古畑任三郎 22話『間違えられた男』間違われた男

古畑任三郎 22話 間違われた男

落差が見事なエピソードだ。「雪山の山荘」+「糸による密室」と、本格ミステリーを思わせる舞台設定で第1の殺人を完了する。一体どうやって密室トリックに古畑任三郎は挑むのかと思いきや、犯人が帰宅する途中で、車がパンクしてからは急転直下でギャグパートに移るのだ。

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データ

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脚本:三谷幸喜

監督:関口静夫

制作:フジテレビ

演出:河野圭太

音楽:本間勇輔

本編時間:46分13秒

公開日:1996年3月6日

あらすじ+人物相関図

古畑任三郎 間違われた男 人物相関図雑誌編集者・若林仁は、妻の不倫相手を山荘のロッジで射殺すると、糸を駆使したトリックで密室を作り上げその場を後にした。だが車のタイヤがパンクしてしまい、偶然通りがかった鴨田巌の車に同乗させてもらう。すると、鴨田は若林のことを知っていると話す。一体どこで出会ったのか。

若林は今日出会ったことは誰にも言わないように頼むが、口が軽い彼は自宅にある留守番電話に若林と会ったことを吹き込んでしまう。山荘の殺人事件に関与していることがバレてしまうため、若林は鴨田を殺害し、鴨田宅に向かい留守番電話のテープを回収した。玄関から外へ出ようとしたとき、チャイムが鳴った。そこにいたのは、鴨田を尋ねてきた古畑任三郎であった。

人物紹介(キャスト)

今回の犯人:若林仁(わかばやし ひとし)

役者:風間杜夫

職業:雑誌編集長

雑誌『月間カドマツ』編集長の男性。高尾山で妻の不倫相手を殺害し、糸を駆使した仕掛けで密室殺人を成し遂げた。帰り道に車がパンクし、偶然通りがかった鴨田巌に乗せてもらう。彼が自分のことを知っていると話し、会ったことを黙認して欲しいと頼んだ。口が軽い鴨田は、自宅の留守番電話に会ったことを吹き込んでしまったため、第2の殺人に手を染める。


今回の被害者:????

役者:清水昭博

職業:妻の不倫相手

職業、氏名不詳の男性。若林の妻と不倫関係にあり、それを若林から見咎められて高尾山にあるロッジで射殺された。鴨田の話によると、若林の妻は大変な美人のようだ。若林仁の職業は雑誌編集者であり、同業者や執筆関係の仕事に携わっているのではないだろうか?


今回の被害者:鴨田厳(かもだ いわお)

役者:小野武彦

高尾山に続く道路で、若林仁を乗せてあげた男性。「基本的に良い人」と公言しており、常に笑顔で話好きである。古畑任三郎の財布を拾っており事件日に会う約束をしていた。

小ネタ・補足・元ネタ

「花見先生の出版記念パーティー」で若林仁を見たという台詞がある。これは、16話『ゲームの達人』の被害者である推理小説家・花見禄助氏のことだと思われる。そのため、今回の事件は16話前後のどちらかで起きた可能性が高い。

再放送されないエピソードの1つである。25:21~25:35の14秒で『サザエさん』のオープニングが使用されており、この部分が権利関係の都合上により再放送ができない箇所になっている。このシーンは作品内でも重要な仕掛けになっており、都合よくカットすることができないためである。

〇放送当時、フジテレビ系列では毎週火曜日19:00~『サザエさん』の再放送されていた。また、三谷幸喜氏は『サザエさん』の脚本を担当したことがある。

〇DVD表示では『間違えられた男』というタイトルであるが、『間違われた男』とも呼ばれている。ヒッチコック監督作に『間違えられた男』という同一の名前があり、これがタイトルの元ネタだと思われる。

まとめ

何をやってもついてない1日を犯人・若林仁は迎えることになる。古畑任三郎と対峙してからは、とことん付きまとわれ完全に遊ばれる。

若林は何とかバレないようにと、鴨田になりきり話をしたり、同性愛者のフリをしたり、ボーリングでストライクを狙ったり必死である。どう考えても不自然な状況なのにヤケクソで乗り切るしかないのが面白い。特に、若林がホテルの更衣室で着替えた後のシーンは笑ってしまう。

一方で、被害者となってしまった鴨田巌は口は軽いが大変良い人物として描かれている。今作は『なりすまし』がテーマのため、被害者に関する私生活というものが良く見えてくる。どういった友人関係があり、どういった家族構成なのか?どういった仕事で部屋には何を置いているのか。

『俺、基本的に良い人だからさ』と自分で公言しているように、何も悪さをしていないただ真面目に生きてきた男であったのだ。同居人に「シゲル」というのもおり、大学のサークルで出かけている最中であった。

物語自体は犯人が逮捕されてお終いである。終始ギャグ調で進む話なだけに、帰宅したら、口は軽いが良い奴だった鴨田巌はいない。失ったショックを考えると、非常に物悲しくもなるエピソードだ。

以上、『間違われた男』でした。