刑事コロンボ 第33話「ハッサン・サラーの反逆」外交官特権に守られた犯人をどう逮捕するか?

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【VS.外交官】普段とは違った雰囲気のエピソードです。ロサンゼルスでの事件とはなっていますが、領事館内での殺人。アラブ風の衣装がどこか違う国で起こった話のように感じます。犯人は外交官であり、「治外法権」により逮捕が困難になります。

領事館内に限って「別の国」という権利で、アメリカの法律が適用されないのです。これをかいくぐるには、国際問題になってしまいかねない。どうやってこの壁を乗り越えるのかが、今作品の焦点となります。

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ココが見どころ‼

エキストラで登場:ジェフ・ゴールドプラム

〇外交官が犯人であり国際問題に関わる。どうやってコロンボが逮捕するのか?

〇ドラマでは犯人の動機がよくわからん!

〇56:04~数秒だけ、メガネのエキストラとして参加。まだ無名だった『ジェフ・ゴールドプラム』SF映画の金字塔「インデペンデンス・デイ」、「ジュラシックワールド」など。

データ

データ:詳しく見る
脚本:ルー・ショウ

原案:ジェームス・メンティス

監督:テッド・ポスト

制作:エヴァレット・チェンバース

ストーリー監修:ピーター・S・フィッシャー

音楽:バーナード・セイガル

本編時間:74分

公開日:アメリカ/1975年10月12日 日本/1976年12月25日

あらすじ+人物相関図

ロサンゼルスにあるスアリ国領事館の総領事代理であるハッサン・サラーは、領事館職員のロッホマン・ハビーブをそそのかす。2人で警備隊長ユセフ・アラファの殺害を実行した。これを領事館外へデモ活動をしている、過激派学生の犯行に仕立て上げたい。

スアリ国王陛下の来訪があるため、警備に関する会議にロス警察へ出向くハッサン。その間、ロッホマンは警備隊長を装い彼に電話を掛ける。その後、金庫を爆発し車で裏門を突破して逃走した。その会議にはコロンボも同席しており、警備隊長は生きていたというアリバイが完成する。

領事館内で起こった殺人事件はコロンボが担当することになり、現場を検証していく。すると次々に疑問点が見つかっていく。これは内部犯の犯行だと確信する。ロッホマンに捜査の目が向くと、ハッサンは彼を事故死に見せかけて殺害したのだった。

人物紹介

今回の犯人:ハッサン・サラーヘクター・エリゾンド

吹き替え声優:井上考雄(いのうえ たかお)

職業:外交官

殺害方法:①撲殺(タイヤ・レンチ) ②懐中電灯で後頭部を殴打。車ごと転落死。

概要:詳しく見る
動機:①自国でのクーデター活動の一環 ②口封じのため

概要:ロサンゼルスにあるスワリ国大使館職員。正式名称は、『中東国家スワリ国在ロサンゼルス領事館領事代理』。なお、スワリ国は架空の国である。自身は王族の血を引いており、アラブ風の衣装に身を包んでいる。新しく即位したアーマド・カマル国王は西洋寄り考えであり、自国が諸外国の風土に染まることに不快感があった。言い換えれば自国への愛が溢れていた人物である。

総領事代理という役職についており、領事館内の全ての業務を担っている。銃を保管する管理室や金庫の番号、美術品の数々の手入れなどなど……。しかし、業務全般を担当しているといっても、その仕事を専門にしている人間のことまでは詳しくはなく、このことで殺害計画に穴が発生した。

保守的な考え方はどうかと、アーマド・カマル国王から言われた際には、「陛下のお父上からの伝統的なやり方をしているだけです」と語っている。アーマド国王の父親のことを尊敬していたのだろうか?

今回の殺人計画は自国でのクーデター活動の一環とされているが、言及は避け「我が国には勢力争いがあってね」というセリフのみにとどまっている。


今回の被害者①:ユセフ・アラファ(アンドレ・ローレンス)

吹き替え声優:木原正二郎(きはら しょうじろう)

職業:領事館警備隊長

概要:詳しく見る
概要:領事館内の警備業務担当をしている男性。15年間勤務しており、領事館の女性職員クセーニャ・グラチョスとは親交がある。彼女からプレゼントで貰った釣り鐘型のマグカップを愛用している。

釣り鐘型のマグカップ

マグカップには文字が入っているようだが、何と書かれているかは不明である。毎日15時に休憩がある。クセーニャによると、15時きっかり時計ではかったように、マグカップにコーヒーを淹れにきていたようだ。


今回の共犯者で被害者②:ロッホマン・ハビーブサル・ミネオ

吹き替え声優:宗近晴見(むねちか はるみ)

職業:領事館職員

概要:詳しく見る
概要:領事館職員の男性。暗号室勤務であり11年間働いている様子。文書の製造や情報の処理などを行う、コンピューター関連の職務である。クセーニャ・グラチョスとは同じ暗号室勤務であった。ハッサン・サラーにそそのかされて殺人計画に加担してしまう。計画成功のあかつきには、祖国で英雄として称えられると言われた。

クセーニャによるとよく食事を忘れるという。それほど仕事に熱中するのかも知れない。暗号室には電話などはなく、缶詰状態で仕事をすることも多いとのこと普段はコンタクトレンズを装着しており、メガネは3日前からつけている。

犯行計画

警備隊長ユセフ・アラファの殺害

※過激派組織による犯行と見せかける。
①ハッサン・サラーとロッホマン・ハビーブは共謀する。2人は室長室の金庫を開け、中から機密書類を取り出し燃やした。

②再び金庫を閉める。金庫の扉に爆弾を設置する。

③ハッサンは警備隊長ユセフに電話を掛けて部屋に呼び出す。ロッホマンはその間、デモ隊のスローガンである「政府粉砕」という意味の文字をスプレーで書く。

④ユセフが部屋に到着する。金庫を調べさせると、後ろからタイヤ・レンチで撲殺した。

⑤ハッサンはユセフが過激派組織に関与しているとされる書類をロッホマンに手渡す。これがあれば祖国で英雄として称されると言う。

⑥国王陛下来訪が来訪する予定であり、ハッサンはロス警察本部へ向かう。その間、ロッホマンは室長室に待機(ハッサンから16時に電話が掛かる。その後に金庫を爆破させる)

⑦ロッホマンから警備隊長のフリをしてロス警察へ電話。ハッサンに爆発する旨を伝える。警察の会議中であり、その時間は警備隊長が生きていたアリバイが完成する。

⑧ロッホマンは金庫を爆破。その後、車で裏門を突き破って逃走した。


ロッホマン・ハビーブの殺害

※運転中の事故に見せかける。
①ハッサンは事件翌日にロッホマンに電話を入れる。共謀を画策した丘へ呼び出す。

②ハッサンは旅券と、前金として1万ドルを手渡す。

③書類を確認させてほしいと頼む。ロッホマンが車の中を探しそうとしたとき、後頭部を懐中電灯で殴打し気絶させる。

④メガネをかけていないことに気が付き装着させる。その後、車ごと丘下に落とし、転落死させた。

コロンボの疑問点

ネタバレ注意!
〇警備隊長ユセフは爆発した音に気がつき、部屋にやってきたとされる。しかし彼は銃を抜いていなかった。何の警戒心もなく部屋に入ったようだ。

〇ユセフは後頭部を殴られていた。格闘の跡はなく、気を許した相手にやられたのではないか?

〇爆発の衝撃で天井から漆喰の粉が落ちていた。金庫の周囲や、燃やされた機密書類の上にも積もっていた。機密書類は金庫が爆発される前に金庫から出されて燃やされたことになる。犯人は金庫の番号を知っている内部の人間である。

〇ロッホマンが車で門を突き破り逃走した。守衛はライフルで撃とうとしたが、その日にかぎって銃弾が入っていなかった。

〇銃器を管理する部屋の鍵は、ハッサンと警備隊長が持っている。また、サラーは金庫の番号を知っている。

〇ロッホマンが持っていた1万ドルは総領事館の金庫から盗ったものではなかった。事件の翌日に銀行から払い出された金だった。

〇ロッホマンがニューヨークのホテルを予約したとされる、しかしその時刻は領事館の暗号室に仕事のため缶詰になっていた。その部屋には電話機がないため、ホテルを予約したのは別人である。

〇ロッホマンは、車の運転事故で死亡したとされる。コンタクトレンズを装着していたが、そのうえでメガネも掛けていた。コンタクトレンズをしていたことを知らない誰かが掛けたのではないか?

〇ユセフはいつも15時にコーヒーを警備室に持ち帰る。彼は事件日、16時過ぎに警察本部へ電話で連絡したとされる。それなのに警備室にあったコーヒーはまったく飲まれていなかった。彼は警備室にいなかった可能性がある。

〇修理に出されていた総領事館の車の走行距離がが51キロ増えている。ロッホマンが事故死したとされる現場と、総領事館との往復距離がちょうど51キロだった。

三幕構成

まとめ

動機がよくわからないまま進んでしまいます。最後にハッサンは動機を語りますが、「我が国には勢力争いがあってね」の一言だけなのです。おそらくクーデター活動の一環なのかと思います。

これは小説版によると今の国王を失脚させて、自分の王族に近い人物を国王に就任させる。そしてその国王も暗殺して、血の近い自分が国王の地位になれる!という計画であった。回りくどい‼

以上、33話「ハッサン・サラーの反逆」でした。