に選んだページに、ペンで印をつける。そしてその場所に車で移動。
④東西南北を選ばせて、その方角にある写真を撮らせる。
⑤それをエリオットが念書(透視)する。
⑥3人に撮った写真をFAXで送ってもらう。果たしてエリオットは写真に映っている建物を書くことができるのか?というものである。

超能力者のインチキを暴くために、大学や企業。政府機関から依頼を受けているが、それだけでは生計をたてていない。彼によるとそう多くは報酬金はもらえないようだ。「マジシャンはマジックの仕掛け作りに限る」と語っており、精力的に作業部屋で道具作りを行っている。作った道具は、下の階にあるマジックショップに出品するそうだ。丹念混めて作ったギロチンのマジック道具であったが、それを利用され首をはねられるという残忍な殺害方法で殺された。

超能力者からは嫌われていたが、マジシャン仲間からは好かれており、「見事で古典的なトリック」と評価されている。著書としては、「ダイソンの読心術」を出版。トリックについても多く記載されている様子。ちなみにウガンダ刑務所への投獄理由は、ポーカーでイカサマをやり過ぎてしまったことによるものである。最後にスーパーで買った食材は、キャベツとコーンビーフ1.5㎏。ロールキャベツでも作るつもりだったのだろうか?

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まとめ

新コロンボとして、はじまりました。コロンボ警部がお年を召されたことで風格がでています。これによってコロンボの魅力である、「一見すると冴えない風貌で庶民臭い凡庸な人物」が少し薄らいでしまったように思います。

また、コロンボの吹き替え声優が「小池朝雄」さん→「石田太郎」さんになっています。このエピソードに限りは、なんだかコロンボが「オネエキャラ」っぽくなっています。特にその後のエピソードでは違和感はありません。

今回のエピソードは、日本のドラマ「TRICK」のように、インチキ超常現象を暴いていくみたいに、犯人は自称インチキ超能力者ということで、個人的には好きな設定のキャラクターです。

以上、46話「汚れた超能力」でした。

  1. この回で疑問に思ってしまうのは、やはり地図を使ったトリックがバレずにすまないんじゃということです。
    最初観たときは、おおーと感心したのですがよく考えるとマルつけたとして右ページにつけたか左ページにつけたか自分でわかるはず。
    するとつけてない方のページに丸があったら、おやってなると思うんですよね。
    三人いたと思ったのでバレない確率八分の1しかありません。
    (自分なんかだと底意地悪いので一枚捲った右上端に丸つけそうだし)
    また、インクの出ないペンと出るペンでは、書いた感じとか紙に擦れる音とかインクの匂いとかから敏感な人なら気づきそうです。
    後は輪ゴムで止めただけだと他のページ覗きそうだしうまくいく確率が数%しかなさそうに思えます。
    (某サングラスの地図好き有名人みたいな人がいたら一発でバレそう)

  2. ガガンボ様
    コメントありがとうございます。

    >>やはり地図を使ったトリック

    超能力者キラーとして実績のあるマックス・ダイソンですが、国防省が彼を信頼し過ぎな面がありますよね。もう少し身辺調査や、使用する道具のチェックを行い、公正公平性を確保するべきだと思います。

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