古畑任三郎 第3シーズン9話(#36)『雲の中の死(追いつめられて)』あらすじと感想

古畑任三郎 36話 雲の中の死 追いつめられて
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飛行機内という限定された舞台で起きる事件です。この作品の大きな特徴に挙げられるのが、古畑任三郎がほぼ捜査に携わっていないことであり、西園寺くんが主体となって犯人を追い詰めていくことになるんですね。また、異色なシーンと言えば、被害者の大胆なキスシーンであります。そういった描写がほとんどなかった古畑任三郎シリーズにとっては意外なのでした。

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データ

脚本:三谷幸喜
監督:関口静夫
制作:フジテレビ
演出:河野圭太
音楽:本間勇輔

本編時間:46分07秒
公開日:1999年4月27日

あらすじ+人物相関図

古畑任三郎 雲の中の死 追いつめられて 人物相関図

西洋美術研究家・臺修三(玉置浩二)は、不倫相手の女性・市川由美子(川合千春)と飛行機内のトイレで密会中、乱気流で機体が揺れたことで彼女は壁に頭を打ちつけ死んでしまう。誰かに話せば、妻に不倫していたことがバレてしまうため、その場を立ち去ろうとするが少年に目撃されてしまう。

さらに、自席に戻ると、ネクタイピンを無くしていたことに気が付き、副パイロットに扮して現場に戻ると、「グレムリンを見た」と騒ぐ今泉に付き合うハメになる。そうこうしている間に西園寺くんは、由美子の遺体を発見してしまい、西園寺くんたちの前ではパイロットのフリをして捜査に協力する羽目になり、乗務員の前では乗客になる。大空の密室、臺にとっては最悪なフライトが始まったばかりであった。

人物紹介(キャスト)

今回の犯人:臺修三(うてな しゅうぞう)
役者:玉置浩二
職業:西洋美術研究家

西洋美術研究家の男性。南米から日本へ帰国する飛行機内で、愛人・市川由美子から妻と別れるようトイレ内で迫られる。乱気流で機体が大きく揺れると、バランスを崩した由美子が後頭部を打ち付け死亡してしまう。通報すると、恐妻家・もえ子に愛人の存在を説明することになってしまうため、彼女の持ち物に貼られている一緒に写ったプリクラを全て剥がし、自身との関係を断ち切った。


今回の被害者:市川由美子(いちかわ ゆみこ)
役者:川合千春
職業:不明

臺修三の愛人の女性。旅先にまで押しかけ、彼の泊まるホテル先にまで電話を掛けていた。修三からは「ゆみちゃん」と呼ばれており、妻と別れてくれるのかと催促をしていた。一緒に撮ったプリクラをちらつかせるとトイレ内に誘導。激しくキスをするなど大胆な女性であったが、飛行機が乱気流で大きく揺れるとバランスを崩し後頭部を打ち付け運悪く死亡してしまった。

小ネタ・補足・元ネタ

◯犯人の妻・臺もえ子を演じたのは、『もたいまさこ』氏である。スチュワーデス・空閑は、『北原一咲』氏。少年は『安達心平』氏が演じた。

まとめ

10話『矛盾だらけの死体』、22話『間違えられた男』に続くコメディー回になっております。放映時は「追いつめられて」というタイトルであり、それがそのまま当てはまるエピソードで、飛行機内という限定的な大空の密室が舞台であるため犯人は逃げ場もありません。

そんな危機的状況でパイロットに成りすました犯人は、ファーストクラス⇔ビジネスクラス⇔エコノミークラスと、刑事や乗務員の前で違う役割を演じなければならないという喜劇が生まれております。

ギャグ回に拍車をかけるのは、「冒頭のアバンタイトル」や「視聴者への挑戦状」の場面にもあります。完全なお便り紹介コーナーというメタ演出が全開となっており、こういったお遊びのシーンが散りばめられた本作品は、まさに異色なエピソードだったと言えるでしょう。

玉置浩二さん演じる犯人も良いのですが、ひと目で感じられる恐妻家・もえ子の存在感が素晴らしいです。犯人はパイロットに成りすましたばかりに事件捜査に協力するハメになるわけですが、妻からは雑誌を取りにいくように何度も命令されてしまう。それどころではない夫の心中をお察しできるやりとりが面白いです。

古畑には饒舌に話しをしているが、妻・もえ子には委縮しており、簡潔な返事しか返すことができていません。久々に気兼ねなく話せる相手がいて、ついつい口数が多くなってしまったんでしょうね。それを含めて、犯人が妻に物言うラストシーンはスカッとします。

しかし、犯人は何故そのような恐妻と結婚をしたのでしょうか? 昔は優しかったのかな。何か弱みでも握られているんじゃないのか。そもそもどうやって若い愛人ができたんだ! 語られることのなかったサイドストーリーは、西洋美術研究家な彼の職業のように、私たちが勝手に持論を展開するほかはないのであります。

以上、『雲の中の死』でした。

  1. 何度見ても厭きない所がいあんですよね☝️

  2. 屁の屁のも屁次郎さま
    ほとんどギャグ回な、逃げ場のない飛行機内で繰り広げられる成りすましもの。三谷幸喜氏のセリフ回しと、玉置浩二さんのユーモラスな立ち振る舞いが見事です!

  3. 追悼で関西で大放送しているのを観たんですがコレは「過失致死」になるんですね・・・
    なんか哀れだな
    もし、正直に「乱気流で頭を打って亡くなっちゃいました」って言ってたら事故で済んだのかな?

  4. 匿名様
    ご指摘ありがとうございます‼

    ≫コレは「過失致死」になるんですね・・・
     『事故死』で相違ありません。過失致死と書いてしまいましたが間違いでした。機体のトラブルによる不慮の事故です。

    ≫「乱気流で頭を打って亡くなっちゃいました」って言ってたら事故で済んだのかな?
     古畑さんも最後に言っていましたが、狭い空間で後頭部を殴ることはできないため、現場の状況などから事故として処理される可能性が高いかも知れません。

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