刑事コロンボ 58話『影なき殺人者』第3回間違い探し

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【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「影なき殺人者」より引用】

【VS.刑事弁護士】一部ファンに熱狂的な支持を受けている作品です。そのファンとは「バカミス」愛好家です。おバカなミステリーということで、まじめなことをバカなトリックを用いて殺人を犯したり、アリバイ工作を行います。

「そんなのありかよ!」と思わずツッコミをいれたくなる、そんな現実的ではない展開を楽しめる作品と言えます。バカミスの代表作品を例に挙げると『六枚のとんかつ』『四神金赤館銀青館不可能殺人』『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』『超・殺人事件-推理作家の苦悩』まだまだ、たくさんあります。

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ココが見どころ‼

〇コロンボ警部物忘れ気味……。時系列が違うのか?
帽子を装着している→「マリブビーチ殺人事件」では帽子が嫌いでつけないと語った。
愛車プジョーの屋根を開けオープンーにするのは初めてと語る。→「もう一つの鍵」「死の方程式」「断たれた音」「さらば提督」でもオープンカーにしています。

〇ロック歌手「リトル・リチャード」が本人役で登場。

〇主題歌は、ピーター・フォークのカミさん、今回の共犯でもあるシーラ・ダニーズ『closer』

データ

データ:詳しく見る
脚本・ストーリー監修:ウィリアム・リード・ウッドフィールド

監督:アラン・J・レヴィ

制作総指揮:ジョン・エプスタイン

共同制作総指揮:ピーター・フォーク

音楽:スティーヴ・ドーフ

本編時間:96分

公開日:アメリカ/1991年4月29日 日本/1995年5月12日

あらすじ+人物相関図

刑事弁護士ヒュー・クライトンは、法廷では無敗を誇る敏腕だ。そんな彼には、内縁の妻マーシー・エドワーズがいた。ヒューは、私立探偵に依頼をして彼女の不倫調査を行う。探偵がビーチハウスを隠し撮りしたビデオを見ると、マーシーと愛人ネディ・マルコムが愛し合う姿が録画されていた。

その晩にヒューは、マーシーの荷物を外に出し決別をする。しかし、これを不服とした彼女は、刑事弁護士としての信頼を損ねる嘘をでっちあげるという。もし別れるのならばと、500万ドルを要求したのだった。ヒューは、愛人に捜査の目が向くような殺人を計画する。

ヒューは、ビーチハウスの冷蔵庫の中にあるシャンパンに、注射器を使用して睡眠薬を入れる。マーシーがネディと会う日の朝、彼女に断酒の薬を混ぜて紅茶を飲ませた。マーシーとネディは、ビーチハウスで会い、いつものようにシャンパンで乾杯をする。しかし、断酒の薬の影響で、彼女はシャンパンは進まなかった。

ネディだけはシャンパンを飲み進め、睡眠薬の影響で気絶してしまう。そこに、庭師の恰好をしたヒューが入ると、彼女を扼殺したのだった。ネディが、しばらくして目を覚ます。すると、彼女の遺体を発見した。自身の犯行だと疑われることを恐れた彼は、その場を逃走したのだった。

人物紹介

【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「影なき殺人者」より引用】

今回の犯人:ヒュー・クライトンダブニー・コールマン

吹き替え声優:小林清志(こばやし きよし

職業:刑事弁護士

殺害方法:扼殺

動機:妻が邪魔になったため

概要:詳しく見る
概要:国内でも有数な刑事弁護士の男性。戦歴は無敗であり、その噂はコロンボ警部の耳にも届いていた実力者である。元ロック歌手のマーシー・エドワーズとは内縁関係にある。しかし、以前から彼女は、ドラマーのネディ・マルコムと愛人関係にあり、離婚を決意していた。

離婚を不服としたマーシーは、警官/判事/証人のすべてを買収していたとでっちあげると脅される。また、4年間で稼いだ金額の半額:500万ドルを要求されてしまう。秘書であるトリッシュ・フェアバンクスをアリバイ工作に利用し、妻の愛人ネディに疑惑の目が行くような殺害計画を画策した。

妻の要求金額から足し算すると、年収は250万ドルである。なお、弁護士事務所を建設中であり、残額はだいぶ少なくなっている状態であるとのこと。事務所内には、インディアンのブロンズ像/バッファローやカウボーイ。骨の人体標本などのインテリアを鎮座させていた。

※1991年4月:1ドル=137円 250万ドル=3億4千250万円 本当?

また、オフィスにはシャンパンを保管する専用のケースがある。すべて2つ星のシャンパンで、1985年もの175ドルするそうである。また、アルコールを飲み過ぎる傾向にあるのか?断酒する人が飲む、ジスルフィラムという薬を一時飲んでいたと話している。※175ドル=2万3975円

不倫調査を依頼した、私立探偵サム・マローンはおかかえ探偵なようである。ちなみに調査料金は750ドルするらしい。また、ビーチハウスの庭手入れは、庭師アンドウ・ミヤキに依頼。火曜の午後、金曜の午前と手入れをしてもらっている。※750ドル=10万2750円

裁判手法としては、番外戦術にある。相手検事の証言中に咳き込み、勢い立てて水を入れるなど。また、陪審員の感情に訴えかけて無罪を勝ち取る方法をとっている。コロンボからの追及を受け、司法検事への返答に関しても、相手に任せる、といった感情に訴えかけるものであった。担当した刑事事件は、自身の母親を14回肉切り包丁で刺した男の裁判である。

自宅はベルウェア地区。ビーチハウスは25903パシフィックにある。運転はかなり荒っぽい性格だ。ロス市警本部長の古い友人であり、市長の友人でもあるとのこと。


【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「影なき殺人者」より引用】

今回の共犯:トリッシュ・フェアバンクスシーラ・ダニーズ

吹き替え声優:塩田朋子(しおた ともこ)

職業:秘書

概要:詳しく見る
概要:ヒュー・クライトンの秘書である女性。ヒューからの奇妙な指示を受け、彼が事件の犯人であることを瞬時に見抜いた。警察に訴えで出ても、殺人幇助(さつじんほうじょ:手助けをすること)で捕まってしまうし、逆に脅しをかけて共犯となった。

3年前からパートナーに昇格するように迫っており、そんな彼女をアリバイ工作に利用してしまった。刑事事務所の共同経営者となり、さらに結婚迫る。自身を殺さないように生命保険までも掛けた。これじゃあ、マーシーを殺害する前と変わらないヒューさんである。

新しく建築された事務所は、ほぼ彼女に占領されてしまい、インテリアなどは撤去もとい、彼女の言葉を借りると「追放」されてしまう。また、壁を開けてバスルームを設置するなど、やりたい放題である。


【NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン:刑事コロンボ「影なき殺人者」より引用】

今回の被害者:マーシー・エドワーズ(シュリル・パリス)

吹き替え声優:弘中くみ子(ひろなか くみこ)

職業:元ロック歌手

概要:詳しく見る
概要:元ロック・スターである女性。刑事弁護士ヒュー・クライトンとは4年前から内縁関係にあり、正式には結婚はしていない。ヒューへの愛情はとうに果てており、金銭目当ての交際である。愛人であるネディ・マルコムはドラマーであり、バンド関連の仲間でもあったのだろうか?

ネディとは、毎週月/水/金の午後からビーチハウスで会い、17:30には帰るらしい。ロック歌手としては、一時有名人ということである。コロンボによると甥っ子が大のファンだった歌手とのこと。「もっともっと唇を重ねて」「もう一度私を抱いて」などタイトルを語った。

ビーチハウスでは、シャンパンを2人で飲んでいる。1つ星であり、酒店に注文して自身で購入しているようだ。死因は、首を絞められたによる頸部骨折である。よほど強い力で締め付けられたらしい。

犯行計画

【マーシー・エドワーズを扼殺。暴行の前科がある愛人ネディ・マルコムに疑惑の目が行くように仕立て上げる】

ネタバレ注意!
①秘書トリッシュ・フェアバンクスの車を借りる。彼女には、自分の車を運転してもらう。そして、パサデナで自分(ヒュー・クライトン)のお面をつけて、速度違反でオービス(自動速度違反取締装置)に写真を撮られるように指示する。共犯でもないのに頼むのはおバカ!
②ヒュー・クライトンはビーチハウスで、庭師アンドウ・ミヤキの作業車の中からスケジュール表を取り出し確認する。そして、ビーチハウス内の冷蔵庫に入っているシャンパンに、注射器を使用して睡眠薬を混入させた。

③マーシー・エドワーズが、愛人ネディ・マルコムと逢引する日の朝、紅茶の中に断酒の薬(ジスルフィラム)を混入させる。いつものように、2人でビーチハウスでシャンパンを飲む。しかし、断酒の薬の影響でマーシーはシャンパンは進まず。ネディだけ飲み進め、睡眠薬で気絶する。

④同時刻、ヒューは庭師の恰好をして、アンドウ・ミヤキの仕事先であるラ・メーサ通りから作業車を借りてビーチハウスまで向かっていた。ネディが気絶したのを確認すると、マーシーを扼殺した。シャンパンボトルとグラスを洗浄する。新しく持ってきたボトルから、洗浄したボトルに中身を移し替える。シャンパンボトルを、ネディに握らせて指紋を残した。

⑤ネディが目を覚ますと、マーシーは死亡している。自身には暴行の前科もあり、警察から疑われることを恐れた彼は逃走した。

コロンボの疑問点

推理と捜査
〇シャンパンを開けたときにでる、ホイルとコルクは2本分とも台所にあった。なぜ、寝室でシャンパンを開けたのか?1本をここで開けて乾杯し、寝室に運んだのは納得ができる。しかし、最初の1本を飲み終えたあと、なぜ2人で引き返し2本目を開けたのか。ロマンチックな状況で、2人で飲むならばシャンパンを開ける音を楽しむはず。シャンパンの醍醐味は音にある。

〇被害者の血液検査では、アルコールは見られなかった。しかし、空き瓶は2本。グラスも2つあった。飲まなかったのは、断酒の薬であるジスルフィラの影響である。この薬を、ヒュー・クライトンは持っていると話した。

〇ビーチハウスに庭師が来るのは、火曜日の午後と、金曜日の午前である。しかし、犯行日は庭師が来る曜日ではなかったのに、綺麗に地面が慣らされていた。また、寝室に飾られているCDアルバムに埃がついている。その上には通気口があり、何かを入れていたようだ。

〇ヒューの秘書トリッシュ・フェアバンクスが弁護士事務所の共同経営者となっていた。また、ネディ・マルコムから聴取を行うと、シャンパンを飲んでいたら気を失い、目が覚めたら被害者が死亡していたと話す。何か薬を飲まされた可能性がある。

〇私立探偵サム・マロ―ンは、ヒューのお抱え探偵である。毎週月/水/金の午後だけは空欄だった。また、タンスに並べられているカメラのレンズには、白い塗料が付着していた。これは、ビーチハウスの寝室の通気口と同じ塗料ではないかと問い詰めると真相を話した。ヒューは、妻が不倫をしていたことを知っていたのに隠していた。

〇被害者の首には、手袋をつけた状態で殺害された跡ができていた。手袋をつけてまで用意周到に殺害をした犯人が、なぜシャンパンのボトルに指紋を残したのか?

〇事件当日、ビーチハウスには、ヒューの車は目撃されなかった。庭師アンドウ・ミヤキから話を聞くと、ラメーサ通りから2ブロック分移動していたと話す。

〇被害者が注文していたシャンパンは、すべて1つ星であった。それなのに、犯行現場に残されていたコルクは2つ星だ。ヒューのオフィスにあるシャンパンボトルは、すべて2つ星である。

どのように決着をつけたのか
〇状況証拠がそろい、コロンボはヒューが犯人であると司法検事の前で断言した。しかし、そんな時にヒューの秘書トリッシュが1枚の手紙を取り出す。それは、オービスで撮影された速度違反の切手だった。犯行時刻とされる時間、ビーチハウスから80キロ離れたパサデナにいたことになる

コロンボは、システムの開発元に行き、速度違反の顔写真を拡大する。同時刻に速度違反となった他の運転者の顔写真と見比べていくとあることに気が付いたのだった。そして、自分の車を使い、同じ時刻に車を走らせ、オービスに写真を撮らせた。

その晩、コロンボはヒューの自宅に行き、速度違反の切手の矛盾点を突きつける。その矛盾とは、ヒューの顔写真には影がないことであった。他の速度違反をした運転手の顔には、鼻の下に影ができるが、ヒューの写真にだけは影がなかったのだ。これは、凹凸のない平面だからである。

コロンボは、ヒューを外に連れ出し、自分の車にライトを当てる。運転席にはコロンボのお面をつけた女性警官が乗っていた。やはり、光を当ててみると、鼻の下には影ができなかった。これで、彼のアリバイは崩れた。

そして、作業車の座席調整レバーを元に戻した時に、手袋の跡が残っていた。これは、被害者の首に残っていた手袋の跡と一致する。また、ロサンゼルス西部の一帯で、この時期に落下する実が落ちるのは、ラメーサ通りだけである。この実が、ヒューのフロントガラスの間に残っていた。彼が犯人である。

そういうとコロンボは、たどたどしく紙を見ながら逮捕前の令状を読み上げていく。相手は無敗の刑事弁護士で、そんなことはすでに知っている。だが彼は、うつむいて聞くしかなかったのである。

三幕構成

まとめ

犯人であるヒュー・クライトンは、有能な無敗の弁護士であると称されております。それが、こんなアリバイ工作を思いつくとは、おバカです。秘書も最初から共犯と言うのならばわかりますが、共犯ではない。結果として、秘書からも搾取されることになってしまいます。

法廷シーンでは、番外戦術に加え、感情に訴えかけて無罪を勝ち取ろうとするなど、あまり有能そうには思えません。被害者を殺害するに繋がった、警官/判事/証人すべてを買収していたことをでっちあげる。というのは、あながち嘘ではなく本当なんじゃないでしょうか?

犯人役のダブニー・コールマン氏は、コメディ俳優としてのキャリアがあります。有能な刑事弁護士ということを捨てて、完全にコメディ路線。有能風だった弁護士は、やっぱり買収していてそれを隠すために……。なんて妄想もしたりしましたが、バカミスは「真面目に不真面目」だからこそ生きてくるのかと感じました。

以上、「影なき殺人者」でした。