古畑任三郎 43話『中学生古畑』子供時代の番外編

古畑任三郎 43話 古畑中学生~生涯最初の事件~
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若き日の古畑任三郎を『山田涼介』氏が演じる番外編的なエピソードです。田村正和氏が演じる古畑任三郎は冒頭のタイトルでのみ登場しており、これが最後の古畑役となりました。田舎の村を舞台に巻き起こる小さな事件が、やがて大きな事件へと変貌を遂げるのは面白かったです。

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データ

脚本:三谷幸喜
監督:関口静夫
制作:フジテレビ
演出:河野圭太
音楽:本間勇輔

本編時間:95分46秒
公開日:2008年6月14日

あらすじ

田舎にある「杉の森中学校」に、東京から古畑任三郎(山田涼介)が転入してきたが、推理小説ばかりを読む古畑はクラスから浮いた存在であった。ある日、同級生の向島音吉(タモト清嵐)が、教頭・森脇(浅野和之)から花壇を荒らしたとあらぬ疑いを掛けられた所、推理をして救い出し友情が芽生えた。一躍有名となった古畑の元には、学校の生徒から様々な依頼が舞い込み、謎を解決していくことで自信が付いていくと、音吉はその推理力をもっと活かしてみればと、一緒に村はずれの小屋に「古畑探偵事務所」を作ったのだった。

小ネタ・補足・元ネタ

〇キャスト一覧
・古畑任三郎(中学時代):山田涼介

・向島音吉(中学時代):タモト清嵐

・戸部明日香(同級生):福田麻由子

・真鍋(同級生):柴田将士

・森脇(教頭先生):浅野和之

・野々山(科学教師):原田泰造

・蒲郡(村役場助役):甲本雅裕

・和尚:石田太郎

・古畑の母:石田ゆり子

〇ロケ地は、山梨県にある『北杜市フィルムコミッション』である。

〇作中で登場した『シャーロック・ホームズ』のタイトル

バスカヴィル家の犬

赤毛連盟

美しき自転車乗り(孤独な自転車乗り)

マスグレーヴ家の儀式

まとめ

中学生時代の古畑を描いた回想編です。犯人側の犯行から描かれる倒叙形式ではなく、物語が進行して謎が生まれるミステリー形式になっております。古畑の母親が登場したり、向島音吉が同級生だったりと、やりたい放題な設定はまさに番外編的な立ち位置だからこそ許された展開でしょう。

物語は、子供時代の出会いや経験というものを主軸に進んで行きます。初恋人生の教訓となる教え。田舎が舞台だったため、後の「灰色の村」や「今、蘇る死」での田舎に対する偏見は幼少期の影響だったり、古畑が勝気のある美人や辛い目にあっている女性に寄り添いたくなるというのは、初恋の女性の存在があったからなのだろう。

犯人視点から進むというシリーズの掟がありましたが、これを破った本作。三谷幸喜氏の執筆の幅も大いに広がりました。ドラマ面も魅せつつ、ミステリー面も巧みに織り交ぜており、次々と舞い込む村での事件が一本の線に繋がったのは見事です。

ドラマなどを見ていると、よくそんなに色んなことが起きるとは一度は思ったことがあるのだが、上手くメタ演出で事件に組み込んでいます。

古畑任三郎=田村正和氏という構図があるため、山田涼介氏が演じる幼少期の古畑はどうなるかと思ったのですが、小生意気で理屈っぽくて群れない。それなのに自分の興味があることには貪欲で悪戯心がある。そんな学ラン姿の山田くんがとっても可愛いのであります。

以上、『古畑中学生』でした。

  1. 古畑の黒ずくめの服装、セリーヌの自転車、人の嘘を見破る捜査方針は、教頭先生に影響されたものだったんですね。

    霊能力者・黒田清との対決で、黒田の「あなたに強い影響を与えた人物がいますね?」とのリーディングに対し、古畑は「私はこれまで誰の影響を受けずに生きてきました」と返して突っぱねてますが、古畑中学生を見た後だと、これは黒田をやり込めるための方便だったという事になります(思いっきり後付けですが)。

    また、古畑は笹山アリに「子供の頃新聞の誤植を見つけては投書してました」と言っているので、そのシーンも加えてくれたら完璧でしたね。

  2. T-yoko様
    >>古畑の/捜査方針
    >>先生に影響されたもの
     『中学生古畑』ご視聴されたのですね! 古畑任三郎の過去編ということで、今まで謎に包まれていた古畑のバックグラウンドを垣間見ることができる物語ですよね。冒頭で犯人が提示される形式ではなく、徐々に犯人を突き詰めていくミステリー形式になっており、影響を受けた人物が実はそっちであったと視聴者の先入観を逆手にとった演出も面白いです。

    >>霊能力者・黒田清との対決
    >>黒田をやり込めるための方便だった
     この点をお気づきになられましたか! 向島巡査と知り合いだったということでも後付け感がぬぐえませんが、黒田は「影響が受けたことをあなたが気づいていないだけです」とも言っており、知らず知らずのうちに古畑は教頭をモデリングしていたのかも知れませんね。ただ冒頭で、「今のこの私があるのも、その人との出会いがあったればこそです。今でも目を瞑ると、瞼の裏にその人の顔が浮かんできます」と語っていますので、おっしゃる通り黒田を追いつめる嘘であったのでしょう。

    >>「子供の頃新聞の誤植を見つけては投書してました」
     探偵事務所でこういったシーンが小ネタとして用意されていたら面白いですね。

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