刑事コロンボ 第34話「仮面の男」その男、変幻自在につき。

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【VS.CIAエージェント】表の顔は経営コンサルタント。裏の顔はCIA西部支部長で2重スパイ!まさに変幻自在の仮面をかぶった犯人が2回目の登場、「パトリック・マクグーハン」です。さらには、今回のエピソードの監督も兼任しているのだから、多芸なお方です。

祝砲の挽歌では厳格な軍人役の犯人でしたが、今回はどこかユーモラスな人物です。初見で見た時には、パトリック・マクグーハンが役者だとは分かりませんでした。わたしだけ?

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ココが見どころ‼

〇変幻自在な「パトリック・マクグーハン」が監督、犯人役。

〇貴重なアリバイ崩しがメインシナリオ。

〇似顔絵の人物は23年後のエピソード、67話「復讐を抱いて眠れ」で使われる。

〇意外な決め手。最後のオチは「ちょっと何言ってるのかわからない?」(まとめ参照)

データ

概要:詳しく見る
脚本:ウィリアム・ドリスキル

監督:パトリック・マクグーハン

制作:エヴァレット・チェンバース

ストーリー監修:ピーター・S・フィッシャー&ビル・ドリスキル

音楽:バーナード・セイガル

本編時間:98分

公開日:アメリカ/1975年11月2日 日本/1977年9月24日

あらすじ+人物相関図

CIA西部地区責任者ネルソン・ブレナーは、死んだと思っていたエージェント「ジェロニモ」が現れて驚く。彼は、A・J・アンダーソンという名前を借り、死んだように見せかけていたのだった。ネルソンはCIAという地位を利用し、かつて2重スパイで大金を荒稼ぎしていた。その時、手助けをしたのがジェロニモである。

ジェロニモは2重スパイのことを口止めする代わりに、金銭を要求してくる。その件に関してはネルソンは了承し、それとは別に大金が入る仕事をしてみないかと誘う。その仕事とは、スタインメッツという男から海軍の暗号が入ったマイクロフィルムを回収することであった。

ジェロニモは待ち合わせ場所の海岸に向かい、そこでスタインメッツから依頼を受けたメルヴィルと会う。後日、金を持ってくる約束をして別れた。ジェロニモが戻ろうとすると、そこにはネルソンいた。彼はジェロニモを撲殺すると金品を奪った。この海岸は「追いはぎ天国」と呼ばれ、強盗の聖地だったのだ。強盗の犯行に仕立て上げた彼は、次の日にはテープレコーダーを駆使した完璧なアリバイも作り上げたのであった。

人物紹介

今回の犯人:ネルソン・ブレナーパトリック・マクグーハン

吹き替え声優:佐野浅夫(さの あさお)

職業:CIAエージェント/経営コンサルタント

殺害方法:撲殺(バール)

動機:口封じの為

概要:詳しく見る
概要:表の顔は経営コンサルタントで、広告業界社長からは敏腕と評価されている。スピーチの原稿執筆や、各方面にも顔が広い男性。裏の顔は、CIA西部支局長をしているかと思えば2重スパイだったりと、まさに仮面を被った男である。

2重スパイは3年前に南米某国で行い、300万ドルを荒稼ぎしたようだ。その時の相棒が、「ジェロニモ」である。彼は死んだと聞いていたが生きていたため、さぞかし驚いたに違いない。彼は2重スパイをしていたというネタをちらつかせ金銭を要求してくる。もちろん、このことがCIAにばれたら一貫の終わりであるために、殺人計画を企てた。※1975年11月1ドル=302円 300万ドル=9億6百万円

ジェロニモと仕事の依頼を確認した場所は、名探偵コナンよろしく遊園地である。「秘密の会話に秘密の場所を選ぶな。俺は遊園地という場所に不思議と心惹かれるんだ」と語っている。

仕事の内容は、スタインメッツから依頼を受けた取引相手(メルヴィル)から、海軍の暗号が入っているマイクロフィルムを受け取ることであった。なお、この仕事内容はネルソンが仕組んだものだと考えられる。ただ、スタインメッツ氏は存在するようなそぶりをCIA部長の言葉から推測できる。

自宅は、ヘリポートとプールを完備。また、4チャンネルスピーカーを搭載した最新の音楽機器もある。ロックやクラシック、ポップスなど幅広いジャンルを網羅している。なお、車で聞いていた音楽はジャズである。

自宅にある絵はすべて本物であり、応接間にある絵は1761年にオーストラリアで書かれた、「アメリカ大陸の発見」である。ギャンブル好きなようで、バッグギャモンにポーカー、麻雀まである。

スタインメッツ?に扮するネルソン・ブレナー

朝鮮戦争では、T-33シルバースターに乗り3つの勲章を獲得。英雄と呼ばれ、タイの女王の顔写真、バイエルン大学卒業。ニューヨーク州立大学、コロンビア大学理事などマルチに大活躍している。
15年前の朝鮮戦争中は髪はフサフサであったが、今ではだいぶ頭皮が後退しているようで、かつらを被っているとのこと。かれを利用して、年老いた老人「スタインメッツ」に変装した。

原稿執筆はタイプライターなどは使用せずに、レコーダーに声で録音する方法を使用している。遊園地では射的ゲームに興じて、ジェロニモと共に全発命中させている。景品のクマのぬいぐるみは、「アーチボート」と名付けて、少女にプレゼントした。


今回の被害者:ジェロニモレスリー・ニールセン

吹き替え声優:家弓家正(かゆみ いえまさ)

職業:CIAエージェント

概要:詳しく見る
概要:広告会社社員A・J・ヘンダーソンの名前を借りる、本名不明な男性。死んだと思われていたが、追手2名を返り討ちにして死んだように見せかけていた。これは部長の指示だった様子。3年前、南米某国でネルソンとともに2重スパイを働いた。この時の分け前を回収するために、ネルソンと再び接触したのだった。

いつも上着の下にショルダーホルスターを装着し、銃を持ち歩いている。射撃の腕はさすがは本職。遊園地の射的ゲームの的を全てヒットさせた。(ネルソンもすべてヒット)なお、射的ゲーム屋の店主によると、全発命中は半年に1回出ればいいとのこと。ネルソンは景品としてクマのぬいぐるみを持って帰ったが、彼は断っている。クマのぬいぐるみは1個20ドルであり1日2個も取られてしまうと赤字だったようで、「気前の良い男だったよ」と店主は語る。

ネルソンとは1967年にもコンビを組んでいたようで、その時はガチャガチャに隠されたフィルムを回収するなど楽しそうなことをやっている。

スタインメッツからの待ち合わせ場所近くにあるダンスバーでは、タバコの自販機が壊れたと嘘をいい、60セントをかすめるなど、せこい面もある。「金になる仕事」とネルソンから受けたスタインメッツの依頼も快諾しており。金に困っていたのかもしれない

記事の男:A・J・ヘンダーソン氏

本物のヘンダーソン氏は、世界中にある支社が効果的に機能しているかを調べる仕事をしている。コネチカットに住み、毎日ニューヨークに通っているようだ。

犯行計画

ネルソンのジェロニモ殺し

①ネルソンはジェロニモと遊園地で会う約束をする。

②ネルソンは原稿執筆の仕事がある。今日の夜にレコーダーに吹き込むので、秘書には明日9時に会社に原稿を取りに来るよう促した。

④遊園地でネルソンは、ジェロニモにスタインメッツからの仕事を受けさせる。

③ジェロニモはスタインメッツの依頼人(メルヴィル)と海岸で会う。そこで、金銭の確認をして後日会う約束をした。

④2人は別れる。そこにネルソンがいた。油断しているジェロニモをバールで撲殺すると、持ち物を全て回収する。海岸は「追はぎ天国」と呼ばれる場所で、強盗に襲われたように待ち合わせ場所を指定していた。

⑤次の日、ネルソンは7時頃に会社に到着する。そこで時計の針を10:55分に合わせる。原稿をレコーダーに吹き込んでいると、11時を知らせるチャイムが鳴る。これで犯行時刻である昨日23時には原稿を執筆しているというアリバイが完成した。

ネルソンとジェロニモはCIA職員だとコロンボに知られる。

①ネルソンはメルヴィルに電話をして会う約束をする。

②ネルソンはスタインメッツに変装している。乗ってきた車には爆弾を仕掛けており、メルヴィルごと爆発させた。

③爆弾は死なないように調整していた。警察はメルビルからスタインメッツの顔を聞いて、似顔絵を作成した。また、ヘンダーソン(ジェロニモ)のクレジットカードを持っていた。

④メルヴィルが殺人を犯してしまい、真実の発覚を恐れたスタインメッツが彼を殺害しようとした筋書きを作り上げた。

コロンボの疑問点

ネタバレ注意!
○被害者は正面から顔を殴られ、後頭部にも傷があった。遺体はうつぶせに倒れていたことから、まず正面から殴られたようだ。そうすると、顔馴染みで相手を知っていた可能性がある。

○被害者の上着が脱いであった。強盗ならば、なぜ上着を脱がせるような面倒なことをしたのか。

○遊園地で、ネルソンとヘンダーソンが一緒に映った写真が見つかった。ヘンダーソンの会社の人が、有名な経営コンサルタントとしてのネルソンのことを知っていた。

○スタインメッツに殺されかけた容疑者メルヴィルの車には、少量のプラスチック爆弾がドアにとりつけられていた。メルヴィルは、彼のボスのスタインメッツに殺されそうになったように見えたが、本当に殺すつもりなら、もっと多量の爆弾をエンジンにとりつけたはず。スタインメッツは彼を殺すつもりはなかった可能性がある。

○ネルソンはカツラをつけている。彼の顔写真から髪の毛をとりはらって、カツラと口ひげと眼鏡を描いたらスタインメッツに似ている。ネルソンが変装したのではないか?

○犯行時刻の23時にオフィスで原稿を口述録音したとされるテープには、ブラインドを閉める音が入っていた。ネルソンのオフィスにある窓は東向きである。太陽の日が入り込むため閉めたのではないか?そうすると、原稿執筆は朝の可能性がある。

〇ネルソンは犯行時刻とされる23時に、原稿を口述録音したアリバイがある。しかし、その口述の内容には、中国がオリンピックに不参加するという話が入っていた。中国が不参加を表明したのは、事件当日の6時である。この情報はどこも放送をしていなかった。そのため、原稿を録音したのは23時ではありえない。次の日の6時にニュースやラジオを聞き、これ以降に録音した以外は考えられずアリバイは成立しない。

三幕構成

まとめ

犯人が犯行を認めるときに、コロンボがこんな小話をしようとします。笑いどころはどこか?と迷う方が多いのではないでしょうか?

コロンボ「面白い話があるんです」
犯人「ほう?」
コロンボ「ポーカーと麻雀が賭けをした。はじめはポーカーが優勢。ところが後半…」
犯人「逆転」
コロンボ「そのとおり」

ネタバレ注意!:事件解決の決め手
事件解決の決め手は「中国」に関すること事柄なのです。犯人は卓上ゲームが好きな人物であり、自宅には麻雀とポーカーがありました。また、麻雀といえば中国になります。それになぞらえて「コロンボ=麻雀」「犯人=ポーカー」と見立てます。事件は終始、犯人が優勢でしたが、最後の最後で「中国に関する事柄」でコロンボが勝つ。そのオチを犯人から先に言われてしまったので、オチないオチとなってしまいましたね

小説版のラスト

コロンボ「ブレナーさん。笑い話があるんですよ」
犯人「ほう?ぜひ聞きたいね」
コロンボ「今日、中国人が気を変えたそうで、ゲームに参加するそうですよ」
犯人「ゲームに?麻雀のだろ?」
コロンボ「わかっちゃいましたか」

ネタバレ注意!:事件解決の決め手
こっちのほうが分かりやすいですね。逮捕の決め手が「オリンピックの参加表明」に関することです。「中国が参加しないっていってたんですけど、やっぱり参加するみたいですよ」「えっ!?そうなんだ!!」「麻雀のですよ(笑)」「そっちかよ(笑)」みたいなリアクションを期待して、犯人を騙そうとコロンボが悪だくみますが、犯人にあっさりと見抜かれてしまうというオチになります。

以上、34話「仮面の男」でした。