古畑任三郎 第3シーズン8話(#35)『完全すぎた殺人(頭でっかちの殺人)』あらすじと感想

古畑任三郎 35話 完全すぎた殺人 頭でっかちの殺人
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ゲストスターに「福山雅治」氏を迎えて科学者の犯人を演じています。(41分25秒)古畑任三郎「実に面白いことが起きるんです」とのセリフがあるのですが、事実上の「ガリレオVS古畑任三郎」なのではないでしょうか?

ガリレオ」は、福山雅治氏が演じる物理学准教授・湯川学がトリックを物理学による計算で解決する2007年の推理モノのドラマであります。その湯川の台詞で印象に残るのが、「実に面白い」というのがあり、今作品から8年の時を越えた繋がりがあるんだと勝手に感動しました。

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データ

脚本:三谷幸喜
監督:関口静夫
制作:フジテレビ
演出:河野圭太
音楽:本間勇輔

本編時間:46分11秒
公開日:1999年6月1日

あらすじ+人物相関図

古畑任三郎 完全すぎた殺人 頭でっかちの殺人 人物相関図

化学研究員・堀井岳(福山雅治)は、事故により車椅子での生活を余儀なくされていた。それを機に恋人・片桐恵(戸田菜穂)が自分から離れて、同僚の等々力(板尾創路)と結婚をすることを知ると双方に復讐を計画する。それは犯行現場に一歩も立ち入ることのない完璧な遠隔殺人であった。

人物紹介(キャスト)

今回の犯人:堀井岳(ほりい がく)
役者:福山雅治

概要:『バロネス科学工業株式会社』研究員の男性。片桐恵、等々力とは大学の同期でトリオで会社に引っこ抜かれていた。事故をきっかけに車椅子での生活を余儀なくされ、恋人であった片桐が自身を離れ等々力との結婚を決めると双方に復讐を決意する。


今回の被害者:等々力(とどろき)
役者:板尾創路

概要:『バロネス科学工業株式会社』研究員の男性。堀井岳、片桐恵とは大学の同期でトリオで会社に引っこ抜かれていた。学生時代には実験のミスで、研究室を吹っ飛ばした過去もある。

小ネタ・補足

◯罪を擦り付けられる片桐恵を演じたのは、『戸田菜穂』氏である。彼女をジャイアンツ戦に誘う研究員・島津を演じたのは、『竹沢一馬』氏である。

◯被害者・等々力の名前がスタッフロールでも明記されていない。28分33秒~西園寺くんが見せた宅配物の送り主を見ると、擦れていて断言はできないが『等々力雅史』という名前で表記されている。

〇福山雅治氏が演じる『堀井岳』の眼鏡ブランドは、「オリバーピープルズ」である。当時のライブでも使用していたようで、ドラマでもそのまま使用していたようだ。【出典:メルカリより

◯『バロネス科学工業株式会社』の住所についても記載されている。東京都武蔵野市 八幡◯? 8-29-16であった。等々力の住所は『東京都世田谷区 ◯?5-15-19 ガーデン前林213号室』にある。

〇事件があった日、等々力は「論文コンクールの審査会から入選を知らせる電話を待っていた」とあった。その後の西園寺くんの調べでは「予選すら通過していなかった」との流れがあるが、作中ではそれ以外に論文コンクールについての描写や説明がない。犯人が変声機で審査会になりすましていたのだろう。

刑事コロンボからのオマージュ

○大規模な研究施設、登場人物がほとんど白衣。犯人の心情が事件解決の決め手になるという設定は、刑事コロンボ23話『愛情の計算』をイメージしていると思われる。

○西園寺くんが事件捜査を一任され、今泉から「張り切っちゃって」と茶化される。結果、勇み足で罪を擦り付けられた女性を誤認逮捕してしまう。またラストシーンでは、その女性の横を犯人が通り過ぎる流れは、刑事コロンボ11話『悪の温室』からのオマージュである。
 若手のウィルソン刑事が事件捜査を一任され、コロンボから「張り切りボーイ」と茶化される。結果、勇み足で罪を擦り付けられた女性を誤認逮捕し、ラストシーンでは、その女性の横を犯人が通り過ぎるのである。

まとめ

実に犯行計画が複雑です。冒頭で犯人が行っていた謎の行動の数々は、視聴者は何をしているのかが皆目見当がつきません。それが後半になるにつれてすべてが繋がっていく流れは秀逸でした。

この複雑な計画を前に、西園寺くんが主導で捜査状況を語って聞かせてくれるのも、今一度トリックに関して視聴者側の情報を整理するために説明役が必要だったんですね。 罪を擦り付けられた片桐の犯行だと、道筋を立てながら聞かせてくれるのです。

内容的には復讐劇ではありますが、被害者を殺害して終わりではなく➀「罪を擦り付ける相手」がいること、➁「一歩も犯行現場に立ち入ることなく犯す殺人」などの特殊な設定のおかげで、ストーリーの幅を広がっています。

犯人は車椅子生活になった事故をきっかけに性格が歪んでしまったわけですが、頭の中で作り上げた完璧な殺人計画は計算外である事柄でもろくも崩れ去りました。その事柄に前向きに寄り添えれば起きなかった事件ですが、そのきっかけを閉ざしたのは自分自身であるのは皮肉な話でありました。

以上、古畑任三郎 第3シーズン9話「完全すぎた殺人」でした。

  1. 等々力は板尾創路さんです。
    顔でわかるし、
    最後のキャストのところにでてました。

  2. もちろん、等々力=板尾創路さんということは分かります。
    『等々力〇〇』と、キャラクターの下の名前がスタッフロールに明記されていないのです。
    宅配物の名前欄に見えにくいですが、「雅史」という文字が見えるので、それが本名なのではないかと思っております。

  3. 福山さん本人が今週の地底人ラジオで湯川の原点は堀井であるという趣旨のことをおっしゃってましたね。正確には三谷幸喜さんに会うたびにそう言われ、実際そうであると考えてるというニュアンスですが。
    この投稿の時点ではまだラジコのタイムフリーで聴けるようです。

  4. 冷房探偵様

    >>福山さん本人が今週の地底人ラジオで湯川の原点は堀井であるという趣旨
    >>まだラジコのタイムフリーで聴ける
     『2022.11.19』の聞きました! 福山さんと三谷さんお二人ジムでお会いするんですね‼ 会員になって遠目から眺めたい……
    『城塚翡翠倒叙集』は久しぶりの倒叙形式の連ドラで、近々では変則的なストーリ展開ですが2018年『探偵が早すぎる』、それ以前は2016年『IQ246』になり待ちに待った作品でした!

  5. この話のコロンボへのオマージュとして『美食の報酬』があると思います。
    犯人が殺人発生後に被害者以外のことを心配していないという行動をとっており、
    その不自然さが犯人特定のきっかけになっているという点です。
    コロンボ→被害者と毒入り料理をいっしょに食べたのに、自分の体のことは心配していない。
    古畑→爆発事故が起きたのに、爆発の規模への疑問を一切持たない。
    これらの言動により被害の範囲があらかじめ分かっている人物だと見抜かれてしまったわけです。

  6. ZYXW様
    >>コロンボへのオマージュとして『美食の報酬』
    >>被害者以外のことを心配していないという行動
    >>被害の範囲があらかじめ分かっている人物だと見抜かれてしまった
     
    なるほどです! 最初に質問をする項目が不自然であるため犯人だと見抜かれてしまう点は、初対面であった時にすでに死亡方法や時刻を知っていた『動く死体』や『若旦那の犯罪』にも近いですね。

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