古畑任三郎 最新作『一瞬の過ち』あの刑事が文章で復活

フジテレビで1994年~2006年まで続いた刑事ドラマ『古畑任三郎』が、朝日新聞のコラム『三谷幸喜のありふれた生活』で、短編小説として特別に復活をしました。

タイトルは「一瞬の過ち」。全4回にわたり連載され、「事件編」、「対決編」が2回、「解決編」に別れております。ファンにとって待ち望んだ最新作は大変嬉しいです。

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あらすじ

脚本家・三谷は、俳優・大泉妙(みょう)が主演する映画の完成披露試写会に、サプライズゲストとして呼ばれ壇上で花束を渡すことになった。これは、前々から大泉を殺そうと思っていた三谷にとって、またとないチャンスである。

大泉に内緒で、スタッフから会場と隣接するバリトンホテルに案内されると、それとなく彼の部屋番号を聞き出す。三谷は変装して自室から抜け出すと、半開きになっている大泉の部屋をノックした。返事がしてから室内に入ると、自作のサイレンサー銃で彼を射殺したのだった。

人物紹介

今回の犯人:三谷

職業:脚本家

殺害方法:射殺(サイレンサー銃)

動機:自分より先にアニメ映画のDVDを見られた

概要:脚本家の男性。5年前の午後の休日、自宅で大泉妙と彼の家族を誘いパーティーを開いた。急な仕事が入ったため、社交辞令で家でくつろぐように促すと、真に受けてDVDの『アナと雪の女王』を最後まで観続けた。まだ自分がDVDを観ていなかったために殺意が芽生える。大泉が主演をする映画の完成披露試写会に、サプライズゲストとして呼ばれたことから殺人を決行した。

脚本家としては、書いた台詞を役者が口にして初めて作品が完成するという考えをもっている。そのため、役者には敬意を払い対応している。だが、先のDVDの一件から大泉妙にだけは敵意を払っているようだ。サイレンサー銃は、ネットで作り方を調べて完成させた自作品であるとのこと。


今回の被害者:大泉妙(おおいずみ みょう)

職業:俳優

概要:俳優の男性。非常に明るく、察しの良い性格でバラエティー番組でも活躍をしている。お調子者のようにも見えるが、真面目な性格でもある。納得できない台詞や演出があると、脚本家や演出家に抗議をするそうだ。映画では主演も務め、完成披露試写会前に射殺されてしまった。

視聴者への挑戦状

「簡単な事件でした。三谷先生は俳優大泉妙を射殺しました。私が最初に彼を怪しんだと思った理由は、一体なんでしょうか。古畑任三郎でした」

小ネタ・補足

〇俳優・大泉妙のモデルは、『大泉洋』氏だと思われる。性格を綴った文章などが、洋氏の性格と似ている印象を覚える。また、犯人である三谷氏は、自身をモチーフにしているのだろうか? (※第4回にて、被害者のモデルは大泉洋氏であると記載されました)

〇犯行現場となったのは『バリトンホテル』である。三谷幸喜作品に良く登場するホテルであり、古畑任三郎においては、『間違えられた男』『黒岩博士の恐怖』『フェアな殺人者』で登場している。

〇対決編②で、古畑任三郎から被害者の血が付着したシャツを見られそうになる。とっさに犯人が古畑にぶつかり、彼の鼻血に紛れ込ませるやりとりがあった。13話『笑うカンガルー』でも、犯人が血の付いたティッシュを今泉慎太郎の鼻血に見せかけるシーンがある。

〇2020年4月22日に「何か楽しい話題を提供したい」とのことから、『古畑任三郎』を連載すると三谷幸喜氏が語り、当初は全3回の予定であった。4月23日には、「書いていたら楽しくなったので、4回連続にして欲しい」という、三谷氏の希望で「対決編」が1本多くなっている。(朝日新聞デジタル:三谷幸喜のありふれた生活 編集部より参照

古畑任三郎の小説がある新聞発刊日

1回『事件編』:2020年4月23日夕刊(地域により24日朝刊)

2回『対決編①』:2020年5月14日夕刊(地域により15日朝刊)

3回『対決編②』:2020年5月21日夕刊(地域により22日朝刊)

4回『解決編』:2020年5月28日夕刊(地域により29日朝刊)

朝日新聞が購入できる場所

1部から購入可能です。朝刊は『150円』夕刊は『50円』から販売されています。夕刊が発刊されていない地域もあります。

① 都区や市町村にある最寄りの『朝日新聞サービスアンカー(ASA)』
コンビニエンスストア(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、デイリーヤマザキ等々)
駅の売店

※会員登録が必要ですが、『朝日新聞デジタル』から直接読むことも可能です。

見逃した方

朝日新聞社で過去の記事をコピーしてもらえるサービスがあります。1記事100円から送料別で、『こちらから』サービスに関する項目が記載されており、電話から対応してもらえるようです。「国立国会図書館」においても、記事のコピーをしてもらえるサービスがなされております。

また、バッグナンバーとして朝日新聞本社・本部・支社で過去1ヶ月分の新聞を取り置きしており、こちらも電話から取り寄せができます。もしくは、朝日新聞デジタルを利用して閲覧する方法があります。

書籍の販売を待つ方法もあります。『三谷幸喜のありふれた生活』というエッセイの枠組みを利用して連載されておりますので、おそらく文庫本になる際に収録されると思われます。

まとめ

全4回に渡り連載された『古畑任三郎』をあなたは目撃したでしょうか? 朝日新聞は普段購入しないのですが、新作を見るために毎週の楽しみにして購読をしました。普段と違った新聞を読んでみるのも面白いですね。

さて、ストーリーとしては、脚本家・三谷先生が俳優・大泉妙を殺害するという内容でした。名前的にモデルとなった人物が想像できますね。作者自身が自分が考えた刑事と対決するなんて、なんとも作者冥利に尽きる展開で引き込まれました。

殺害から警察との対峙まで3000字もないため、自ずと「ここが怪しいのではないか?」と、私も考えて臨んだ解決編でしたが、実に見事な証拠で思わず膝を打ち納得しました。2週目で見るときには、タイトルの意味もガラッと変わるのが上手い伏線なんですね。

犯人になったならば言ってみたいセリフ、「いつから私を怪しいと思ってた?」をそのまま証拠にしてしまう流れは、コンパクトにまとめなけらばならない、新聞のエッセイの枠組みならではの展開でございました。

最後に三谷幸喜さんから、古畑任三郎へのメッセージが寄せられており、並々ならぬ愛情を感じ取ることができました。古畑はみんなで作り上げ、配役には田村正和さん以外には考えられませんね。文章を読んでいても、田村さんの声で場面が浮かんでくるのです。

古畑任三郎というキャラクターを僕と一緒に作り上げた、フジテレビの石原隆さん、共同テレビの関口静夫さん、そしてなにより田村正和さんに感謝。条件が揃えば、僕はいつでも映像版「古畑」の新作を書く準備は出来ていますよ、田村さん。

『三谷幸喜のありふれた生活 特別編 小説「一瞬の過ち④」』より引用

以上、『一瞬の過ち』でした。