原題『mr. MONK and the Game Show』(モンク氏とゲームショー)というタイトルです。古畑任三郎をご覧になった方は、『VSクイズ王』を思い出すような舞台設定になっており、生放送中に行われるクイズ番組の司会者が仕掛けるイカサマをどのように見抜くことができるでしょうか? また、モンクの亡き妻トゥルーディの両親が初登場するエピソードでもあります。
あらすじ
ハリウッドで人気のクイズ番組「お宝ボックス」の司会者ロディ・ランクマンは、女性アシスタントのリジーから番組内でイカサマをしていると咎められる。プロデューサーに不正を告発すると迫られたため、彼女の車に細工を行い事故死に見せかけて殺害したのである。その後、モンクの亡き妻トゥルーディの父ドワイトが彼のもとに訪れる。ドワイトはクイズ番組のプロデューサーその人であり、連勝を続けている無学な回答者がイカサマをしているはずなのだが見抜けないため力を貸してほしいと捜査を依頼しにきたのだった。
登場人物・キャスト
今回の犯人:ロディ・ランクマン
役者:ジョン・マイケル・ヒギンズ
概要:クイズ番組『Treasure Chest(お宝ボックス)』司会者の男性。女性アシスタントのリジーから番組内で行っている不正を告発すると言われたため犯行に及んだ。制作会社を経営しているという一面があるが、借金により自己破産状態に陥っており、司会者としての収入やイカサマによる見返りを断ちたくなかったのであろう。
今回の被害者:リジー
役者:リサ・シェリダン
概要:クイズ番組アシスタントの女性。生放送中にロディが行っているイカサマに気が付き、これを番組プロデューサーに告発すると迫った。良い番組を作りたいという思いから、番組からの降板を求めるも自動車事故に偽装され殺害された。
まとめ
どのように犯人はイカサマをしているのかというシンプルな謎解き、モンクの幸せな過去の結婚生活が分かるエピソードです。シャローナの両親と実家が初登場し、彼女を失った悲しみをどう乗り越えることができたのか、モンクはどう過去と向き合い前に進んでいく覚悟をもつことができるのか、それらは彼女が幼少期に書いた日記の言葉で締めくくられるラストカットは切なくも感動的でした。一方で事件は、クイズ番組の生放送中にゲーム内の救済措置を使いながら事件を解決する流れも見事であります。
さて、本作の大きな特徴として挙げられるのが、助手であるシャローナの不在でしょう。彼女の母親が倒れて看病中のため、代わりに登場するのがモンクの住む部屋の2階の住人であるケビン・ドーフマン(役:ジャラッド・ポール)であります。かなりのお調子者でウザったい絡み方をしてくるのですが、私としては憎めない大好きなキャラクターです。
彼はシーズン2-10話『こわい女つよい女』で初めて登場した人物であり、宝くじで高額当選した後が知れるのですが、またしても悪い女性に騙されてお金を盗られてしまったようです。
しかし、その前向きな性格で過去にはクヨクヨしておらず、ポジティブな助手としての役割は、モンクのいつまでも過去にしがみつく捉え方とは正反対であり、シャローナの幸せな過去の映像が流れるという重いテーマが込められた本作の緩衝材として無くてはならない存在でありました。
以上、名探偵モンク シーズン3-8話『ファイナルアンサー』でした。