古畑任三郎 21話『魔術師の選択』マジシャンズ・セレクト 

【VS.マジシャン】「全国の手品マニアの皆さん、マジックを見せるときは観客を選ばなくてはいけません。次の人々の前では決してやらないように。動物、子供、マジシャン。まず、動物は何が不思議なのか分かってくれません。子供はタネを見せろと必ず駄々をこねます。そして、マジシャンの前でマジックを見せるという事は、私の前で人を殺すのと同じくらい危険な事です。ご注意を」

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データ

データ:詳しく見る

脚本:三谷幸喜

監督:関口静夫

制作:フジテレビ

演出:松田秀知

音楽:本間勇輔

本編時間:46分10秒

公開日:1996年2月28日

あらすじ+人物相関図

魔術師の選択 人物相関図元マジシャンでマジッククラブ『ゴーストキャッスル』のオーナー・南大門昌男は、自分と同じようなプレイボーイのマジシャン・倉田勝男が、弟子の女性マジシャン・毛利サキと結婚するつもりだと知り、マジックの際中に倉田の謀殺を企てた。

マジッククラブの創立10周年記念パーティーは締めに移り、最後に南大門は『ESPカード』という相手が選んだカードを当てるマジックを披露することになった。古畑任三郎たちは、たまたま毛利から招待を受けており相手役に選ばれた。

マジックの途中、倉田が持ってきた瓶ジュースの中に、南大門は隙を見て顆粒の毒物を混入させる。古畑が選んだカードを見事に言い当てると『マジシャンズ・セレクト』を応用して、毒の混入した瓶ジュースを倉田自身に選ばせ毒殺した。倉田がジュースの用意をして、瓶を自分で選んだため自殺として事件は進むのだが、古畑は彼がマジックのタネを服に忍ばせていたことから疑いをもった。

人物紹介(キャスト)

南大門昌男 魔術師の選択 古畑任三郎

【©フジテレビビジョン『警部補 古畑任三郎「魔術師の選択」より引用』】

今回の犯人:南大門昌男(なんだいもん まさお)

役者:山城新伍

職業:マジッククラブオーナー

殺害方法:毒殺

動機:女性関係

概要:詳しく見る
元マジシャンでマジックラブ『ゴーストキャッスル』のオーナーである男性。自分と同じプレイボーイのマジシャン・倉田勝男が、弟子の女性マジシャン・毛利サキと結婚をするつもりだと知り、別れるように忠告したが了承を得られず。マジックの際中、瓶ジュースの中に顆粒の毒物を混入させる。『マジシャンズ・セレクト』を利用した手品で、倉田自身に瓶を選ばせると、自殺に見せかけて毒殺した。

5歳の頃から業界にいるベテランであったが、マジシャンは引退している。原因として、10年前にマジックで使用した薬品が化学反応を起こし親指を失くしてしまったためだ。それを隠すためにいつも手袋を装着している。そのため、若手の養成を兼ねてマジッククラブを設立していた。

マジックに対する心情、大切なことは以下である。
「(マジックの)途中で邪魔されるのが俺は一番嫌いなんだ」
「マジックで大切なのは、いかに相手の目を反らすかということ。これを業界ではミスディレクションと呼んでいる」
「優れたマジックには一切の無駄がない。一見なんの意味もないように見えて、実は意味がある」

女性客に対して堂々と胸を触ったり、すれ違いざまにお尻を触るなど、まさに「一見なんの意味もないように見えて、一切無駄がない」のである。「女にモテるマジシャンは必ず成功する」という持論をもつプレイボーイでもある。


倉田勝男 魔術師の選択 古畑任三郎

【©フジテレビビジョン『警部補 古畑任三郎「魔術師の選択」より引用』】

今回の被害者:倉田勝男(くらた まさお)

役者:池田成志

職業:マジシャン

概要:詳しく見る
薬科大学出身でマジシャンの男性。南大門昌男が面倒を見ている、弟子の女性マジシャン・毛利サキとは交際関係にあり結婚を考えていた。南大門から別れるように忠告を受けるが、それを断っていた。

南大門から「歩く生殖器」「1言でいえばジゴロ。2言でいえば女の敵」と評価され、付き合っている女性が多いようだ。「女にモテるマジシャンは必ず成功する」とのジンクスは南大門ももっており、毛利以外との女性関係はまったく気にしていない。

犯行計画/トリック

【手品を駆使して毒の入ったジュース瓶を選ばせる

①南大門昌男は、パーティーの締めに『ESP(超能力)カード』という、相手が選んだカードを言い当てるマジックを披露する。倉田勝男は途中でジュースを飲みたい人はいないかと問いかけ、人数分のジュース瓶を用意した。

②古畑任三郎が選んだカードは、後ろにある鍵付きの箱に入れられた。倉田は南大門から渡されたカギで箱を開ける。観客が箱に注目している間、1つのジュース瓶に毒を入れた。箱のカギが開くと、中には南大門の言い当てたカードが入っていた。観客は歓声を上げる。

③みんなにジュース瓶を配る際、南大門はマジシャンズ・セレクトを用いて、倉田に毒が入ったジュース瓶が渡るように仕組んだ。乾杯の後、しばらくして倉田は毒により死亡した。

④南大門は、倉田が長い間をかけて新しいマジックを考えていたが、同じような仕掛けのマジックがアメリカで完成されたのにショックを受けて自殺したのではないかとでっちあげる。マジシャンは常に人を驚かすことを考えており、自分の部屋で静かに首をくくる方が不自然であるとも告げた。(倉田は薬科大学の出身であり、毒物を手に入れることもできやすかった)

推理と捜査(第2幕まで)

ネタバレ注意!:表示する
〇被害者の服の袖には、手品のタネが仕込んであった。自殺する人間がどうしてこんな用意をしていたのか。後で何かしようとしたのではないか?

A.俺たちマジシャンはね、2言目には必ず言われるんだ。「なにかやってくれ」だから常に身体の一部にネタが仕込んであるんだよ。

〇被害者はお色直しをしている。ロッカールームには洗濯屋の袋が置いており、自分で名前を記入して日付は今日になっていた。自殺した時に着ていたジャケットは、

〇被害者が倒れた時、南大門はジュースを触ろうとした毛利サキに対して「触るな!」と声を出し制止させた。他にも料理は山ほどあり、被害者はチキンも持っていた。料理に毒が盛られているかも知れないのに、なぜすぐにジュースが怪しいと思ったのか?

〇手品の種類の中には、無意識の内に相手に狙った物を選ばせるという『マジシャンズ・セレクト』という技法があるようだ。これを応用すれば、被害者に毒が入ったジュース瓶を選ばせることができる。

視聴者への挑戦状

「えー、やはりあの時、倉田さんがジュースを取りに行ったのも南大門先生の計画の一部だったんです。えー、先生は一体どんな手を使ったのか?ヒントはこれ(ESPカード)。古畑任三郎でした」

三幕構成

魔術師の選択 三幕構成

小ネタ・補足・元ネタ

〇被害者役の池田成志氏は、第1話『死者からの伝言』でもプレイボーイの被害者を演じている。これによりシリーズ中、唯一2度殺害された役者でもある。

〇作品のモチーフとしては、刑事コロンボ『魔術師の幻想』から影響を受けていると思われる。こちらの作品もマジシャンが手品を用いて殺人を行うストーリーとなっている。

〇今作品の舞台となった『ゴーストキャッスル』は、三谷幸喜氏が脚本を担当したドラマ「やっぱり猫が好き」に登場するマンション『ゴーストキャッスル堂』が元ネタである。

〇犯人・南大門昌男の役者『山城新伍』氏の人物像を利用したエピソードである。私生活においてもプレイボーイな方であり、その先入観(イメージ)を南大門に当て込んでいる。山城新伍氏のことを良く知っている視聴者側が観れば、一種のミスディレクションを埋め込んだ意外な動機にも繋がる。

まとめ

このエピソードでは『マジシャンズ・セレクト』を応用して殺人を成功させました。知らず知らずのうち、自分でも無意識の内に誘導通りの物を選んでしまうものなんです。昔ですが「2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)」内で見つけた好きなコピペがあります。実際にあそんでみてね!

突然ですが、次の8単語の中から、ひとつを自由に選んでみて下さい。

【消費税】【収穫】【葬式】【アルミ】【筆】【お箸】【数珠】【半紙】

選びましたか?

では今度は、その単語と関係あると思うものを、次の8単語から選んで下さい。

【体育館】【1円玉】【グラタン】【米】【牛乳パック】【墨汁】【砂漠】【喪服】

はい、ありがとうございます。
選んだそれを強くイメージしてから、次に進みましょう。

そのものの特徴を、次の8つの中から選んで下さい。

【赤い】【長い】【小さい】【明るい】【広い】【黒い】【鋭い】【速い】

それでは最後に、その特徴に当てはまるものを次の8つの中から選んで下さい。

【シマウマ】【錦鯉】【ヒマワリ】【アリ】【イルカ】【柴犬】【モミの木】【カマキリ】

選びましたか?この仕組みを『魔術師の選択』といいます。
他にもやり方は色々あるらしいのですが、偶然や不思議な力による現象に見えても、実は仕組まれた出来事ということが世の中には沢山あるのです。

あなたが選んだものは『アリ』ですね?そんな答えもアリですね。

以上、「魔術師の選択」でした。