古畑任三郎シリーズのファイナル三部作のトリを飾るのが、この「ラスト・ダンス」です。ゲストに松嶋菜々子さんを迎え、双子の脚本家役を一人二役で演じきった名エピソード。2006年の放送から時が経っても、ファンに愛され続ける最終回を、詳しく振り返ります!
データ
脚本:三谷幸喜
監督:関口静夫
制作:フジテレビ
演出:河野圭太
音楽:本間勇輔
本編時間:100分24秒
公開日:2006年1月5日
松嶋菜々子さんの双子役は、定点カメラを使った重ね撮りで実現。河野圭太監督によると、撮影は非常に苦労したそうです。再視聴の際は、ぜひその技術にも注目してみてください!
あらすじ+人物相関図

人気脚本家・加賀美京子は、双子の姉・大野もみじ(松嶋菜々子)と妹・大野かえで(松嶋菜々子)の共同ペンネーム。業界ではその事実が知られていました。社交的で華やかな妹のかえでは、ストーリー考案に加え、マネジメントや交渉を担当。一方、引っ込み思案の姉のもみじは、裏方でプロットを完成させる役割を担っていました。
そんな中、もみじが脚本の方向性の違いを理由にコンビ解消を申し出ます。冷ややかに応援する妹でしたが、双子であることを利用した入れ替わりトリックでアリバイを作ると、拳銃での自殺を装い殺害してしまいます。
人物紹介(キャスト)
氏名:大野もみじ
役者:松嶋菜々子
概要:脚本家の女性。双子の姉妹の姉で、共同ペンネーム”加賀美京子”の名でドラマの脚本を執筆している。妹・かえでが考えたプロットに、セリフや行間を付け加えてドラマとして完成させる作業を担っていたが、脚本の方向性の違いから独立して個人でドラマ脚本を執筆したいと告げていた。
自分でもストーリーを手掛けることができ、RTVで放送されている『ポタージュ』というドラマの原案を担当している。妹が考える脚本の方向性の違いから、独立して個人でドラマ脚本を執筆したいと告げていた。
引っ込み思案で人間嫌いだそうで、執筆作業以外はアパートの仕事部屋から外出することはない。勤めて2年半になる家政婦・杉浦によると、最近は化粧をして買い物に出かけるぐらいには成長したようだ。引きこもりのような生活を送り、デスクワーク中心であったためか? 3年前に心臓病で入院したことがあるらしい。
氏名:大野かえで
役者:松嶋菜々子
概要:脚本家の女性。双子の姉妹で妹で、共同ペンネーム”加賀美京子”の名でドラマの脚本を執筆している。大まかなストーリーを考案するほか、社交的な性格のためマネジメントや交渉も行っている。容姿端麗で自信のある態度と決断力。ドラマのヒットメーカーでもあるためにテレビ局側も頭が挙がらないようだ。本業の傍らに、他映画の試写会で舞台挨拶をするなど幅広い活躍をしている。
初めて挑戦したという刑事ドラマ『鬼警部ブルガリ三四郎』は、全11回の放送であり、視聴率19.5%という高い評価を受けた。次回作は『ラブ・ポリス』という恋愛ドラマを作りたいと、古畑任三郎をダンスへ誘い骨抜きにすると、警察署を案内してもらう段取りをしてもらっている。「まぁ私が本気をだせばこんなもんね」と男の扱い方を熟知している。
人と会うのが大好きな社交的な性格のため、マネジメントや交渉も行っている。容姿端麗で自信のある態度と決断力。ドラマのヒットメーカーでもあるためにテレビ局側も頭が挙がらないようだ。本業の傍らに、他映画の試写会で舞台挨拶をするなど幅広い活躍をしている。
役者そっちのけでインタビューを受けており、ドラマを音楽で例えると、「椎名林檎さんの過激さと平井堅さんの優しさをブレンドしたみたいな感じ」。主演女優にどんなアドバイスをしたのかと問われると、ハリウッド・スターの名前を挙げるなど表現の幅も広い。
愛煙家であり好きな銘柄は、『バージニア・スリム』である。拳銃は何年か前、暴力団幹部の一家を描いたドラマを考えた際、取材で実際に幹部の人に会って話をしている内に気に入られて貰ったそうだ。ドラマは過激すぎてお蔵入りになったようである。
小ネタ・補足・元ネタ
- 冒頭のドラマ『鬼警部ブルガリ三四郎』は、俳優・誉陽一(小日向文世)が演じる刑事ドラマである。鶴田というどこか抜けている刑事と、トメ子という女性が登場し事件を解決していくらしい。全11作のようで、視聴率は19.5%と高視聴率である。
- アリバイ作りに利用され目撃者となった秘書・杉浦を演じた「松金よね子」氏は、16話『ゲームの達人』で家政婦・亀山を演じている。ゲームの達人でも、爆竹を利用したトリックで、たった今銃で自殺したように思いこまされる目撃者を演じていた。
- 作中に登場したRTVの『ポタージュ』というドラマのプロデューサー・海老沢は、19話『VSクイズ王』で登場していた。バラエティー番組からドラマ部門の方に異動になったようである。ちなみに毎週水曜日9時からオンエアされるそうだ。
- 18分~古畑任三郎が扱った事件について語るシーンがある。会話の内容から、20話『動機の鑑定』である。
刑事コロンボからのオマージュ
まとめ|シリーズの美しい締めくくり
本作は、田村正和氏が全編を通して登場する『古畑任三郎』の最終回です。以後は、番外編『古畑中学生』の冒頭にわずかに姿を見せるのみとなります。DVD特典に収録された三谷幸喜氏へのインタビュー(前編)によると、これまであまり描かれてこなかった「古畑の内面」を強く意識した作品になっているそうです。
これまでシリーズを観てきた方ならご存じのとおり、古畑任三郎は生粋のフェミニストであり、女性への細やかな気遣いが印象的な人物です。本エピソードでは、第1話『死者からの伝言』の犯人・小石川ちなみの名前も挙げられ、悲しい結末を迎えた女性犯人たちに、古畑がどのように寄り添ってきたのか、その姿勢を最終話で改めて提示してみせました。
ミステリーとしては、「双子」という非常に扱いの難しい設定を題材にしています。入れ替わりがあったのではないかというミスリードを含みつつ、どちらが犯人なのか、本当に入れ替わっていたのかと、視聴者が深読みできる構成になっています。犯人視点で物語が進む倒叙形式でありながら、同時に犯人当ての要素も成立させている点は見事です。
撮影を終えた際の田村正和氏について、三谷幸喜氏は次のように語っています。
三谷「本当、せいせいした、という感じでおっしゃってましたね。すごく楽しそうでした。『やっと終わった、もうセリフを覚えなくていい。こんなに嬉しいことはない』って。あんなに明るい田村さんは久しぶりに見ました。本当に嬉しそうでした(笑)」
河野「いやぁ……本当に気持ちいいって言って帰っていきましたからね(笑)」
三谷「それと田村さんがこうおっしゃっていて。眠狂四郎は自分以外の役者が演じたバージョンもあるけれど、古畑は俺しかやっていないんだ、と。そういう自負やこだわりがありましたね」
――『三谷幸喜×河野圭一 対談(2006年)』より引用
田村正和さんは2021年4月3日に逝去されました。10年以上にわたり、多くの人に愛される名刑事・古畑任三郎を演じてくださり、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りします。
以上、『ラスト・ダンス』でした。



コメント
杉浦さんは家政婦ではなく秘書っしょ
≫杉浦さんは家政婦ではなく秘書
ご指摘ありがとうございます。修正させていただきました。
管理人さん、ご無沙汰しています。(【古畑任三郎】第2シリーズの4話と9話が再放送されない理由にコメントをレスして以来なので5年振り)
さて今回ですが、何気にテレビの番組表をチェックしていたら
27日(土)東海テレビで『今、甦る死』が再放送するらしいです。
但し、僕的には14年前に再放送した時のをDVDに残しているので
今更再放送されても嬉しくないのが本音なんですよね。
スペシャルを再放送するなら、笑うカンガルーor黒岩博士の恐怖orすべて閣下の仕業が観たいなぁ~って。
以上、愚痴になりましたがお許し下さい。
ウサ男さま
コメントありがとうございます!
>>『今、甦る死』が再放送
>>スペシャルを再放送するなら、笑うカンガルーor黒岩博士の恐怖orすべて閣下の仕業が観たいなぁ~っ
スペシャル回としては、ファイナルシーズンの『今、甦る死』と『ラスト・ダンス』が再放送されやすいですよね。
『黒岩博士の恐怖』と『すべて閣下の仕業』に関してはフジテレビ公式の有料チャンネルFODでも配信がないため、再放送が難しい状況にあるエピソードなのだと感じます。