各エピソードの名場面(かなりのネタバレを含む)と共に振り返る構成である。次回作が1999年1月3日に放送される『古畑任三郎 VS SMAP』で3年間の休載に入る。本作品はこれまでの記念碑的な総集編となっているのだ。
データ
あらすじ
警部補・古畑任三郎は、ある日を境に忽然と姿を消してしまった。テレビ局はこの事態に対し、関係者にインタビューを行っていく。古畑を良く知る同僚の刑事たちや、事件を解決されてしまった犯人にまで及んだ。どこに古畑任三郎は消えてしまったのか……?
親しい間柄である部下・今泉慎太郎は、古畑の早期解決や殺人事件に巻き込まれる回数が多すぎることから、犯罪組織と裏で繋がっており、事件に巻き込まれたと推理した。しかし、古畑が最後に言い残した謎の言葉『ボーズへッド』に辿り着いた。この言葉の真相とはいったいなんであろうか?
登場人物紹介/キャスト
今回の被害者:古畑任三郎
役者:田村正和
職業:警察官
小ネタ・補足
〇今泉慎太郎が古畑任三郎を殺そうと思った件に関しては、『古畑任三郎』放映日の深夜に放送された10分間のミニドラマ『今泉慎太郎』、「Episode05.慎太郎危機一髪」での一幕である。
〇24話までの犯人が登場するが、12話「最後のあいさつ」の犯人役を演じた菅原文太氏のみ音声のみの出演である。
まとめ
いわゆる総集編になっており、過去の映像を垂れ流しにすることはなく、古畑任三郎が消えてしまった事件について、関係者にインタビューを通し進むのがユニークである。逮捕された計24名の犯人たちが、後日談的な話をしてくれるのもファンには嬉しい。
事件を調査していく流れで、古畑の性格、捜査方法についての分析もされていく。特にお気に入りなのが、17分29秒から『同情できない犯人への対応』のくだりで、第8話「殺人特急」の犯人・中川淳一が食い気味に語るやりとりは絶品であった。芳賀刑事の毒舌ぶりが堪能できる!
いわゆるメタ演出としては、古畑が犯人に目星をつけるのが早すぎる、殺人事件に巻き込まれ過ぎている、と今泉慎太郎が『古畑は裏で犯罪組織と関与しているのではないか』という視聴者の気持ちを代弁するかの如く話しっぷりは面白い。
以上、『消えた古畑任三郎』でした。