古畑任三郎 第1シリーズ10話『矛盾だらけの死体』あらすじと感想

古畑任三郎 10話 矛盾だらけの死体
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コメディアン・小堺 一機氏が慌てふためくエピソードです。小堺さんが役者として出演する作品を見るのは初めてでしたが、作品の傾向上、まるでコントを見ているかのような印象を受けました。疑心暗鬼に陥ってしまう犯人像が見事に描かれる面白さがあります。

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データ

脚本:三谷幸喜
監督:関口静夫
制作:フジテレビ
演出:河野圭太
音楽:本間勇輔

本編時間:46分07秒
公開日:1994年6月15日

あらすじ

参議院議員・鵜野忠国(森山周一郎)は、コンパニオンガール・沢田マリ(泉本のり子)と愛人関係にあった。この関係が公になれば議員失脚に繋がるため解消を申し出るが、彼女はそれを拒否し部屋から出ていこうとしたため、議員秘書・佐古水茂雄(小堺一機)は揉みあいの末に手を出して気絶させてしまう。

鵜野は沢田を始末するように指示すると、佐古水は睡眠薬を大量に服薬させ薬殺する。すると鵜野は、愛人は佐古水と関係があり、別れを告げられ自殺したという筋書きを立てる。最初から自分を身代わりにするつもりだったのだと逆上した佐古水は、鵜野を置き物で殴りつけて殺害し、沢田との無理心中に偽装したのである。

人物紹介(キャスト)

今回の犯人:佐古水茂雄(さこみず しげお)
役者:小堺一機(こさかい かずき)

概要:参議院議員・鵜野忠国の第一秘書である男性。鵜野と愛人関係にある沢田マリを睡眠薬を用い薬殺する。鵜野が二人は愛人関係にあり、別れを告げられたことで自殺した筋書きを立てられたうえ、議員としての魅力がないので次の選挙では立候補を推薦しないと言われてしまい逆上。彼を撲殺すると沢田との無理心中に偽装した。


今回の被害者:沢田マリ
役者:泉本のり子

概要:衆議院議員・鵜野忠国と愛人関係にあった女性。コンパニオンガールとして働いているそうで、どこで知り合ったのかは不明である。マスコミに関係を嗅ぎ付けられてしまったのか? 鵜野から海外でしばらく身を隠すように金を渡されるも拒否する。


名前:鵜野忠国(うの ただくに)
役者:森山周一郎

概要:参議院議員の男性。政治家らしく女性関係に緩い。また、政治家らしく逃げ口上が達者である。沢田と佐古水は愛人関係にあり、彼女は別れを告げられて自殺した筋書きを作りあげ、「殺したのはお前だ。私は殺せなどとは一言も言っとらん」と、政治家らしく秘書・佐古水に事件を丸投げし身代わりにしたてた。

次の選挙では、佐古水を後任として立候補することにしていたようだが、公約を守らないのも政治家である。議員として魅力が無いと酷評する一方で、秘書としての有能さは評価する。政治家らしく息子に世襲させるつもりである。

刑事コロンボからのオマージュ

〇被害者が死亡しておらず、病院で二度目の殺人を行う流れは、刑事コロンボ16話『断たれた音』から。また、体調不良を装い医務室から物品をくすねるのは、29話『歌声の消えた海』からのオマージュである。

〇佐古水茂雄から、古畑任三郎が凶器を回収した際のセリフ「こういうのを証拠っていうんです」は、刑事コロンボ第42話『美食の報酬』のコロンボのセリフからの引用である。

まとめ

古畑任三郎のドSぶりが遺憾なく堪能できるコメディ回でります。主犯は森山周一郎氏で進むのかと思いきや、その主犯も殺害したうえで愛人との無理心中に偽装する展開になっており、1~9話まで共犯が登場しなかったため、いよいよ共犯のエピソードが来るのかと思い身構えると騙されてしまいました。

喜劇王チャーリー・チャップリンは「人生は近くで見れば悲劇だが、遠目で見れば喜劇だ」と述べており、長い目で人生を見つめるとつらいことも楽しい思い出に変わるという意味合いであります。言い換えれば、『当人にとっての悲劇は、他人から見れば喜劇』とも捉えることができるのではないでしょうか。

まさにそのような感じで物語は進み、犯人である議員秘書・佐古水茂雄のストレスやらドキドキが見ていて同情をしてしまうのですが、喜劇的な面白さを味わうことができました。また、ミステリーとしても、犯人を疑うきっかけが電話機を使ったトリックならではの着眼点だったのは見事でした。

以上、『矛盾だらけの死体』でした。

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